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2016年6月16日 (木)

最近思う事4。

さて。

マーリンズ・イチロー選手が日本時間で今朝、世界安打数記録を更新しましたね。

おめでとうございます!

この一報をスマホで知り、テレビで映像確認したボクが最初に思い起こしたのは

その昔担当番組で毎週展開していた「Dスポ!」というスポーツ専門コーナーでした。

その時の旬なスポーツの話題や普遍的な事象(審判や付き物の怪我など)をリスナーの

みんなにテーマとして振り、賛否両論問わず、スポーツに疎い女性も何でもイイから

感じた事や考えた事を送って来て!という門戸の広いコーナーでした。

みんなからのメッセージを紹介しながら、ドミンゴも思う事を大いに遠慮なく言わせて

頂きました。

このお題を毎週絞り込むのが結構大変でして。

スポーツが盛んな春から秋にかけては、まぁ大丈夫なんです。どれにするか迷うくらい。

ところが冬はいわゆるストーブリーグ。盛んなスポーツはフィギュアスケートぐらい。

取り上げたいテーマが無いんですよ。

そこで新旧問わず「スポーツ偉人伝」的なモノや、野球はペナントが終わった後の

各賞発表について触れたいとなると、当然ボクやスタッフの脳裏に浮かぶのは

イチロー選手です。

しかしコーナーを何年間かやらせて頂きましたが、一回も「イチロー特集」を

組んだことはありませんでした。

理由は、絶対に結局

「イチローって凄いよね」

という結論で終わってしまうから。

演者のボクとスタッフからしたら、イチロー選手について是と非に分かれて徹底バトル

したかったんです。その方がコーナーとしては盛り上がるんだから。

でも想像するに、イチロー選手を「非」と言える人は滅多に居ないだろうよ。

という理由で一回もやらなかったんじゃなく、「やれなかった」んですよね。

そしてイチロー選手は今日の会見で言っていました。

「ボクの人生は笑われてばかりの人生」だと。

「幼い頃から毎日野球の練習をやり、近所からは"あいつは将来プロ野球選手にでも

なるのか?”と笑われ、大リーグに移籍が決まった会見では"向こうでも首位打者になりた

い"と言い、笑われて来た」と。

でも、その度に「今に見てろよ」と思い、自分を奮い立たせて来たそうです。

そんな情報を数年間得ながら、ボクがイチロー選手の最も凄いと思う所は 

常人離れした "平常心のキープ力" でしょうか。

非常に安易な言葉に聞こえるかもしれませんが、これを如何なる状態でも失わないのは

本当に凄いと思うんです。

この動かない平常心を支えているのは、絶え間ない努力だと思わずにはいられません。

テレビの特集を今までに何本か観て来ましたが、その徹底した日々のルーティーン

ワーク・嘘をつかない繰り返される練習・バランスの摂れた食事などなど全てが

「野球」の為だけの物なんですよね。

つまりは本人も本編で仰っていましたが「野球の為に一日を費やす」んですよね。

でも決して傲慢になる事なく、自分を取り囲む方々への心底からの感謝も絶対に忘れな

い。

これらから来る"揺るがない自信"が人並み外れた平常心の母なのではないでしょうか。

ボクは実は勝手に「演者の世界」と「アスリートの世界」は共通点が多いと思っていま

す。それは

・モチベーションを保たせる自分だけの方程式

・一日サボると取り戻すのに三日かかる練習(稽古)

・体力の維持の仕方

が主な三つですが、これは真に「心技体」ですよね。

そんな事を思うようになって、前述の「Dスポ!」でもテーマの試合結果より、

そのアスリートの練習メニューの理由や日々心がけている事、スランプに陥った時

どうしているか?等メンタル面に非常に関心を持つようになりました。

と共に同コーナーにドンドン惹き込まれ、一時期はラジオパーソナリティーを辞めて

雑誌Numberの記者になりたいと本気で思ったモノでした。

「Dスポ!」をやっていない今でもアスリートから学ぶことは非常に多いです。

毎試合に臨む為の鍛えられた集中力。

そして毎週の番組で求められる「瞬発筋」と「持久筋」。

ボクの座右の銘の一つである

「稽古で出来ないヤツが本番で出来るか!!」

を久しぶりに再確認する機会となりました。

改めてイチロー選手、おめでとうございます。

以上、最近思う事。