メイン | 2017年6月 »

2017年5月

2017年5月29日 (月)

6月4日放送 第五回は岡本綺堂 作『指輪一つ』

18698197_1770783766272733_667183163

『 パナホーム山梨 presents SUNSET THEATER 』

ご案内役の 小川もこ です。 

毎週、日曜日の17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー
サンセットタイムにお届けする この番組は、
私、小川もこ が 日本文学の名作をセレクトし 朗読させていただきます。

第五回放送は6月4日。今回 取り上げるのは、

岡本綺堂 作『 指輪一つ 』 です。

Kido_okamoto

岡本綺堂(おかもと きどう)は、明治5年に生まれ、昭和14年に亡くなった小説家、劇作家で、探偵物、怪奇怪談作品を多数執筆しています。
「維新前後」や「修禅寺物語」など新歌舞伎の演目や「半七捕物帳」で名を知られていますね。

 彼は、東京府尋常中学、現在の都立日比谷高等学校を卒業後、大学には進学せずに新聞社に入社。以来、いくつかの新聞社で、24年間を新聞記者として過ごしています。

記者として劇評や社会探訪記事を書きながら、小説も発表していきました。

また、新歌舞伎を代表する劇作家となり、「綺堂物」といった言葉も生まれるほど、オリジナルな世界を造り上げます。
生涯に 196篇の戯曲を残しています。

この『指輪一つ』は、最初は「講談倶楽部」に、大正14年8月に発表されたもので、のちに、『異妖の怪談集・近代異妖編』の中に収められた1編です。

Sim

関東大震災を題材にしていますが、 自ら、関東大震災で麹町の自宅と蔵書などを失った経験が、この小説につながったのでしょうか。

大正時代、震災直後の初秋の木曽路の宿にて遭遇した不思議な不思議な出来事が、大学生の言葉を通して語られていきます。

 偶然と呼ぶには、あまりに切ない 悲しみが 静かにこみ上げてきます。

怪談として捉えるよりも、東日本大震災や熊本地震を体験した今だからこそ、読んでみたい作品かもしれません。

あなたのご感想をお聞かせくださいね。

メールアドレス
sunset@fmfuji.jp
で、いつでもお待ちしています。

日曜日の午後。17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー。

東京や関東近郊の皆様は78.6MHz、甲府は83.0MHzにチューニングして、
その他 全国の皆様は、LISMO WAVEや radiko.jpプレミアムでお楽しみくださいね〜♪

スマホやパソコンで聴けるアプリradiko.jpプレミアムでは、タイムフリー機能で、聴き逃しても 1週間以内なら いつでも聴くことが出来ます。

2017年5月24日 (水)

5月28日放送 第四回は 夏目漱石 作『夢十夜』

18664545_1763519256999184_1225065_2『 パナホーム山梨 presents SUNSET THEATER 』

ご案内役の 小川もこ です。 

毎週、日曜日の17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー
サンセットタイムにお届けする この番組は、
私、小川もこ が 日本文学の名作をセレクトし 朗読させていただきます。

第四回放送は5月28日。今回 取り上げるのは、

夏目漱石『 夢十夜 』から、第一夜、第三夜 です。

41sch4r77cl

夏目漱石といえば。「坊ちゃん」「心」「三四郎」「吾輩は猫である」など、

一度は読んだことがあるというかたも 多いでしょうね。

日本を代表する作家として、1984年から2007年まで千円紙幣の顔にもなっていました。

0d40a5e4a645fc6b96e767d64ac0878e20

夏目 漱石(なつめ そうせき)は、1867年、慶応3年生まれ。なんと江戸時代に誕生していたんですね。大正5年、49歳で亡くなりました。

大学時代に正岡子規と出会い、俳句を学んでいます。そのあたりは、司馬遼太郎の「坂の上の雲」にも夏目金之助として描かれていましたね。

帝国大学、現在の東京大学 英文科卒業、松山で尋常中学校教師や、熊本で教授などを務めた後、イギリスへ留学。帰国後、東京帝国大学で英文学の教鞭をとりながら、「吾輩は猫である」や「坊っちゃん」などを書いていきます。

