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2017年7月

2017年7月26日 (水)

7月30日放送 第十三回は 高橋克彦作『寝るなの座敷』

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『 パナホーム山梨 presents SUNSET THEATER 』

ご案内役の 小川もこ です。 

毎週、日曜日の17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー
サンセットタイムにお届けする この番組は、
私、小川もこ が 日本文学の名作をセレクトし 朗読させていただきます。

第十三回放送は7月30日。今回 取り上げるのは、
高橋克彦さんが書きました、「寝るなの座敷です。

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高橋克彦さん
1947年、岩手県生まれ。早稲田大学商学部卒。
浮世絵研究家として美術館に勤務した後、執筆活動に入られました。
江戸時代に対する深い知識を生かした時代物の推理小説の他、怪奇小説、SF、ミステリーなどを幅広く手がけ、1983年『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞を受賞。
その後、1986年『総門谷』で吉川英治文学新人賞、1987年『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、
1992年『緋い記憶』で直木賞を受賞。
著書に『広重殺人事件』『竜の柩』NHK大河ドラマの原作となった『炎立つ』など多数。
浮世絵研究家として、『浮世絵鑑賞事典』を著していらっしゃいます。

今回、朗読させていただく作品「寝るなの座敷」は、1988年7月に実業之日本社から発行された「星の塔」収められているもので、
その後、

新芸術社 刊「恐怖小説コレクション 3 夢」
文芸春秋刊、文春文庫「星の塔」
中央公論新社 刊『高橋克彦特選短篇集』などに収められている短編です。

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数年前、私が「東北出身の作家たち」 というテーマで語りの公演をおこなうことになったとき、
高橋克彦さんの 上記の3冊の講談社刊 自選短編集を読んだ中から ぜひこれを語ってみたい!と、惚れ込んだ作品です。

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遠野物語をおばあさんが語るというシーンがあって、花巻・遠野のあたりの言葉を取材しに、
遠野まで旅したものでした。

遠野の方言は、柔らかで優しい中に味があって。
始まりの言葉「むかぁし、あったずもな」と、終わりの言葉「どんどはれ」が温かいです

私の東北弁は、宮城県の訛りが根本にあるので、細かいニュアンスがかなり違うかと思います。
おおめに見てくださいね。

公演の時は、音楽ゲストに JAZZピアニスト 立石一海さんをお迎えし、
それぞれの話に合わせ、全くオリジナルの曲を作曲、生演奏していただきました。

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その時の音源を、今回は使わせていただきましたので、
いつものサンセットシアターとは いささか趣の違う世界になっているかもしれません。

東京から遠野へ取材旅行でやってきたイラストレーターの男
「昔話村」で出逢った不思議な少女、日向子(ひなこ)
「市立博物館」で知り合った知的な美人の倭夏子(わかこ)

三人が織りなしていく、不思議で ちょっぴり怖い物語。


あなたのご感想をお待ちしています。

メールアドレス
sunset@fmfuji.jp
へ どうぞ。

日曜日の午後。17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー。

東京や関東近郊の皆様は78.6MHz、甲府は83.0MHzにチューニングして、
その他 全国の皆様は、LISMO WAVEや radiko.jpプレミアムでお楽しみくださいね〜♪

スマホやパソコンで聴けるアプリradiko.jpプレミアムでは、タイムフリー機能で、聴き逃しても 1週間以内なら いつでも聴くことが出来ます。

___________________

【 追記 】
今回は たくさんの御感想を頂戴しました。
その一部を掲載させてもらいますね。

チャッピー
もこさん 今回も女優でしたね~

あまりにリアルで、終盤、ゾゾッとし通しでした。
まさにこの暑い夏にぴったりの作品でした~♪

 でも、こわいんだけど どこか ほんわか温かい感じがして…

時折ちりばめられる方言のせいかもしれませんし、
作家である高橋さんのお人柄がうつしだされているのかもしれませんね。

高橋さんの作品にふれたのは今回が初めてでしたが、
とても魅力的だったので、他の作品を読ませていただこうと思います。

魅力的と言えば、立石さんのピアノも…ピアノによって不気味さが倍増してました!

