2017年7月13日 (木)

7月16日放送 第十一回は 宮沢賢治 作『よだかの星』

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『 パナホーム山梨 presents SUNSET THEATER 』

ご案内役の 小川もこ です。 

毎週、日曜日の17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー
サンセットタイムにお届けする この番組は、
私、小川もこ が 日本文学の名作をセレクトし 朗読させていただきます。

第十一回放送は7月16日。今回 取り上げるのは、
宮沢賢治が書きました、「夜だかの星です。

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宮沢 賢治(みやざわ けんじ)は、1896年、岩手県稗貫郡里川口村(現在の花巻市)に生まれ、
1933年に急性肺炎のため 37歳で亡くなった、詩人であり童話作家です。

仏教を信仰し、農民生活に根ざした創作を行いました。
賢治の生前は、そのの作品はほとんど知られることはありませんでしたが、亡くなってから、広く名を知られ、国民的作家となっていきます。

盛岡高等農林学校(現・岩手大学農学部)時代の1917年(大正6年)学友の保阪嘉内らと同人誌『アザリア』創刊、そこで短歌などを発表しましたが、
生前に彼の作品として発刊されたのは、1924年(大正13年)に自費出版の詩集『心象スケッチ 春と修羅』と、
童話集『注文の多い料理店』だけでした。

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今回 朗読する「よだかの星」は、 1921年頃に書かれ、賢治が亡くなった翌年(1934年)に発表された作品です。
国語の教科書にも採用された 有名な物語ですが、単に、弱い者いじめや 外見の美醜によって人を判断することの愚かさを訴えるだけでなく、賢治の仏教思想が垣間見え、「自己の存在への罪悪感」「自己犠牲」「転生」などもあって、大人の鑑賞に相応しい作品かもしれません。


ところで。宮沢賢治が書いた冒頭に

「よだかは、実にみにくい鳥です。
顔は、ところどころ、味噌みそをつけたようにまだらで、
くちばしは、ひらたくて、耳までさけています。」

とあるので、で。「よだか」って、どんな鳥なんだろう?と、調べてみました。

ヨタカ:鳥綱ヨタカ目ヨタカ科ヨタカ属に分類される鳥類。
全長29センチメートル。全身の羽衣は暗褐色や褐色で、黒褐色や褐色、赤褐色、薄灰色などの複雑な斑紋が入る。この体色は樹上や落ち葉の上では保護色になると考えられている。翼は大型で先端は尖る。

頭部は大型で扁平。虹彩は暗褐色。口は大型だが、嘴は小型で幅広い。

1771 ごま塩状の羽は、樹木や落ち葉への擬態のためなんでしょうね。
(写真:ケンさんの探鳥記 より)

133e1460792892345 この変顔な子は、日本にはおらず、中南米に生息する「タチヨタカ」。
ひょうきんで、可愛いですよね。
(写真:labaq.com より)


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【 追記 】
頂戴したご感想の一部を掲載させていただきます。

なまけ☆たろう さんから:
今日のサンセットシアター宮沢賢治『よだかの星』
私にとって初めての作品でした。
宮沢賢治は『注文の多い料理店』くらいしか読んだことがなかったので楽しみにしていました!
しかし...なぜ 外見だけが理由で こんなにもとことん嫌われなくちゃいけねいのか?
疑問だらけで ずっと聴いていました。
優しい気持ちでしたことも裏目にとられ、聴いている途中から、人間社会、身近な人間関係に置き換えて聴いてしまっていました。
『孤高』に生きた よだか。
話の中で、鳥同士の会話なのに「人格」という言葉があり、その表現に違和感がありました。
よだかを通じて、もしかしたら、宮沢賢治も なにか自分自身の孤独を表現したかったのかなと思いました。
毎晩 夜空を見上げています。今夜から「よだかの星」を探してみようと思います。
もこさん、今夜も ありがとうございました。(*^_^*)


タケゴンさんから:
 あからさまな感想は難しいです。
私の心の醜さも 晒さなければいけないので...
 江戸時代のお話が何度かあったので、これも江戸時代の夜のお話かと思いましたが、本当の鳥のお話でした。
 美しいものと そうでないものがあれば、美しいものに惹かれるのは 自然の摂理だと思います。
(よいDNAを残す観点から そのようになっている。と、文春に連載されていたエッセイで読んだ)
 では、美しくないモノと どうつきあうのか。
ですが、つきあいたくないと思うのも、おそらくは自然の摂理なんだと思います。