その後、朝日新聞社に入社し、「虞美人草」「三四郎」などを掲載しました。

夢十夜』(ゆめじゅうや)は、1908年(明治41年)の夏、『朝日新聞』で連載された小説です。

当時の明治、神代の頃・鎌倉時代・100年後の世界など、10の不思議な夢の世界を綴っています。「こんな夢を見た」という書き出しが有名ですね。
今回は、その中から、幻想的でロマンチックな「第一夜」と、怪談とも思える「第三夜」をピックアップしてお送りします。

あなたのご感想をお聞かせください。

メールアドレス
sunset@fmfuji.jp
で、いつでもお待ちしています。

日曜日の午後。17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー。

東京や関東近郊の皆様は78.6MHz、甲府は83.0MHzにチューニングして、
その他 全国の皆様は、LISMO WAVEや radiko.jpプレミアムでお楽しみくださいね〜♪

スマホやパソコンで聴けるアプリradiko.jpプレミアムでは、タイムフリー機能で、聴き逃しても 1週間以内なら いつでも聴くことが出来ます。

【追記】
ご感想を頂戴いたしました♪

福島のザッキーさん

夏目漱石『夢十夜』の「第三夜」、怖かったです。

ブログに「怪談にも思える」と紹介されていましたが、もこさんの朗読、怪談そのものですよ!ラストの場面で、寒気が躰に走りました。
初夏の酉の刻、番組が終わったら暑気払いにビールでも買いに行こうかなと思っていたところ、グッドタイミングでした。ビールが節約できたかもしれません。

ありがとうございます。怪談の特集も企画してほしいです。

 

山梨県の52歳男性 猫のオルカさん

 毎週、放送を楽しみにしております。
先日の夢十夜。第一夜の幻想的な表現と第三夜の、ちょっと怪談的な怪談的な表現の対比が、心に沁み入りました。
特に、子どものセリフの無邪気な感じが怖さを助長していました。
これからもたくさん素敵な物語を聴かせてください。楽しみにしております。


富士吉田の ローズマリーさん
5/28の夏目漱石「夢十夜」の放送を子供に話したら、ちょうど読んだそうで、知ってました。北杜夫 作の「夢一夜」も勧めてくれましたが怖かったですよ。

2017年5月17日 (水)

5月21日放送 第三回は小手鞠るい『木を抱きしめて生きる』

Sunset

『 パナホーム山梨 presents SUNSET THEATER 』

ご案内役の 小川もこ です。 

毎週、日曜日の17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー
サンセットタイムにお届けする この番組は、
私、小川もこ が 日本文学の名作をセレクトし 朗読させていただきます。

第三回放送は5月21日。今回 取り上げるのは、

小手鞠るい さん 作『 木を抱きしめて生きる 』です。

今回は、原作を 短く編集して朗読させていただきますが、
それでも長くなってしまい、放送では本編を読むのが精一杯で、
作者や作品についてのご紹介を おこなう時間がつくれませんでした。
そこで、このブログで 詳細をお届けしますね。

20170512_235033

2016年9月20日 原書房から発行されました 書き下ろしの連作短編集
『曲がり木たち』の五編の短編のラストに収められた物語です。

不思議な公園にぽつんと佇む 優しい形をしたベンチ。
主人公の女子高生 こずえ は、いつも独りで ここでお弁当を食べるのが日課でした。
彼女が この小さな公園のベンチで出会った 老人とのやりとり。
「生きづらさ」を抱えたそれぞれたちの 心のよりどころ 聴いてみてくださいね。



作者の小手鞠るい さんは、
1956年、岡山県生まれ。同志社大学法学部卒業。
22歳の時、やなせたかしさんが編集長を務める雑誌「詩とメルヘン」に初投稿した詩が入選、
1981年、第7回サンリオ「詩とメルヘン賞」を受賞。
1993年、第12回「海燕」新人文学賞を受賞。
2005年『欲しいのは、あなただけ』(新潮社刊)で第12回島清恋愛文学賞を受賞。
2009年、原作を手がけた絵本『ルウとリンデン 旅とおるすばん』でボローニャ国際児童図書賞を受賞。
2017年『アップルソング』(ポプラ社刊)がNHKラジオ第一放送「新日曜名作座」で1ヶ月間ドラマ化。
現在、アメリカ、ニューヨーク州に在住。詩、長編小説、エッセイ、児童書、絵本と様々な分野で 精力的に執筆活動を続けていらっしゃいます。