 いろいろな文学作品を身近にしてくれるこの番組。
これからも楽しみにしています♪

タケゴン
寝るなの座敷に泊まったら…わたしなら眠れません。
物語の中で、民話には「女の恐い話が多い」とあって、
言われてみればそうだなと思いながら聞いていました。
このお話も、そういう流れになっていくのかとハラハラしましたが、
最後は、ホッとしました。
もこさんの「婆さん声」や、ピアノの伴奏の効果も手伝って、
それぞれの場面が見えるようでした。ほんわかとした聞了感です。

もとや
ちょっぴり怖い場面、あの座敷に泊まっている場面、
「座敷さまは合格点をくれるかなぁ」のお気楽なセリフからのジェットコースターのような急展開。
電球が消え、布団が持ち上がり、女が泣きながら壁を叩いているところとか…。
ピアノの演出もあるのか、ちょっぴりどころか、しっかり怖かったです。

しかし、もこさんの語り、すごいですね。「生唾を呑み込んだ」っていうセリフのところ、ゴクリという音が聞こえてきたようでした。
また、長い小説を番組に収まるようにアレンジしたとのこと、聴いてて全く
違和感を持たなかったのですが、そうですか。結末が微妙にアレンジされているんですね。原作を読みたくなってしまいました。

オルカ
会社の帰り道に、radikoのタイムフリーで聴きました。
夜道を歩きながら聴くのは、怖すぎました。
もこさんの日向子の声が少女そのもので、背筋がゾクゾクいたしました。
ラジオで日本文学を聴くという機会をつくっていただき、感謝です。
長く続く番組となりますように。

ともこもこもこ
遠野という町に興味を持ちました。
遠野の方言に温かみがあり、こわい話でも、どこか懐かしい気持ちになりました。
偶然出会った男と倭夏子が、迷子の日向子を心配し、一晩世話をする。
倭夏子から恐ろしい「寝るなの座敷」を聞いた男が、強がって大丈夫だと泊まる。私だったら怖くて逃げ出すだろうなぁ。

寝るなの座敷の夜は、ぞくっ、ハラハラしましたが、最後はホッと心が温かくなりました。

日向子は、男と倭夏子に幸せになってほしいのだろうなと。
座敷わらしが繋いだ出逢いが実っての幸せを願いました。

作者の高橋克彦さんは、北斎や写楽などの時代物小説を書かれているのですね。
この作品で、著者や 舞台の遠野に思いを馳せ、楽しむことが出来ました。
次回も楽しみにしています。


角ヨシ
いつも楽しく聴いています。今回は怖かったです。
今晩、思い出して寝られないんじゃないかと思うほど、怖かったです。

ピアノの効果音もあって、びくっと飛び上がりそうになった場面もありました。
立石さんのピアノが、物語にとても合っていました。

私、遠野出身の友達がいますが、彼女から時々でる方言に、遠野の言葉っていいなあと思っていました。もこさんの方言も、とても心地よくて、あったかい感じがしました。

最後、偶然泊まった宿で伴侶が決まってしまいそうな強引な終わり方でしたが、
原作の最後は違うとのこと、どんなふうに違うのでしょう。

サンセットシアターは、読んでいなかった本に興味を持たせてもらえます。
これからも色々紹介してくださいね。

ザッキー
登場人物が多いですが、もこさんの声の使い分け、さすがですね。
頭の中で、映像が浮かびあがります。

劇中劇の「サムトの婆」の老婆から、日向子の声まで、それぞれ別人物の、その年齢の声優が話しているようでした。

座敷童子が現実となった話なんですね。

主人公のイラストレーターの、座敷童子への怖いもの見たさと、倭夏子への ほのかな恋の期待がミックスされ、怖い物語が「どんどはれ」で締まるのがよかったです。

東北出身でないザッキーは、「座敷童子」は言葉として聞いたことはあったのですが、詳細は知りませんでした。
この機会に調べてみました。
「座敷童子」は、東北の歴史を読み解く大事なキーワードだったのですね。

さら
岩手県、遠野物語、座敷童子・・・
それだけで、もう、どきどきわくわくする内容でした。

 遠野物語には憧れがあります。
何度か読もうとしたのですが、なかなか読み進めることが出来ず、
その味わいを知るには至っていません。

しかし、今回のお話で、間接的にですが、
遠野物語の世界を堪能できました。

おばあさんの方言の部分、しっかり聞かせていただけたので、
なおさら愉しませていただけました。

2017年7月18日 (火)

7月23日放送 第十二回は 菊池寛 作『恩讐の彼方に』

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第十二回放送は7月23日。今回 取り上げるのは、
菊池寛が書きました、「恩讐の彼方にです。

