2017年11月 9日 (木)

11月12日放送 第二十八回は 佐江衆一 作「装腰綺譚」前編

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第二十八回放送は 11月12日。今回 は、佐江衆一さんが書きました「装腰綺譚」前編です。

佐江衆一さんのプロフィール:昭和9年1月生まれの、東京出身。昭和36年「繭」で注目され、社会的なテーマを追う作品を発表。平成2年「北の海明け」で新田次郎文学賞。7年「黄落(こうらく)」でBunkamura ドゥ マゴ文学賞。8年には、「江戸職人綺譚」で中山義秀文学賞、また、芥川賞候補に5回選出されています。


今回は、初めての、前・後編に分けての放送。
それもこれも、実は。

この「装腰奇譚」は、先日、10月16日に東京新橋の内幸町ホールで開催した語りの公演で、私が語らせていただいた作品なのです。

佐江さんは「江戸職人奇譚」という江戸時代の様々な職人を描いた短編集で、「中川義秀(ぎしゅう)文学賞」を受賞されて居ますが、その続編に当たる「続・江戸職人奇譚」を5年後に上梓して居ます。今日、朗読する「装腰奇譚」は、その続編の方に収められて居ますが、実は、佐江さんが初めて書いた職人の話なんですね。

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「装腰綺譚。この小説を書かなかったなら、その後、次々に
 職人譚を書き続けることはなかっただろう」
とは、佐江さん御本人の言葉です。

佐江さんにとって思い入れの深い、記念すべき作品だったのでしょうね。

今回の語りの公演に合わせて、原作の3分の1の長さとなっています。
これ以上カットするのは、忍びなく、

今回、前編と後編に分けてお届けいたします。
主人公の心のひだを もっと知りたいという方は、

ぜひ、原作の「続・江戸職人奇譚」に収録された「装腰奇譚」を読んでみてくださいね。

さて、時代小説好きには周知の言葉でも、このお話では、あらかじめ意味を知っておいた方が
何かと話が通じやすい...という表現があリます。
ここで、少し確認を。

大川(おおかわ):今でいう隅田川下流。今もかかっている「新大橋」は、江戸時代からこの名でありました。

暮れ六つ:酉(とり)の刻。午後6時ころ。

大小(だいしょう):日本刀の大刀と小刀(脇差)のこと。

御家人(ごけにん):江戸時代、将軍と直接 主従関係にあった武士

御徒衆(おかちしゅう):主君が外出のとき、徒歩で身辺警護をおこなった下級武士

朋輩(ほうばい):仲間。友だち。

月代(さかやき):江戸時代の日本にみられた成人男性の髪型
 ↓この、前頭部から頭頂部にかけて頭髪を剃りあげた部分Img2

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「おまけのショット」:
リスナーのMisakoさんから番組にメールで届いた、富士山と紅葉の写真 燃える秋♪ですね〜Image1

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2017年11月 2日 (木)

11月5日放送 第二十七回は 江戸川乱歩 作『接吻』

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第二十七回放送は 11月5日。今回 は、江戸川乱歩が書きました『接吻』をお送りします。

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サンセット・シアター2度目の登場となる江戸川乱歩ものですね。

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1965年(昭和40年)に70歳で亡くなった小説家・推理作家の江戸川乱歩は、
大正から昭和期にかけて活躍しました。

日本推理作家協会 初代理事長でもありました。

文壇にデビューした1923年からの3年間で、乱歩は23編の短編を発表しました。 
1926年以降にも、傑作短編は ありますが、
長編や「少年探偵団」シリーズや評論に力を注ぐようになりました。

今日、朗読する、「接吻」は、1925年(大正14年の作品。

新婚家庭に生まれる、ある疑念から始まります。

 新婚1か月の役所勤めのサラリーマン、山名宗三は、大の愛妻家。
恋女房の待つ家へ一目散に帰った宗三が目撃したものは・・・?