 昔は「恐いもの見たさ」が普通にあって、お祭りでは「見世物小屋」がありました。
アルチンボルド展にも展示されていたけれど、多毛症の人を慰みものとして見ていたりしたようですね。
しかし、今は「優しさ」が一般に浸透して、
そういうことは「いけないこと」という概念が固まりつつあるように思います。
 タケゴン自身も正直なところ、
「恐いものを見てみたい」けれど「醜いモノとは近づきたくない」と思う心がありました。
しかし、介護の勉強をしたときに、
いろんな人がいるけれど、「それは個性なのだ」ということを学習してからは
偏見が少し是正されたように感じています。
 明治の時代に「醜いモノ」の心に焦点をあてた文学に
「わたしの心の醜いウロコ」が剥がされる感触を味わいつつ聴きました。

2017年7月 4日 (火)

7月9日放送 第十回は 太宰 治 作『貧の意地』

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第十回放送は7月9日。今回 取り上げるのは、
太宰 治が書きました、「貧の意地です。

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第一回のサンセット・シアターに登場した太宰ですが、
今回の作品は、かなり趣きが違います。

『新釈諸国噺』の中に、江戸の話として収めされている作品ですが、
元々、井原西鶴が書いた
「西鶴諸国はなし~大晦日はあわぬ算用(巻一の三)」
を、さらに膨らませて書いたものなんですね。

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井原西鶴
江戸中期、大阪に生まれた俳人で、浮世草子作家です。
天和2年浮世草子『好色一代男』を発表、作家としても地位を得ました。
代表作の『世間胸算用』など、好色物・武家物・町人物と、西鶴の名を近世文壇史上に大きく残す様々な作品があります。元禄6年(1693)歿、52才。

この『新釈諸国噺』を書くにあたって、太宰治は、以下のように綴っています。

「〜新釈諸国噺しょこくばなしという題にしたのであるが、これは西鶴さいかくの現代訳というようなものでは決してない。古典の現代訳なんて、およそ、意味の無いものである。
(略)
西鶴は、世界で一ばん偉い作家である。メリメ、モオパッサンの諸秀才も遠く及ばぬ。
私は西鶴の全著作の中から、私の気にいりの小品を二十篇ほど選んで、それにまつわる私の空想を自由に書きつづり、「新釈諸国噺」という題で一本にまとめて上梓じょうししようと計画しているのだが、まず手はじめに、武家義理物語の中の「我が物ゆゑに裸川」の題材を拝借して、私の小説を書き綴ってみたい。原文は、四百字詰の原稿用紙で二、三枚くらいの小品であるが、私が書くとその十倍の二、三十枚になるのである。(略)」

さて、太宰の手によって、西鶴の作品が、どのように生まれ変わったのか。

まるでダメな男である 主人公の 原田内助と、その友人たち七名が巻き起こす てんやわんやのストーリー。
落語か、講談のような展開が楽しく、どう感じていただけるか、ワクワクです。

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【 追記 】
頂戴したご感想を掲載させていただきます。

オガッチさんから:
「貧の意地」を聴かせていただきました。
原田と七人の男の群像劇として描いており、とても面白い作品ですね。
仰せのとおり、太宰は優しい人である為、主人公 原田に太宰の姿が投影されているかのように思えます。
太宰作品は好きなので、サンセットシアターで取り上げられる時は、予習で読んでから聴くことにしています。

2017年6月29日 (木)

7月2日放送 第九回は 室生犀星 作『あじゃり』

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第九回放送は7月2日。今回 取り上げるのは、
室生犀星が書きました、「あじゃり」です。

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室生犀星は、明治22年8月1日、石川県金沢市に生まれました。
生後まもなく真言宗高野山派、千日山雨宝院の養子となり、養父母のもとで育ちました。
高等小学校を中退して12歳で働きはじめた犀星は、文学への思いを募らせて20歳で単身上京、生活苦にあえぐなかで、数々の詩をつくりました。

『愛の詩集』『抒情小曲集』などの抒情詩は大正期の詩壇を牽引し、さらに小説家としても活躍しました。その作品は抒情的な作風の「幼年時代」や「性に眼覚める頃」などの初期小説、市井鬼ものと称される「あにいもうと」などの中期小説、「杏つ子」「かげろふの日記遺文」「蜜のあはれ」など次々と新しい境地を拓いていった晩年の小説など多岐にわたり、随筆、童話、俳句にもすぐれた作品を残しています。

不遇な出生をのりこえて描かれた犀星文学は、故郷の山河に対する深い思いや、小さな命、弱いものへの慈しみの心があふれ、人生への力強い賛歌ともなっています。

抒情小曲集
ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土(いど)の乞食(かたい)となるとても
帰るところに あるまじや

この詩句が有名ですね。

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今回の作品「あじゃり」は、『 文豪怪談傑作選・室生犀星集 童子 」

に収められた14編の短編の中の一つです。
「あじゃり」とはサンスクリット語で「規範」という意味で、
正しく戒律を守り、弟子たちの規範となり、法を教授する師匠や僧侶のことだとか。