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菊池 寛(きくち かん・本名きくち ひろし)は、1888年(明治21年)に香川県 高松市に生まれ、-1948年(昭和23年)亡くなりました。
小説家・劇作家・ジャーナリストであると共に、文藝春秋社を創設した実業家でもあります。
また、芥川賞・直木賞も、彼が創設した賞です。

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今回 朗読する「恩讐の彼方に」は、大正8年(1919年)1月に発表された小説です。

この作品は、実話に基づいているんですね。
江戸時代後期、豊前国(現在の大分県)の山国川沿いの耶馬渓にあった交通の難所に、青の洞門を開削した実在の僧である禅海の史実から書かれたものです。
ただし、禅海は、小説の主人公である市九郎(了海)のように、独力で掘り続けたわけではなく、托鉢勧進によって掘削の資金を集め、石工たちを雇って掘ったのだとか。
敵討ちの部分も、菊池寛による創作です。

実にドラマチックな長編で、今回、番組の時間に合わせて かなりのカットをおこないました。
よかったら。原作を青空文庫等で読んでみてくださいね〜


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2017年7月13日 (木)

7月16日放送 第十一回は 宮沢賢治 作『よだかの星』

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第十一回放送は7月16日。今回 取り上げるのは、
宮沢賢治が書きました、「夜だかの星です。

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宮沢 賢治(みやざわ けんじ)は、1896年、岩手県稗貫郡里川口村(現在の花巻市)に生まれ、
1933年に急性肺炎のため 37歳で亡くなった、詩人であり童話作家です。

仏教を信仰し、農民生活に根ざした創作を行いました。
賢治の生前は、そのの作品はほとんど知られることはありませんでしたが、亡くなってから、広く名を知られ、国民的作家となっていきます。

盛岡高等農林学校(現・岩手大学農学部)時代の1917年(大正6年)学友の保阪嘉内らと同人誌『アザリア』創刊、そこで短歌などを発表しましたが、
生前に彼の作品として発刊されたのは、1924年(大正13年)に自費出版の詩集『心象スケッチ 春と修羅』と、
童話集『注文の多い料理店』だけでした。

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今回 朗読する「よだかの星」は、 1921年頃に書かれ、賢治が亡くなった翌年(1934年)に発表された作品です。
国語の教科書にも採用された 有名な物語ですが、単に、弱い者いじめや 外見の美醜によって人を判断することの愚かさを訴えるだけでなく、賢治の仏教思想が垣間見え、「自己の存在への罪悪感」「自己犠牲」「転生」などもあって、大人の鑑賞に相応しい作品かもしれません。


ところで。宮沢賢治が書いた冒頭に

「よだかは、実にみにくい鳥です。
顔は、ところどころ、味噌みそをつけたようにまだらで、
くちばしは、ひらたくて、耳までさけています。」

とあるので、で。「よだか」って、どんな鳥なんだろう?と、調べてみました。

ヨタカ:鳥綱ヨタカ目ヨタカ科ヨタカ属に分類される鳥類。
全長29センチメートル。全身の羽衣は暗褐色や褐色で、黒褐色や褐色、赤褐色、薄灰色などの複雑な斑紋が入る。この体色は樹上や落ち葉の上では保護色になると考えられている。翼は大型で先端は尖る。

頭部は大型で扁平。虹彩は暗褐色。口は大型だが、嘴は小型で幅広い。

1771 ごま塩状の羽は、樹木や落ち葉への擬態のためなんでしょうね。
(写真:ケンさんの探鳥記 より)

133e1460792892345 この変顔な子は、日本にはおらず、中南米に生息する「タチヨタカ」。
ひょうきんで、可愛いですよね。
(写真:labaq.com より)


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【 追記 】
頂戴したご感想の一部を掲載させていただきます。

なまけ☆たろう さんから:
今日のサンセットシアター宮沢賢治『よだかの星』
私にとって初めての作品でした。
宮沢賢治は『注文の多い料理店』くらいしか読んだことがなかったので楽しみにしていました!
しかし...なぜ 外見だけが理由で こんなにもとことん嫌われなくちゃいけねいのか?
疑問だらけで ずっと聴いていました。
優しい気持ちでしたことも裏目にとられ、聴いている途中から、人間社会、身近な人間関係に置き換えて聴いてしまっていました。
『孤高』に生きた よだか。
話の中で、鳥同士の会話なのに「人格」という言葉があり、その表現に違和感がありました。
よだかを通じて、もしかしたら、宮沢賢治も なにか自分自身の孤独を表現したかったのかなと思いました。
毎晩 夜空を見上げています。今夜から「よだかの星」を探してみようと思います。
もこさん、今夜も ありがとうございました。(*^_^*)