実は。
今年の3月、私が東京で 語りとピアノのコラボ公演をおこなう時に、小手鞠さんの作品
「きみの声を聞かせて」を演目にさせていただいたのですが、その際、
幾度もニューヨークの小手鞠さんとメールのやりとりをさせていただく中で、
この本「曲がり木たち」を教えていただきました。
拝読して是非、番組で朗読したいとお願いし、ご快諾いただいたのが、
今回の作品『 木を抱きしめて生きる 』です。

「きみの声を聞かせて」に登場する中学生の 星野葉香ちゃんと、どこか似ている
『 木を抱きしめて生きる 』の主人公 高校生の 斎藤 梢は、人間嫌い。
どちらも 動物、植物、小鳥、木、そして本を読むのが大好き。
昔の小手鞠さん自身を 色濃く反映している人間像のようです。

さらに、物語に登場する秋山さん...という老人は、実在の人物なのだとか。
後半に語られる疎開のお話は、秋山さんをはじめとする
経験者から直接、小手鞠さんが お話を聞かせていただいたことばかりで、

この経験談は、同じ原書房から、
『あんずの木の下でーーー体の不自由な子どもたちの太平洋戦争』として、
小・中学生向けのノンフィクションとして出版されています。

作中で「希望の友学園」となっているのは、世田谷区に実在した「東京市立光明国民学校 」
現在の「東京都立光明学園」のこと。


秋山さんの言葉を通して語られる世界は、反戦・平和の「命のメッセージ」に満ちているように感じます。
興味を持たれたかた、本でも ぜひ、読んでみてくださいね。

さらにさらに。
5月21日午前11時から、長野県千曲市 上山田温泉 にて
「旧 東京市立 光明国民学校 学校学童疎開 記念碑」の除幕式がおこなわれることになりました。

昭和7年、日本初の身体の不自由な学童のみを収容した寮舎・医療施設が設備 された養護学校が「東京市立光明国民学校 」です。
小説の中でも語られているように、太平洋戦争末期、大都市の子ども達は 安全と思われる地方へ学童疎開となりましたが、光明国民学校の生徒は疎開の対象とはならず、自分で考えるようにと放任されてしまった松本保平校長は困ったあげく、長野県上山田村へ要請し、受け入れてもらったとのこと。 
その絆を記念しての碑が建立され、披露されるのが、奇しくも この放送当日の5月21日。
偶然とはいえ、合縁奇縁を感じます。

弱者が犠牲となる戦争の過ちを繰り返さないように。。。

この物語を朗読させていただきながら、その思いを強く持った私です。

 

20100710073007



今回の「木を抱きしめて生きる」
よろしかったら、ぜひ。
あなたのご感想をお聞かせください。

メールアドレス
sunset@fmfuji.jp
で、いつでもお待ちしています。

日曜日の午後。17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー。

東京や関東近郊の皆様は78.6MHz、甲府は83.0MHzにチューニングして、
その他 全国の皆様は、LISMO WAVEや radiko.jpプレミアムでお楽しみくださいね〜♪

スマホやパソコンで聴けるアプリradiko.jpプレミアムでは、タイムフリー機能で、聴き逃しても 1週間以内なら いつでも聴くことが出来ます。

appleclover appleclover appleclover appleclover appleclover appleclover appleclover appleclover appleclover appleclover appleclover
たくさんのご感想を頂戴しましたので、転記させていただきます。

神奈川県 角ヨシさん

小手鞠さんの作品&もこさんの朗読、あまりにも素敵だったのでメールしちゃいました。
考えさせられるところがいっぱいありました。(身体的に不自由な方たちの思いが…)

とにかく詩が美しい。希望と勇気が湧いてくるような詩ですね。

もこさんの朗読もさすがです。

物語にぐいぐい入り込んで、最後の場面では大きな杏の木に包まれている梢ちゃんの姿が見えた気がしました。

これからも、いろんな作品を紹介してください。

 

山梨県 オガッチさん
「木を抱きしめて生きる」いいお話でした。。。

中でも「曲がっているから無限の可能性と夢がある」の一文に感動しました。

GOOD DAYの「あんな言葉 こんな言葉」コーナーに投稿したいくらい、いい言葉ですね。

ハンディキャップを このように考え、前向きに捉えていくのが とても心に響きました。

 

福島市 ザッキーさん

LISMO WAVEで拝聴しています。

もこさん、女子高校生役だけじゃなく、ご老人役も、いい味だしていますね。

都会の学童は、もれなく疎開したのかなと思っていました。

障害があると、疎開できなかったなんて。。。そんな悲しい歴史があったんですね。

私が住む福島県には、戦時中、政府の命令で強制疎開となり、その後、この地に定着した工場が多くあります。ザッキーが勤める会社が福島にあるのも、強制疎開がきっかけのようです。