峯の寺に暮らす高僧の 阿闍梨さま について、
旅の禅師に 菊世という女が もの語る形で進行していきます。

どんな高僧でも、心惑わすことはあるのか・・・
ちょっと怖い展開を どうぞお聴きください。

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2017年6月18日 (日)

6月25日放送 第八回は 山本周五郎作『憎い あん畜生』

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第八回放送は6月25日。今回 取り上げるのは、
山本 周五郎が書きました、「憎いあん畜生」です。

朗読するにあたり、甲府市の山梨県立文学館で6月18日まで開催されていた
「山本周五郎 歿後50年 特別展」に行ってきました。

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山梨県大月市出身の周五郎ですが、県人気質を シニカルに書いていたり、二度の結婚で それぞれの奥様を深く愛していた様が伺いしれたり、様々な直筆原稿や 映画化された作品の数々のポスター、彼が愛したワインwine、さらにはラジオに出演時 読者からの投稿に真摯に答える肉声を聴けるコーナーなど、充実の展示でした。

この特別展、甲府では終わってしまいましたが、次の開催は、横浜です。

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ぜひ。ご覧になってみてくださいね。

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山本 周五郎は1903年(明治36年)6月22日 に生まれ、1967年(昭和42年)2月14日に63歳で亡くなりました。

本名、清水 三十六(しみず さとむ)。

山梨県北都留郡初狩村(現在の 大月市初狩町下初狩)に生まれ、明治40年に起きた大水害後、一家は北豊島郡王子町豊島(としま)(現在の 東京都北区豊島)に転居します。

小学校卒業後、銀座の質屋で奉公、後に筆名としてその名を借りることになる店主・山本周五郎の庇護のもと、同人誌などに小説を書き始めました。
1926年、「文藝春秋」に『須磨寺附近』を発表し、文壇デビュー。
その後15年近く 不遇の時代が続きますが、やがて時代小説の分野で認められはじめます。
『日本婦道記』(1942-1946)で直木賞に推されたものの、これを辞退し、生涯で一個の賞も受けることはありませんでした。
『樅ノ木は残った』(1958)、『赤ひげ診療譚』(1958)、『青べか物語』(1960)、『おさん』(1961)、など次々と名作を発表し、人間に対する深い愛と洞察力で多くの読者の支持を得ました。 

今日の作品「憎いあん畜生」は、新潮文庫「艶書(えんしょ)」という短編集に収められているものです。 

愛する相手のために。あなただったら、どういう生き方を選ぶでしょう。

主人公の 半四郎 と おそめ 、二人に 思いを重ねながら聴いてみてくださいね。

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【追記】
ハルのただ飯さんから
若気の至りの恋とは言え、身分の違いが悲劇を生んだのではないでしょうか。
子を宿し 身を引いた おそめの愛と、武士の半四郎の一途な想いが交錯していました。
雨の中、山谷から馬道、本所から石原へ向かう半四郎は、きっと、隅田川の この橋を渡り、この路地を曲がり...と3D映像のように想像が広がりました。
ラストシーンで、おそめさんが愛していたのは”凛々しい武士の半四郎”なのだとわかり、心が救われました。
もこさんの艶やかな声の おそめさんに逢ったら。半四郎だけでなく、男はみんなイチコロですね。
もこ師匠に脱帽です。

2017年6月13日 (火)

6月18日放送 第七回は 森 鴎外作『高瀬舟』

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第七回放送は6月18日。今回 取り上げるのは、

森 鴎外 作『 高瀬舟』 です。

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森 鴎外は、本名 森 林太郎。
1862年(文久2年)島根県 津和野に生まれ、1922年(大正11年)に満60歳で亡くなりました。

明治・大正期を代表する文豪ですが、東京大学医学部を卒業後、陸軍軍医となり軍医総監(当時で中将相当)まで上り詰めました。
ドイツへの留学経験をもとに書かれた「舞姫」は国語の教科書にも載っていましたね。


今回とりあげる作品「高瀬舟」は、1916年(大正5年)1月、「中央公論」に発表されました。
江戸時代の随筆集「翁草」の中の「流人の話」をもとにして書かれたもので、
「足ることを知る」
「安楽死」は罪なのか?
大きな命題を提起している小説として、様々に評価されています。
またテレビ、映画など映像化も数多く試みられています。
語りや朗読の公演の演目として 取り上げられることが多い作品です。

さて、あなたは、何を 感じていただけるでしょうか?