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2017年10月27日 (金)

10月29日放送 第二十六回は有島武郎 作『碁石を呑んだ八っちゃん』

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( SUSUMU.T撮影)
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第二十六回放送は 10月29日。今回 は、有島武郎が書きました「碁石を呑んだ八っちゃん」を朗読します。


有島武郎のプロフィールについては、以前のブログの記述をご参照ください。

彼が 自分の子どものために書いた創作童話集「一房の葡萄」中の1編です。

51ko1jxh6xl_sx355_bo1204203200_ 岩波文庫、岩波書店から今も出版されています。

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初刊本は、装丁や挿画も有島武郎自身の手によるものです。
中表紙を開けると、「行光、敏行、行三へ」と3人の子供たちへ捧げた本
になっており、父の愛情を感じます。
いずれも有島の子供時代の失敗談、怖かったお話など、
子供たちへの深い愛情を感じる短編が並んでいます。

今日のお話は、兄弟喧嘩から始まる、小さな子どもの誤飲事故。

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子どもって、なんでも口に入れてしまう時期ってありますよね。
このお話に似たような経験をお持ちのかた、身につまされる内容かも。。。

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2017年10月19日 (木)

10月22日放送 第二十五回は 太宰 治 作『新釈諸国噺』から「女賊」


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第二十五回放送は 10月12日。今回 は、太宰 治が書きました『新釈諸国噺』から「女賊」です。

「新釈諸国噺」は、江戸時代の浮世草紙 作家、井原西鶴の作品を太宰流に焼き直し、まとめあげた12の作品集で、昭和20年1月に単行本として発行されました。
以前に取り上げた「貧の意地」も、この新釈諸国噺の中の噺ですね。

太宰の前書きには、
「題材を西鶴の全著作からかなりひろく求めた。変化の多い方が更に面白(おもしろ)いだろうと思ったからである。物語の舞台も蝦夷(えぞ)、奥州(おうしゅう)、関東、関西、中国、四国、九州と諸地方にわたるよう工夫した。」とあります。
順番と、どこの地方の話なのかは、以下のとおり。

貧の意地 (江戸) 諸国はなし、西鶴四十四歳刊行
大力   (讃岐(さぬき)) 本朝二十不孝(ほんちょうにじゅうふこう)、四十五歳
猿塚   (筑前(ちくぜん)) 懐硯(ふところすずり)、四十六歳
人魚の海 (蝦夷(えぞ)) 武道伝来記、四十六歳
破産   (美作(みまさか)) 日本永代蔵(にっぽんえいたいぐら)、四十七歳
裸川   (相模(さがみ)) 武家義理物語、四十七歳
義理   (摂津) 武家義理物語、四十七歳
女賊   (陸前) 新可笑記(しんかしょうき)、四十七歳
赤い太鼓 (京)  本朝桜陰比事(おういんひじ)、四十八歳
粋人   (浪花(なにわ)) 世間胸算用(せけんむねさんよう)、五十一歳
遊興戒  (江戸) 西鶴置土産、五十二歳(歿(ぼつ))
吉野山  (大和(やまと)) 万(よろず)の文反古(ふみほうぐ)、歿後三年刊行



今日、朗読する「女賊」は、陸前とありますので、今の宮城県のあたりが舞台となります。
笹谷峠仙台 名取川など馴染みのある地名が登場するので、東北の人間にはちょっと嬉しい。

「仙台には美人が少ない」という言葉があって、日本三大○○の産地などと言われてきたけれど、
井原西鶴、もしくは太宰治の時代からそうなのかなと ちょっと哀しい。

今の仙台には、美人が多いんだけどなぁ。。。

女三界(さんがい)に家なし 
という言葉がキーワードになっています。
「三界」とは仏語で,欲界・色界・無色界,つまり全世界のこと。

は三従,つまり、幼い時は親に従い,嫁に行っては夫に従い,老いては子に従わなければならないとされるから,一生の間,広い世界のどこにも安住の場所がない。 に定まる家なし

さて。京都の公家の血筋の女は、山賊の妻となって、どのような境涯に身を置いていくのでしょう。


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2017年10月11日 (水)

10月15日放送 第二十四回は 芥川龍之介 作「羅生門」

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(K.WATANABEさん撮影)
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芥川龍之介は、明治25年に生まれ、昭和2年に35歳で亡くなっていますが、
その作品の多くは短編です。
また、『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』といった古典から題材をとったものも多いですね。
この『羅生門』も、『今昔物語集』の巻二十九第十八と、巻三十一第三十一の二つの物語を
合わせた形で書かれています。

東京帝国大学在学中の、まだ無名の作家だった大正4年11月、25歳の時、
雑誌『帝国文学』へ発表されました。
芥川文学の原点ともいえる作品。
高校国語教科書に現在も採用されています。