工場の強制疎開も、軍需優先だったそうです。

強制疎開の反対側には、疎開を許されない学童がいたとは。。。

「曲がり木」は、本当に強いんですね。

社会では、規制とか、規格を決めて、それに合わないと、違反とか、不良品とされたりしますよね。規格や規制に合わせるため、曲がり木を矯正するように、自分のマイノリティーな部分を削ぎ落とすのは、辛いというよりも、もったいないなあと、本当はみんな思っているはず!

 

東京都世田谷区 下北みよちゃん

もこさん 初メールします。ピアノとストリングスに乗せる朗読が心地よく、うっとりと聴いております。

世界を見つめる 梢のまなざしが変わっていく様子を言葉だけで紡いでいて、語りの深遠な世界に驚いています。

喜びも苦しみも散りばめられた物語、楽しませていただきました。

 

大分県大分市 さらさん

小手鞠るいさんの「木を抱きしめて生きる」を聴かせていただきました。

自分の居場所、自分にとって心地よいところ…

見つけているときは、何も意識していないけれど、見失うと途端に不安になってしまうことが大人になった今もあります。

朗読を聴いているうちに、子どもの頃、毎日のように木にしがみついていたことを思い出しました。ずっと頬をくっつけていると、ゆっくりとした呼吸になって とても安心していたのでした。。。

あの時のように、そんな気持ちでいればいいんだよね。。。

そう思うと、肩の荷が一つ下りた気がします。

 

青森県八戸市 みくぽん

radikoプレミアムで聴いています。

『木を抱きしめて生きる』よかったです。

障害の有無に関係なく、人はみな『曲がり木』なのかもしれません。

曲がった木は無理にまっすぐになる必要がなく、あるがままでいいのですね。

曲がり木のまま自分なりに素直に生きていこうと思いました!

そして私も曲がり木で出来た公園のベンチに座ってみたいです(^-^)

小手鞠さんの一つ一つの優しい文章と、もこさんの素敵なお声が、私の心にゆっくり溶けていって、穏やかな気持ちになりました。

次週も楽しみにしています。

 

東京都世田谷区 ウランちゃん

もこ様 日曜の黄昏時、毎週ちょっと黄昏ながら聴いています。

「木を抱きしめて生きる」は、優しい表現の中に、人間一人一人の個性を尊重しながら生きることの大切さ、そして「平和」な世界を守ることが いかに大切かを教えてくれたような気がします。

自分とは違うところがあるからって、からかうんじゃなくて、たとえば、主人公の梢ちゃんが そばに居たら「なんでも右手で出来てすごいなぁ」って思えるような人ばかりだったらいいですよね。

人を大切にすること。それは、何よりも尊い「生命」を大切にすること。

皆がそのことを当たり前のように強く思っていたら、テロも戦争も起こらず、人々が平和に暮らしていけるのに…とあらためて気付かせてくれたお話でした。

サンセット・シアター、いつもいろいろと学ばせていただける素敵な番組です。

これからも期待しています。

 

東京都大田区

スーパーあずき32号

戦争で学童疎開がおこなわれていた事は学校の授業で知っていましたが、

その疎開は、当然のように子ども達全員が移動しているものだと思っていました。

戦時中、秋山さんのように、身体に何らかの事情を抱えていた方々が受けた圧は、計り知れないものかと思います。

そういった時代を生き抜いたからこそ伝えたかったことを、説教じみた感じではなく、優しく語る秋山さんは、きっと、笑顔の素敵なかたなんだろうなと、もこさんの声から想像していました。

秋山さんは梢ちゃんに話しかけていましたが、なんだかラジオを聴いている自分に語りかけられているような気持ちになりました。

当たり前のことが当たり前であることのありがたさ、

世界的に不安なニュースが多い毎日ですが、

秋山さんの想いを しっかりと忘れず過ごしていかないと、と想いました。

 

山梨県甲府市 なまけたろう さん

今日は小手鞠るいさんの『木を抱きしめて生きる』ということで、とても楽しみにしていました。以前、GOOD DAYの「もの語り」で小手鞠るいさんの作品を紹介されていたのを聴いて以来、気になっていたのです。

秋山さんの『あるがままっでいいのです』の言葉が印象的でした。

そして、今、世界の動きがとても不安で、もしかしたら日本も戦争に巻き込まれちゃうの?と不安な私。戦争からは何も生まれない。戦争反対!と あらためて心から感じました。せつなさと、優しさと、そして強さを感じた作品でした!

