7月9日放送 第十回は 太宰 治 作『貧の意地』
『 パナホーム山梨 presents SUNSET THEATER 』
ご案内役の 小川もこ です。
毎週、日曜日の17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー
サンセットタイムにお届けする この番組は、
私、小川もこ が 日本文学の名作をセレクトし 朗読させていただきます。
第十回放送は7月9日。今回 取り上げるのは、
太宰 治が書きました、「貧の意地」です。
第一回のサンセット・シアターに登場した太宰ですが、
今回の作品は、かなり趣きが違います。
『新釈諸国噺』の中に、江戸の話として収めされている作品ですが、
元々、井原西鶴が書いた
「西鶴諸国はなし~大晦日はあわぬ算用(巻一の三)」
を、さらに膨らませて書いたものなんですね。
井原西鶴は
江戸中期、大阪に生まれた俳人で、浮世草子作家です。
天和2年浮世草子『好色一代男』を発表、作家としても地位を得ました。
代表作の『世間胸算用』など、好色物・武家物・町人物と、西鶴の名を近世文壇史上に大きく残す様々な作品があります。元禄6年(1693)歿、52才。
この『新釈諸国噺』を書くにあたって、太宰治は、以下のように綴っています。
「〜新釈諸国噺という題にしたのであるが、これは西鶴の現代訳というようなものでは決してない。古典の現代訳なんて、およそ、意味の無いものである。
(略)
西鶴は、世界で一ばん偉い作家である。メリメ、モオパッサンの諸秀才も遠く及ばぬ。
私は西鶴の全著作の中から、私の気にいりの小品を二十篇ほど選んで、それにまつわる私の空想を自由に書き綴り、「新釈諸国噺」という題で一本にまとめて上梓しようと計画しているのだが、まず手はじめに、武家義理物語の中の「我が物ゆゑに裸川」の題材を拝借して、私の小説を書き綴ってみたい。原文は、四百字詰の原稿用紙で二、三枚くらいの小品であるが、私が書くとその十倍の二、三十枚になるのである。(略)」
さて、太宰の手によって、西鶴の作品が、どのように生まれ変わったのか。
まるでダメな男である 主人公の 原田内助と、その友人たち七名が巻き起こす てんやわんやのストーリー。
落語か、講談のような展開が楽しく、どう感じていただけるか、ワクワクです。
あなたのご感想をお待ちしています。
メールアドレス
sunset@fmfuji.jp
へ どうぞ。
日曜日の午後。17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー。
東京や関東近郊の皆様は78.6MHz、甲府は83.0MHzにチューニングして、
その他 全国の皆様は、LISMO WAVEや radiko.jpプレミアムでお楽しみくださいね〜♪
スマホやパソコンで聴けるアプリradiko.jpプレミアムでは、タイムフリー機能で、聴き逃しても 1週間以内なら いつでも聴くことが出来ます。
____________
【 追記 】
頂戴したご感想を掲載させていただきます。
オガッチさんから:
「貧の意地」を聴かせていただきました。
原田と七人の男の群像劇として描いており、とても面白い作品ですね。
仰せのとおり、太宰は優しい人である為、主人公 原田に太宰の姿が投影されているかのように思えます。
太宰作品は好きなので、サンセットシアターで取り上げられる時は、予習で読んでから聴くことにしています。
コメント