最後の結びの一文は たびたび変更されているようです。
『帝国文学』の初出では
「下人は、既に、雨を冒して、京都の町へ強盗を働きに急ぎつつあつた。」
第1短編集『羅生門』では
「下人は、既に、雨を冒して京都の町へ強盗を働きに急いでゐた。」
初出から二年半たって短篇集『鼻』(1918年大正7年7月(春陽堂))収録時に改稿されて、現在のように
「下人の行方は、誰も知らない」となりました。
芥川のような文豪こそ、何度も推敲し、よりよいものを追求していくのですね。。

150289_01 黒澤 明監督作品の映画『羅生門』は、この小説と同じタイトルですが、
同じく芥川が書いた小説『藪の中』が、ストーリーのメインになっています。
ただ、小説「羅生門」から舞台背景や、着物をはぎ取るエピソードなどは取り入れていますので、
レンタルなどで 映画を鑑賞してみるのも愉しいかもしれません。


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2017年10月 5日 (木)

10月8日放送 第二十三回は 宮沢賢治 作「オツベルと象」


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(Misakoさん撮影)
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第二十三回放送は 10月8日。今回 は、宮沢賢治が書きました『オツベルと象』です。

この作品は、1926年1月に、詩人 尾形亀之助主催の雑誌『月曜』創刊号に掲載されました。
賢治の数少ない生前発表童話の一つで、教科書や、公文式の教材にもなっているんですね。

かつては「オッペルと象」というタイトルでしたが、のちにオツベルに訂正されました。

 この物語は、「ある牛飼い」が物語るという形で進んでいきます。

この作品、賢治は文章を七五調で書いているので、あなたも声に出して読んでみてください。
心地よいですよね。

物語は・・・
ある日、地主のオツベルのところに大きな白い象がやってくる。オツベルは象をうまく騙して自分の所有物にし、過酷な労働を課していきます。
さて、白象は・・・

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2017年9月26日 (火)

10月1日放送 第二十二回は 江戸川乱歩 作『お勢登場』

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(H.YAMADA撮影)

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第二十二回放送は 10月1日。今回 は、江戸川乱歩が書きました『お勢登場』です。

Rampo 江戸川 乱歩(えどがわ らんぽ)は、1894年(明治27年)に生まれ、(昭和40年)に70歳で亡くなった大正から昭和にかけて活躍した、日本を代表する小説家の1人です。
本名は平井 太郎(ひらい たろう)で、ペンネーム(江戸川乱歩)はアメリカの恐怖小説作家、エドガー・アラン・ポオに由来しています。
名探偵・明智小五郎の活躍する「D坂の殺人事件」「心理試験」などの探偵小説や、独特の世界観の怪奇小説で高い評価を受けました。
少年探偵団シリーズでは年少の読者からの人気も集め、幅広い層に支持されました。

お勢登場』(おせいとうじょう)は、乱歩が32歳のとき、1926年(大正15年)の『大衆文芸』7月号に掲載された作品です。
映画化テレビドラマ化され、今年の春には、黒木 華さん主演で 東京、福岡、大阪にて演劇として上演もされています。

のちに乱歩が描いてく世界観のひな型ともいえる作品です。

先日、甲斐善光寺さんで公演しました「人でなしの恋」にも登場した長持(ながもち)が、重要なモチーフとなっています。

「長持」とは。

0000018894l 嫁入り道具として持参した衣類や夜具を収納する長方形の箱ですね。

さて、この 長持の中で、いったい 何が起こるのか。。。どうぞ、お聴きください。

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2017年9月19日 (火)

9月24日放送 第二十一回は梶井基次郎 作『檸檬』

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(S.S.撮影)
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梶井 基次郎(かじい もとじろう)は、1901年(明治34年)2月17日 に生まれ、1932年(昭和7年)3月24日)は、31歳の若さで肺結核で亡くなりました。

感覚的で知的、簡潔な描写と詩情豊かな澄明な文体で 20篇余りの小品を残しています。
死後、評価が高まり、今日では近代日本文学の古典ともいえます。
 

リプトンの紅茶を好み、喫茶店で飲むのも、レモンティーやレモンを浮かべたプレーン・ソーダを非常に好んでいたとか。この小説の主人公のように、レモンは日頃から持ち歩いていたそうです。

 梶井基次郎の命日 3月24日は、代表作である『檸檬』から、「檸檬忌」(れもんき)と呼ばれます。

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檸檬』(れもん)は、梶井基次郎の梶井の代表的作品です。
得体の知れない憂鬱な心情、ふと抱いた いたずらな感情。
三高(現・京都大学)時代の梶井が京都に下宿していた時の鬱屈した心理を背景に、描かれています。