もこさん、ステキな作品をありがとうございました。

 

東京都板橋区 もとや さん 

いいですね。こうして、小説を「読む」のではなく、「語り」で聴ける。

何かしながら小説の世界に入り込めるラジオの良さを感じました。

本を読むのは好きですが、慌ただしい生活を送る中、本を手にとって読むのはハードルが高い時もあり、こんな感じで語ってもらえるのは嬉しいです。

今回、印象に残ったセリフは「悲劇の前の束の間の喜劇だった」です。

これを聴いて、なぜか思わず作業の手が止まってしまいました。お付き合いしていた彼も本心ではなかったかもしれませんが、別れることを選ぶ。を暗示するような「悲劇の前の束の間の喜劇だった」。

ホームページも拝見しました。次回は漱石なんですね。楽しみにしています。

 

神奈川県戸塚市 みえさん

とっても素敵な作品ですね!もこさんが語る、秋山さんと高校生の梢ちゃんの会話に、ものすごく引き込まれました!秋山さんが言った「ありのままで」が胸に刺さりました。

 

ラジオネーム コニーさん

聴き終わって、しばらく 梢さんと秋山さんの世界から帰ってこられないでいます。

なんらかの曲がり、ひずみを抱えながら生きてきた人が、その曲がり、ひずみを全て、何も言葉を交わさなくても受け入れてもらえる時、なにものにも代え難い喜びがあることと思います。そんな世界が言葉でも音楽ても余すところなく表現されていてまさに その世界に浸ってしまいました。

 不自由は自由。というのもまさにそうですね。不自由と決めつけているのは多くの いわゆる健常者なんだなと。この「手」は「足」は、私の言うことを聞かないという意味で とても自由に振る舞っている。そんな新しい気付きも得ることが出来ました。

素敵な もの語りのご紹介、ありがとうございます。またメール書きます。

2017年5月10日 (水)

5月14日放送 第二回は芥川龍之介『蜘蛛の糸』

Sunset

『 パナホーム山梨 presents SUNSET THEATER 』

ご案内役の 小川もこ です。 

毎週、日曜日の17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー
サンセットタイムにお届けする この番組は、
私、小川もこ が 日本文学の名作をセレクトし 朗読させていただきます。

第二回放送は5月14日。今回 取り上げるのは、

芥川龍之介 作『 蜘蛛の糸 』です。

Photo_2

芥川は、明治25年3月1日 東京に生まれ、昭和2年7月24日に 自死で亡くなっています。
35歳でした。
主に短編小説を多く書き、多くの傑作を残しています。

1918年に鈴木三重吉により創刊された児童向文芸誌「赤い鳥」創刊号に発表されたもので、芥川龍之介が手がけた はじめての児童文学作品ですね。

Photo_3 

お釈迦さまは、ある時、極楽の蓮池を通して下の地獄を覗き見ます。

さて、そこに見えた光景とは…


よろしかったら、ぜひ。
あなたのご感想をお寄せくださいね。

メールアドレス
sunset@fmfuji.jp
で、いつでもお待ちしています。

日曜日の午後。17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー。

東京や関東近郊の皆様は78.6MHz、甲府は83.0MHzにチューニングして、
その他 全国の皆様は、LISMO WAVEや radiko.jpプレミアムでお楽しみくださいね〜♪

スマホやパソコンで聴けるアプリradiko.jpプレミアムでは、タイムフリー機能で、聴き逃しても 1週間以内なら いつでも聴くことが出来ます。
____________

追記:第三回の作品が長編だったので、オンエアで ご感想をご紹介することが出来ませんでした。
ここで、一部を掲載させていただきますね。

「蜘蛛の糸」の感想

 

ハルのただ飯さん
極楽の下にある地獄で蠢く中で、ひとりの男を救うためにお釈迦さまが垂らした蜘蛛の糸を男が登るが、無慈悲な行為で切れてしまう。
慈悲の心があれば、蜘蛛の糸は絶対に切れなかったであろう。
この物語は、自分が小学生の時、初めて文学に触れたともいうべき作品です。
ピュアな心が蘇りましたが、忘れないようにしないと、とあらためて思いました。