タケゴンさんから:
 あからさまな感想は難しいです。
私の心の醜さも 晒さなければいけないので...
 江戸時代のお話が何度かあったので、これも江戸時代の夜のお話かと思いましたが、本当の鳥のお話でした。
 美しいものと そうでないものがあれば、美しいものに惹かれるのは 自然の摂理だと思います。
(よいDNAを残す観点から そのようになっている。と、文春に連載されていたエッセイで読んだ)
 では、美しくないモノと どうつきあうのか。
ですが、つきあいたくないと思うのも、おそらくは自然の摂理なんだと思います。

 昔は「恐いもの見たさ」が普通にあって、お祭りでは「見世物小屋」がありました。
アルチンボルド展にも展示されていたけれど、多毛症の人を慰みものとして見ていたりしたようですね。
しかし、今は「優しさ」が一般に浸透して、
そういうことは「いけないこと」という概念が固まりつつあるように思います。
 タケゴン自身も正直なところ、
「恐いものを見てみたい」けれど「醜いモノとは近づきたくない」と思う心がありました。
しかし、介護の勉強をしたときに、
いろんな人がいるけれど、「それは個性なのだ」ということを学習してからは
偏見が少し是正されたように感じています。
 明治の時代に「醜いモノ」の心に焦点をあてた文学に
「わたしの心の醜いウロコ」が剥がされる感触を味わいつつ聴きました。

2017年7月 4日 (火)

7月9日放送 第十回は 太宰 治 作『貧の意地』

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第十回放送は7月9日。今回 取り上げるのは、
太宰 治が書きました、「貧の意地です。

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第一回のサンセット・シアターに登場した太宰ですが、
今回の作品は、かなり趣きが違います。

『新釈諸国噺』の中に、江戸の話として収めされている作品ですが、
元々、井原西鶴が書いた
「西鶴諸国はなし~大晦日はあわぬ算用(巻一の三)」
を、さらに膨らませて書いたものなんですね。

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井原西鶴
江戸中期、大阪に生まれた俳人で、浮世草子作家です。
天和2年浮世草子『好色一代男』を発表、作家としても地位を得ました。
代表作の『世間胸算用』など、好色物・武家物・町人物と、西鶴の名を近世文壇史上に大きく残す様々な作品があります。元禄6年(1693)歿、52才。

この『新釈諸国噺』を書くにあたって、太宰治は、以下のように綴っています。

「〜新釈諸国噺しょこくばなしという題にしたのであるが、これは西鶴さいかくの現代訳というようなものでは決してない。古典の現代訳なんて、およそ、意味の無いものである。
(略)
西鶴は、世界で一ばん偉い作家である。メリメ、モオパッサンの諸秀才も遠く及ばぬ。
私は西鶴の全著作の中から、私の気にいりの小品を二十篇ほど選んで、それにまつわる私の空想を自由に書きつづり、「新釈諸国噺」という題で一本にまとめて上梓じょうししようと計画しているのだが、まず手はじめに、武家義理物語の中の「我が物ゆゑに裸川」の題材を拝借して、私の小説を書き綴ってみたい。原文は、四百字詰の原稿用紙で二、三枚くらいの小品であるが、私が書くとその十倍の二、三十枚になるのである。(略)」

さて、太宰の手によって、西鶴の作品が、どのように生まれ変わったのか。

まるでダメな男である 主人公の 原田内助と、その友人たち七名が巻き起こす てんやわんやのストーリー。
落語か、講談のような展開が楽しく、どう感じていただけるか、ワクワクです。

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【 追記 】
頂戴したご感想を掲載させていただきます。

オガッチさんから:
「貧の意地」を聴かせていただきました。
原田と七人の男の群像劇として描いており、とても面白い作品ですね。
仰せのとおり、太宰は優しい人である為、主人公 原田に太宰の姿が投影されているかのように思えます。
太宰作品は好きなので、サンセットシアターで取り上げられる時は、予習で読んでから聴くことにしています。