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2016年6月 1日 (水)

最近思う事2。

先日久しぶりに劇場で映画を観て来ました。

作品は「ヒメアノ~ル」。

作者は大ヒットギャグ漫画「稲中卓球部」を描いた古谷実さんで、同作も漫画。

つまり今回は実写版です。

R指定で刺激タップリですが、非常にオモシロかったです。

この作品で避けて通れない一つのテーマが「イジメ」なんですよね。

主人公の森田は高校時代、酷いイジメをクラスメートの川島から受け、それが元で

大人になって連続殺人鬼になって行くんですが。

そんで観終わった後、色々考えちゃいましてね。

ウチの番組の「しわしわ知恵袋コーナー」でも、時々イジメに関する相談は受けるから。

イジメはね、いつの時代も無くならないとは思うんです。

でも、前々から言われているようにその形は変わって来ています。

ボクが作品と同じ高校生だった頃はイジメっ子=ヤンキーみたいな構図がありました。

髪はリーゼントにして額には剃り込みを入れ、短ランか長ランを着て、ボンタンを履く。

靴はトンガリ(革靴)か女物のサンダル。みたいな。

この格好をしていると周りからも一発で「ヤンキー」「不良」として認識されます。

こういう格好の同級生たちが、ヤンキー兼イジメっ子でした。

でも今考えれば、この服装は完全なる「ファッション」だったんですよね。

だって、この格好が現代の言葉で言えば"イケてる"。当時で言えば"ナウい"だったんで

すから。確実に"カッコいい"時代だったんです。

だから心が荒んで来て、この服装に辿り着く。

のではなく、クラスである程度の存在感がある奴らは、リーゼントにボンタンだったんで

すよね。

だからイジメもボクの周りでは実際殆ど無かった。

あったとしても、それは一部が校外でカツアゲとかしてた程度だったと思います。

実際ボクの友達のヤンキーも、ホントは優しい奴が多かった。

当時のボクの彼女が浮気している事をホントは知ってるくせに、問い詰めても気を遣って

「知らねえよぉー」とか言う様な。

でも今は違うみたいです。

作品の中でもそうですが、酷いイジメっ子の風貌はいたって普通。

周りより少し背が高いだけで、髪形は普通。服装も普通の制服。ただちょっとブレザーの

ネクタイをダラッとさせているだけです。

ただ心の中は悪魔が住んでいる。

やって良い事と悪い事の区別が完全につかない悪魔です。

真逆なんですよ、僕らの時と。

僕らの時代はワルぶった自分に酔いしれてイジメをしている体があった。

でも今は格好なんて関係無いから「とにかく誰かをイジメたい」んだろうと思ってしまう

んです。

それが何故なのか今のところは残念ながら、ボクのしわしわ知恵袋の中に答えはありませ

ん。

でも断固揺るぎない心情もある。

イジメに対する論調では、この様な意見を言う方もいらっしゃいます。

"イジメっ子は勿論悪いが、イジメられる方も悪い"

果たして本当にそうでしょうか?

僕らの時代からもイジメられっ子は、おとなしい・ウジウジしている様な雰囲気・身体の

からかわれ易い特徴などを宿している子達だったと思います。

しかし、それは天が授けた性格や容姿であって何が悪いのだと思わずにはいられません。

そこにつけ込んで来る悪魔たちが悪いに決まっています。

そして、イジメが手の付けられない状態にまで発展したら。

コレもう逃げるしかないんですよね。

親・学校・警察が何をしても、イジメっ子の真からの改心は何時されるか分からない。

もしされたとしても、次のイジメっ子予備軍が待っている。

そうなると逃げるしかないんです。即ち転校です。

親としては悪魔のいない地へ我が子を連れだすしかないんですよね。

そういった事がボクの身近な親戚内でも実際にありました。

今回観た「ヒメアノ~ル」では森田という完全なる「悪」ばかりが目立つようでも

ありますが、ボクは本当は違うと思います。

「悪」に隠れた「偽善」。

偽善を貫き通すことに寄り、悪をより悪に、そして周囲の人々を地獄に導いて行く。

この「強烈な偽善」こそが「真の悪」だとボクはこの作品で思いました。

まるで、この国の一部の人達の様なお話だと感じました。

「ヒメアノ~ル」。

気になったら観てみて下さい。

そして今週も「お悩み園長のしわしわ知恵袋」。

ドシドシお悩み待っております。