1925年(大正14年)1月1日発行の、中谷孝雄、外村繁らとの同人誌『青空』1月創刊号の巻頭に掲載され、単行本は、梶井の友人である三好達治らの奔走により、梶井の亡くなる1年ほど前の1931年(昭和6年)5月 武蔵野書院より刊行され、これが梶井の生涯で唯一の出版本となっているんですね。

「つまりは この形なんだな。」

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さぁ、彼の 丸善を舞台におこなった 悪戯。あなたはどう思いますか。

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2017年9月17日 (日)

9月17日放送 第二十回は宮沢賢治 作『やまなし・雨ニモマケズ』

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賢治の作品は、サンセット・シアターには「よだかの星」に続いての登場ですね。

 

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今日、とりあげる「やまなし」は、1923年(大正12年)4月8日付の『岩手毎日新聞』に掲載されました。
賢治の生前に発表された数少ない童話の一つで、小学校6年生の国語教科書に採用され、広く親しまれています。
晩春の5月の昼間と、初冬の12月の月夜。その二つの場面で、谷川の情景を「二枚の青い幻灯」として、蟹の兄弟が見る世界を描いています。

蟹の兄弟が発する言葉 「クラムボンは笑ったよ」

この、クラムボンって、なんのこと?

英語で蟹を意味する crab や鎹(かすがい)を意味する crampon に由来するとする説から、
「アイヌ語でコロボックル」のことだという説など、学者の説も いろいろあって面白いです。

あなたならではの「クラムボン」。想像してみてくださいね。

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一方、『雨ニモマケズ』は、賢治が亡くなったのち、彼の残した黒い手帳に鉛筆で書かれていたもので、1931年頃、つまり、東京で病に倒れ、花巻に帰って闘病中だった頃に使用していた手帳であることから、その頃の彼が信仰していた
『法華経』の常不軽菩薩(じょうふきょうぼさつ)の精神を表していると言われています。 

常不軽菩薩は自分が誹謗され迫害されても、他人を誹謗・迫害し返さなかったとか。

 また、斉藤宗次郎という、キリスト教の宣教に尽力した人物の言動や生き方がモデルだとも言われています。

 

賢治が書いた『農民芸術概論綱要』にある言葉
「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」
その精神を表しているのかもしれません。

深い 深い 賢治の世界。
その思いを感じ、表現できるよう これからも取り組んでいきますね。

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2017年9月 7日 (木)

9月10日放送 第十九回は有島武郎 作『一房の葡萄』

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(撮影:Tkegon)
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第十九回放送は 9月10日。今回 は、有島武郎が書きました『一房の葡萄』(ひとふさのぶどう)です。

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有島武郎は、1878年(明治11年)に生まれ、大正12年、45歳で自死で亡くなった作家です。

学習院中等科卒業後、農学者を志して札幌農学校に進学、明治36年に渡米し、ハバフォード大学大学院で学び、その後、ハーバード大学で歴史・経済学を1年ほど学び、帰国後、志賀直哉や武者小路実篤らとともに同人「白樺」に参加しました。

代表作に『カインの末裔』『或る女』や、評論『惜みなく愛は奪ふ』などがありますが、
今日の作品、「一房の葡萄」は、雑誌『赤い鳥』1920年(大正9年)に掲載された有島が書いた最初の創作童話で、横浜英和学校(現横浜英和学院)での自身の体験に基づいています。

1923年、軽井沢の別荘(浄月荘)で婦人公論の編集者だった波多野秋子(はたの あきこ)と心中して亡くなった有島ですが、その前年、1922年に編まれた唯一の創作童話集のタイトルが「一房の葡萄」。で、文壇作家が書いた童話としてだけでなく、子どもの内面にせまった作品として注目されました。

この童話集、全4篇中、この「一房の葡萄」をはじめ、3篇が有島自身の幼い頃の体験に基づくお話です。
自ら装幀、挿画を手がけ、自分の3人の子供達に捧げる言葉が添えられています。

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ぎゅうっと胸を締め付けレられるような 少年期の心の痛み。

一房の葡萄に込められた 思い。

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あなたが彼なら、彼の友達なら、彼の担任の先生なら...いったい どうするでしょう?
それぞれの立場におきかえて 聴いてみてくださいね。


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