(富士川十兵衛さん撮影)
『 パナホーム山梨 presents SUNSET THEATER 』
ご案内役の 小川もこ です。
毎週、日曜日の17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー
サンセットタイムにお届けする この番組は、
私、小川もこ が 名作をセレクトし 朗読させていただきます。
今回 朗読するのは、佐江衆一さんが書きました『水明り』です。 佐江衆一さんは、1934年1月生まれ、東京台東区 蔵前のご出身。
85才となられた今も、現役で小説を書き続けていらっしゃいます。
1960年、第7回新潮同人雑誌賞を受賞。以降、5回にわたって芥川賞の候補になり、
1995年、老親介護を描いた「黄落(おうらく)」が第5回ドゥマゴ文学賞受賞。
この作品は、はテレビドラマ化、舞台化もされました。
1996年、時代小説短編集「江戸職人綺譚」が第4回中山義秀文学賞受賞しています。
これは、
錠前師、人形師、大工、化粧師、桶師、女刺青師、など九つの職人の姿を描いていますが、
その職業についての微に入り細を穿ったような描写、そこに様々な人間模様を織り込んでいて、
江戸時代の職人達の生き様が 一編一編、心に迫ってくる傑作短編集です。
今回の作品「水あかり」は、この「江戸職人綺譚」におさめされている短編です。
風呂桶などをつくる桶師の朝吉と、
彼を客として迎えた 身をひさぐ商売のおりん。
男女の一夜の物語。
江戸の時代、自分の家の据え風呂、それも小判型の檜の風呂に入るというのは、
朝吉と おりん、幸せ薄い二人の夢でもあったんですね...
あるとき、語りの舞台でこの作品を聴いて、私も語ってみたい…と心に決め、
私、小川もこが 初めて語り公演で取り組んだ物語でもあるんですね。
男と女の...大人な世界、どうぞ聴いてみてください。
あなたの御感想 お待ちしています。
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さらに。この番組ブログの扉のサンセット写真は いつも夕陽・夕焼け・夕景を掲載しています。
最初の頃は、無料の壁紙を貼っておりましたが、
今は、リスナーの皆さんから投稿していただいた写真を載せさせてもらっています。
あなたも、綺麗だなぁ〜というサンセット写真が撮れたら、ぜひ。
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日曜日の午後。17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー。
東京や関東近郊の皆様は78.6MHz、甲府は83.0MHzにチューニングして、
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御感想を多く頂戴いたしました。ありがとうございます。
Kさん、女性:
東京墨田区在住です。
今日、箱根からの帰り道に何気なく、FM FUJIにラジオのチャンネルを合わせてみたらSUNSET THEATERが丁度ON AIRされていました。
もこさんの語りに耳を傾けて今日の「水明かり」を拝聴させていただきました。
朗読の初めに「千住宿のはずれ〜」とあって、荒川か隅田川かと頭に風景が出て来る感じがしました。
また佐江衆一さんが台東区 蔵前の生まれだそうで、これもまた近い場所で親近感が湧いて来ました。
なかなか日本文学には馴染みのない生活ですが
今日のラジオを聴いて、朗読で日本文学を知るのも楽しいんだなぁ、と思いました。
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神奈川県 カドヨシさん:
いつもradikoで聴いていますが、メールは久しぶりです。
二週にわたっての「野菊の墓」。こういう続きものもいいですね。
次週どうなるのかも待ち遠しかったです。
今回の「水明かり」、とても衝撃を受けたので、感想を書きたくなりました。
ラジオでこんなに官能的なお話を放送していいのか、ちょっとドキドキしました。
映像がない分、想像が広がりますね。
いつもながら、もこさんの人物になりきる語り方、すごいなぁと思います。
おりんさんの最後の一夜、ちょっと羨ましいなぁと思っちゃいました。
実際に檜のお風呂に入ることは出来なかったけれど、それ以上の幸せを感じることができたんだろうなぁって。
せつないお話ではあるけれど、おりんの最後は、幸せな気持ちでおとっつぁんの元へ逝ったんだろうなぁと思いました。
本当は死ぬなんていけないことだけど、ま。小説なので・・・
また、色っぽいお話、期待していまーす。
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チャッピーさん:
いつも楽しく拝聴しています。
佐江衆一さんの「水明り」 もこさんが色っぽかった〜
そして、物語の中で使われている言葉ひとつひとつが美しく、
あらためて日本語ってなんて美しい言語なんだろうって気づかせてくれました。
幸 薄い二人の せつなく哀しい恋。
でも、この上なく甘く素敵な時間だったんだなぁと心が震えました。
これからもこの番組で、佐江さんのお話を語ってくれたら嬉しいです。
もちろん、自分でも本を読んでみようと思います。
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江戸川のオルカさん:
水明かり、拝聴いたしました。
とてもせつない、一夜の逢瀬。
あさきちが、人生を桶に喩えて、「一度ゆるんだタガは、締めたつもりでも、結局ばらばらになってしまう」と言っています。
そして、朝には、呼子の響きが外から聞こえてくる。
あさきちもまた、人生の最後には夢を見ることが出来たんですね。
ステキな話をありがとうございました。
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RN.25時のシンデレラさん:
これこれこれこれ!この物語をもう一度聞きたかったのです✨
以前もこさんの語り公演でこの物語を聞いたときの衝撃。
あのときの切ないまでの感動がよみがえってきました。
人生の最期に夢うつつのような
ひとときの幸せがこの「おりん」の これまで背負ってきた苦しい人生に
「手向け」のように訪れたことに 悲しい中に温もりを感じました。
おりんと浅吉が情事の余韻のなかで幸せの夢を見る
胸を締め付けるような切なさに涙を堪えられません
浅吉の心の中の辛い何かが おりんの悲しみに共鳴しているようで…
きっと空には儚く淡い月が浮かび 水明りだけがふたりの一夜をそっと
見守っている…
そんな情景が浮かぶような素敵な語りでした。
あぁ…切ない。
いつかこれを 私も語りたいです。
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いるまだむさん:
いいお話ですねえ。もこさんが語ってみたいと思ったの分かりました。
学生さんの、500文あれば生きろ!といった気持ちもわかるんですけど、チッチッチッチ若いなあ、君も大人になればわかるよ、と思いました。
我々も授業でアンデルセンの「人魚姫」の授業を受けた時いったものですよ。
「声が出せなくなったのなら、紙に書いたらいいやん。」青かったなあと思います。
おりんは300文なんていらなかったんですねえ。この世のお別れにただ思い出が欲しかった。二人のごっこ遊びも素敵。語る方によって全然違うんでしょうね。
とともに、これ、お笑い芸人さんがやったとしたら、痛いバカップルとなってしまうのかな?と、
スピードワゴンさんが演じる様子など想像してみました。
短編集の醍醐味を味わえました。
読んだことない作品だったのでとても嬉しかったです。ありがとうございました。