本日「宙のもりもり」のコーナーでは、。
今月出版になったばかりの一冊、SB新書の「宇宙に命はあるのか」を紹介いたしました。

NASAでの日々の業務や、宇宙人に関すること、惑星やスターウォーズについても触れるなど、
若い人にもわかりやすく、独自の視点で綴っています。
タイトルは宇宙人を強く意識したものものですが、5つの章で描かれるストーリー、
最初の3章までは宇宙を夢見て、飛び出すところまでが描かれています。
SFの父と呼ばれるジュール・ヴェルヌ、代表作である「月世界旅行」は
翻訳されて世界各国でベストセラーになりました。
それを手にした、3人の少年、コンスタンチン・ツィオルコフスキー、ロバート・ゴダード、
ヘルマン・オーベルト、後にこの3人はロケットの父と呼ばれる研究者に成長します。
人が宇宙に行くのにはロケットが欠かせない、そう教えてくれた彼ら。そしてそれを実現する人がいます。
ヴェルナー・フォン・ブラウン。
小野さんは小説家のようにとてもドラマチックに書いているんです。
第2章では、アポロ11号が月に着陸したことを中心に展開されます。
ここで中心になるのは、マーガレット・ハミルトンとジョン・ハウボルト。
ハウボルトはNASAの技術者で、ハミルトンは女性プログラマーです。
この2人がいなかったら、もしかしたらアメリカは月面着陸を果たせていなかったかもしれません。
1969年にアポロが月に降り立ったことについて、誰か知っている名前を挙げるとしたら、
おそらく宇宙飛行士であるアームストロング船長と、当時のアメリカのトップだったニクソン大統領、
それにアポロ計画を立ち上げたケネディ大統領が浮かびますよね。
でも、オリンピックも似たようなものだと思いますが、アスリートが好成績を残すには
本人の実力や努力以外に、周りのサポートが必要ですよね。
著者である小野さんの言葉を借りれば、アポロには40万人もの人が携わっていました。
ケネディ大統領が視察でNASAを訪れた際、廊下の清掃員に対して何の仕事をしているのかたずねると、
その男性は、「人類を月に送るのを手伝っています」と言ったそうです。
続いて第3章。一千億分の8というタイトルで、
人類がこれまで人工衛星や探査機を通じて知り得た8つの惑星について書かれています。
今では誰もがデジカメを手にしていますが、月に行くよりも5年も前である1964年、
アメリカはマリナー4号という探査機を打ち上げて、火星へのフライバイを試みました。
ここに積んであったのがデジタルカメラ。
史上初のデジカメは地球ではなく、火星上空で使われたんです。
他にも、ボイジャーやバイキングといった歴代の探査機の活躍の様子が描かれています。
この本、専門書のはずだけど、難しい表現があまりありません。
難しいと思われるものについては図解や写真があるので、道に迷うことがないんです。
SB新書の方にうかがうと、宇宙の入門書として企画がスタートしたものとのこと。
さらにこの本の最も重要なポイントが「イマジネーション・想像すること」なんです。
著者の小野さんは読者に寄り添うことを心がけて書いていらっしゃるので、
先生、よりは、物知りのお兄さんといった感じです。
第4章、第5章は、ぜひ、ワクワク感を共有していただきたいと思います。
SB新書から出版されている、小野雅裕(まさひろ)さんが書いた、「宇宙に命はあるのか」。
ぜひ、お読みください。