 

なまけたろうさん
芥川龍之介の「蜘蛛の糸」あらためて語りで聴いて、本当に良かったです。
人間の欲深さを感じましたぁ。みな生きていれば大なり小なり、それが態度や言葉に出るか出ないかの違いだとは思いますが、一度は必ず生まれたことのある感情だと思います。
しかし、仏様はちゃんと上っ面ではなく本心を見抜いていらっしゃる。
昨今、自分以外の誰かに優しく接することが出来ていますか?と問われているような気持ちにもなりました。
1回、2回とも男性作家でしたが、女性作家さんの作品も楽しみにしています。

 

タケゴンさん
蜘蛛の糸、妄想劇場で楽しみました。
聞き終わって、淀川長治さんふうに・・・

「地獄は嫌ですね。こわいですね。こわいですね。ホントにこわかったですね。
それにしてもお釈迦様はホントに助けようと思われたのかしら…
もしかすると、気まぐれだったのかもしれませんね。それもこわいですね。
地獄と極楽の情景、カンダタの心情を見事に朗読なさった小川もこさん
とってもステキでした(はぁと)
はい、お時間ですね。
それでは、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ〜〜♪」

の解説が心の中から聞こえてきました。

60年間、私が悪事に走ることがなかったのは、「法律」によるものではなくて、「悪いことをすると地獄に堕ちる。絶対にカンダタのようになってはいけない」と子どもの頃に思ったからで、いつ読んだか憶えていないけれど、読んで自分を律したことを思い出させていただきました。
じゃ、またね、またね、またね〜♪

2017年5月 2日 (火)

5月7日 新スタート!第一回は太宰 治『葉桜と魔笛』

Sunset

風薫る五月。いよいよスタート、
『 パナホーム山梨 presents SUNSET THEATER 』
ご案内役の 小川もこ です。 

毎週、日曜日の17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー
サンセットタイムにお届けする この番組は、
私、小川もこ が 日本文学の名作をセレクトし 朗読させていただきます。

普段、活字で文学を読んでいるかたも、読書タイムが なかなかとれずに居るかたも
『音』で『声』で 文学を愉しんでいただけたら幸いです。

第一回は5月7日。今回 取り上げるのは、この季節にぴったりの作品

太宰 治『 葉桜と魔笛 』です。

Fullsizerender_2

明治42年6月19日 青森県北津軽郡金木村に生まれ、昭和23年6月13日 38歳で亡くなった太宰 治。本名 津島 修治

何度も自殺未遂を繰り返し、最後は 玉川上水に 愛人と入水自殺で命を絶ったことから、
退廃的な作風がクローズアップされがちですが、数々の名作の中には ユーモア溢れる作品も多く、たとえば、井原西鶴の短編を太宰ふうに新解釈で著した『新釈諸国噺』などは 愉しく読めるものです。

特に、太宰と山梨県との関係は深く、井伏鱒二の紹介で、甲府市出身の石原美知子さんと結婚し、甲府に住んでいた時期がありました。
結婚後の5,6年は、精神的にも安定して、数々の優れた作品を世に送り出しています。

また、ベストセラーとなった『斜陽』や、『女生徒』「ヴィヨンの妻』など、女性の一人称で もの語る作品を多く残しています。

この作品「葉桜と魔笛」は まさに、美智子さんと結婚した直後である甲府に暮らし始めた頃、昭和14年6月に発表した作品で、女性の一人称の短編です。

Fullsizerender


老婦人が、昔を回想しながら 妹との思い出を語っていくもので、
葉桜の頃、五月に起きた 不思議な出来事。
青春とは 生きるとは 愛する者を思いやるとは・・・

様々なことに 思いを馳せることが出来るでしょう。

よろしかったら、ぜひ。
あなたのご感想をお寄せくださいね。

メールアドレス
sunset@fmfuji.jp
で、いつでもお待ちしています。

日曜日の午後。17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー。

東京や関東近郊の皆様は78.6MHz、甲府は83.0MHzにチューニングして、
その他 全国の皆様は、LISMO WAVEradiko.jpプレミアムでお楽しみくださいね〜♪

スマホやパソコンで聴けるアプリradiko.jpプレミアムでは、タイムフリー機能で、聴き逃しても 1週間以内なら いつでも聴くことが出来ます。