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2015年2月23日 (月)

おい母さん、あの人ドコ行った!!??

さて、村の娘ではなく、実は“公益社団法人 やまなし観光推進機構”からの刺客だったという

アッコちゃん。

ドミンゴどんは最初驚きましたが

「そんな事関係無いわ。だって・・・・・アッコちゃんはアッコちゃんだもの!」

とウルトラセブン最終回でダンから正体を告げられたアンヌのセリフを丸パクリして、

悦に入っていました。

あれから一週間。

しかし、その間アッコちゃんから「信玄公祭りの秘密」について語られる事はありませんでした。

そんなある日。

家にいるハズのアッコちゃんの姿がドコを探しても見当たりません。

ドミンゴどんは

「おかしいだでなぁ・・・・。この時間ならいつも家で反物を織ってくれてるだでなぁ・・・・・。

それがドコを探しても見つからん。アッコちゃん、無知で愚図なオラと暮らすのが嫌に

なっただか・・・・・・」

と思うと、とても悲しくなりました。

そこで思わず天に向かって、こう叫びました。

「ゴメンよ・・・・・アッコちゃ~~~~~~~ん!!!!!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

けれども、辺りは不思議な程の静寂に包まれています。

「?????・・・・・・・・・??????・・・・・・・・・・???」

叫んだドミンゴどん本人も、どうする事も出来ず立ちすくんでしまいました。

その時です。

「カァーーーーットッッ!!!!」

思わず大声を出したのは今回の映画、久しぶりの大型時代劇で世間から大変注目されている

「三度のメシより風林火山」を撮っている監督です。

「何やってる!!??ココ、アッコ役入ってくるんだろ??どうしたんだ!!!!」

厳しい監督からの努号が現場に響き渡り、スタッフも役者達もみんな震えています。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すみません」

今にも消え入りそうな声で姿を現したのは、アッコちゃんです。

監督の怒りは止まらず、アッコちゃんに詰め寄ります。

「どうしたの、キミィ!!??出番でしょ!!!!!」

「は、はい・・・・・・あのう・・・・・キ、キッカケが分からなくて・・・・・」

「キッカケが分からないぃ!!??ドミンゴに大声で呼ばれたら出て行く。それだけでしょ?

こんな分かり易いキッカケ無いじゃない!!??」

「・・・・・ず、ずびばぜん・・・・・」

ヴェテランのアッコちゃんも、もう泣きそうです。

「まったく。仕方がねえなぁ~~~、今のシーンもう一回行くから。ドミンゴが叫ぶところからね。

アッコ役いいな!!!!そんじゃ諸々オッケーだったらヨロシク!」

ピリッピリの極限状態の中、撮影が再開されました。ドミンゴが台本通りに叫びます。

「ゴメンよ・・・・・・アッコちゃ~~~~~~~~ん!!!!!」

「・・・・・・・・・・・・・・はい・・・。」

今度はアッコちゃんがキッカケ通りに出て来ました。

しかし、さっき鬼監督に盛大に公開ダメ出しをされている間に2回漏らしたので、

明らかに元気がありません。

覇気ゼロです。ヴェテランなのに。

ここで皆さんにお伝えしておきますが、お芝居にはそのシーンのカギとなる重要な「言葉」や、

それ以降の伏線となる「フレーズ」がとてもとても大事です。

しかし。

アッコちゃんはド緊張のあまり、その「言葉」や「フレーズ」を飛ばしまくっているではありませんか。

「カァァァーーーーーーーーーーーットッッ!!!!!」

先程にも増して、監督の大絶叫。

もう殆ど断末魔の叫びです。

「何!!何キミ!!??肝心なセリフ全然言わないじゃん!!!ナンで???

台本読んで来てんの!!?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

何も言わないアッコちゃん。

当たり前です。正直に

「読んでるワケないじゃん。」

と言ったら、確実にカチンコで挟み殺されます。

すっかり呆れた監督は、恐怖と緊張でビチョビチョなアッコちゃんに構わず聞いて来ます。

「ナンなの、まったくキミ?ナニ!?事務所何てトコ!!!!????」

「・・・・キャまな・・・・や・・まなじ・・・しゅ・・しゅいしゅ・・ん」

「はい!時間ねえから、ドンドン撮ってくぞ!!誰か台本確認させて!諸々オッケーなら本番!!

モタモタしてるヤツはブチ殺すぞ!!!!」

史上最悪の雰囲気の中、また撮影再開。

本当にアッコちゃん大丈夫なのでしょうか・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

しかし、今度は大部屋時代の貧乏で苦しかった若手時代を想い出し奮起したのでしょうか。

キッカケで登場した後、台本通りにセリフを言えています。

イイぞ、アッコちゃん!

そしてシーンを撮り続けていると、明らかにアッコちゃんに変化が。

今まではチョンボばかりでしたが、一つの小さな成功に寄り劇的にアッコちゃんの芝居が

良くなっているのです。生き生きし始めたのです。

溢れる感情・豊かな表情・惹き込まれるオーラ。

全てを完璧に演じ出し、先ほどとは全く別人の演者です。

鬼監督も思わずモニターを食い入るように見つめながら

「・・・・・・・・・・・フッ。こりゃとんだダイヤモンド発掘だな・・・・」

とトレードマークのティアドロップ型サングラスを光らせています。

完全にノリにノッた無敵のアッコちゃん。ドミンゴにこんな事を勝手に言い出しました。

「へへ・・・・ドミンゴどん。あたい、ワープしてやろうか?」

「?????・・・・・・・・・・・・・・・ワープ?????」

「そう、ワープ。行くよぉーーー!エイッ!!!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「なーーーーんちゃって」

「カァァァァァーーーーーーーーーーーーッットッッッ!!!!!!!!!」

完全に図に乗ったアッコちゃん、何も考えずにワケの分からないアドリブを炸裂させ、

当然オチの着けられないまま、ケツも自分で拭けないまま、ドヤ顔をしていたのです。

そうです。

アッコちゃんは一番タチの悪い役者の典型だったワケです。

これには昔からの現場たたき上げの鬼監督が許すはずがありません。

「なんだ!!!ナンだ!!何起こった???ええ!!??お前か!またお前か!!!

ワープってなんだ!ワープってなんだぁ?ナンなのお前!!誰なのお前!!事務所は!!??」

「・・・・・・・ぺ・・ぺぺ・・・ぽぽぷ・・ましまし・・・しゅらしゅしゅしゅ」

「撤収ーーーーーー!!!!!!!」

やれやれ、来週はどうなりますことやら。