今月も江戸時代に甲府城下町だったエリアを歩いています。
先週にお伺いした、金手駅近くにある五味醤油さんの近くにある、
甲斐奈神社にお伺いしました。
お話を伺ったのは、禰宜の高原さんです。
甲斐奈神社は、平安時代の延喜式にも、
甲斐国鎮守の神として崇拝されていました。
当時は、愛宕山の山頂にありましたが、いまから500年前
ちょうどこうふ開府と同じ時期に、今の場所に移りました。
(ちなみに、いまは、愛宕山の山頂には、本宮が祀られています。)
言い伝えによると、武田信虎が築城の際に、
愛宕山を軍事的な拠点にしようとしたところ、
近くに、甲斐奈神社があり畏れ多いということで、
神社が、いまの場所にお引越しを命じられたそうです。
その時に、大きな欅の木のところまで行きなさい、と
欅が引っ越しの目印になったそうです。
こちらが、その時に目印になったという欅。
いまは、こちらではなく2代目の欅の木が、
御神木となっています。
でも、500年前の木も、今日まで伝わっているのがすごい。
さて、「甲斐奈」という名前、ちょっと不思議じゃありませんか?
特に「奈」という言葉。
これは、「かいのじんじゃ」が転じたという説。
それと、昔の日本語では、「奈」という言葉は
とても大切で宗教的な場所という意味から付いた、と言う説。
2つありますが、どちらにしても、昔からこの場所で
愛されているということが分かりますね。
甲斐奈神社は、甲府城の三の堀に当たる場所にあり、
江戸時代もこの場所を守る役割を果たし、
時代が変わっても、その役割は変わらず、多くの方に愛されています。
そして、甲斐奈神社で祀っているのは、
富士山のコノハナサクヤヒメと、白山のククリヒメの
2柱の女性のご神体を祀っていることからも、
安産祈願に来られる方も多いそうですよ。
境内には、「子育ち石」という、お子さんが育つ力を
授けてもらえる石があります。
ちょうど、夫婦のイチョウの木の間にある石です。
ここに、子どもを立たせてあげます。
「子育て」ではなく、「子育ち」というのが、面白いですね。
その他にも、境内に様々な神様が祀られています。
境内を歩いているだけでも、たくさんの神様と
お会いすることが出来る、神社でしたよ。
また来週も、てくてくします。