ご感想を 是非、お聞かせください。

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【 追記 】
角ヨシさん からの質問メールにお答えします。

「何人もの登場人物のセリフを こなすためには、どうしたらいいのですか?」

小川から:
男性と女性は、ある程度の声の高低差(女性は高く、男性は低く)で演じ分けられますが、
同性の場合などは、声の高低ではなく、その人物の性格・性質で 声の調子、スピード、間合いの違いなどを いろいろ組み合わせて語っています。
声優ではないので、その差は なかなか明確に演じきれないのが実情ですが、がんばってます!
これからも、前後の文脈など考えながら、優しい気持ちで 聞き分けてくださいね〜...!

【さらに追記】
福島市のザッキーさんからのメール、転記いたします。

『 自分が喜助だったら、間違いなく弟の懇願に応えていたでしょう。
喜助の弟は、すぐそばに死が迫っており、しかも、もがき苦しんでいる。
喜助は、弟の苦しみという苦痛を取り除く為に、絶命を少し早めただけとは言えないだろうか。
でも。
家族が脳死判定されていて、人工呼吸器をつけて穏やかに眠っていたとしましょう。
この場合、人工呼吸器を外すことに簡単に同意できるだろうか?
きっと迷うと思います。


法学部で、刑法を勉強した時のことを思い出しながら、ラジコのタイムフリー機能で、
「高瀬舟」を もう一度 聴いてみました。
 喜助は、今の日本の刑法では、法定刑「六月以上 七年以下の懲役または禁錮」の「嘱託殺人」で裁かれることにはなるけれど、少なくとも「緊急避難」の「過剰避難」に当たり、刑の軽減か 免除があると思います。
もしかすると、「緊急避難」そのものが認められて、「嘱託殺人」のかどには問われないのではと思いました。
「緊急避難」とは
現在の危難に対して、自己または第三者の権利や利益を守るため、他の手段が無い為に、やむを得ず他人に危害を加えたとしても「やむを得ずに生じさせてしまった損害」よりも「避けようとした損害」の方が大きい場合には犯罪は成立しないとする制度です。
「過剰避難」とは
やむを得ずに生じさせてしまった損害の方が ちょっとだけ大きかったため「緊急避難」が認められない場合、犯罪は成立したとみるが、情状により、刑を軽減か免除する制度です。
「避けようとした損害」とは
”喜助の弟が死に至る苦しみ”であり、
「やむを得ずに生じさせてしまった損害」は
”喜助の弟の死を早めたこと”であり、この二つの「損害」の比較ですよね。
朗読を聴いて、誰もが喜助と同じ行動をするのではと思いました。
それは、法律も、喜助の弟が死に至る苦しみを「避けなければいけない損害」であると認め、これに対して行動することは、人間として当然だと言っているのだと思います。』

2017年6月 7日 (水)

6月11日放送 第六回は 佐江衆一作『江戸の化粧師』

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佐江衆一 作『 江戸の化粧師(けわいし)』 です。

佐江衆一さんは、1934年1月、東京台東区生まれ。
1960年、第7回新潮同人雑誌賞を受賞。以降、計5回芥川賞候補となるなど、
様々な作品を発表しています。
1995年、老親介護を描いた「黄落」がベストセラーとなり、第5回ドゥマゴ文学賞受賞
「黄落」はテレビドラマ化、また劇団民芸、北林谷栄脚色・主演で舞台化もされました。
役者志望だった佐江さんも この舞台に出演なさっていますね。
1996年、時代小説短編集「江戸職人綺譚」第4回中山義秀文学賞受賞
アヘン戦争時代の香港の海賊を描いた「クイーンズ海流」を『週刊新潮』に1年間連載するなど、歴史時代小説にも活躍。
近年は、「昭和質店の客」や、回天特攻隊員の兄と東京大空襲で孤児となる弟の 二人の視点から描いた 書き下ろし長編小説「兄よ、蒼き海に眠れ」など、御自身の体験をもとにした 戦争小説を ライフワークにされています。
もうすぐ、書き下ろし長編小説を上梓されますので、お楽しみに!

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3z39575「江戸職人綺譚」は 文庫本にもなっています。
江戸時代の職人達の生き様が 一編一編、心に迫ってくる 傑作短編集です。


今回の作品「江戸の化粧師(けわいし)」は、「江戸職人綺譚」におさめされている短編です。
「化粧師(けわいし)」とは。
江戸時代のメイクアップアーティストとも呼べる職業のこと。
遊女の中で格の高い太夫などや、商家の内儀や娘、囲い女なども、化粧に化粧師を呼んでいたようです。

若くして、化粧師として大成功した代之吉。どこか満たされない思いを抱いていた彼が出会った おしま という女。
彼女の美しさが、存在が、やがて代之吉の運命を狂わせていきます。

究極の愛とは。男と女の愛情の違いとは...
サンセットシアター初の時代小説の世界、じっくりと お楽しみくださいね〜

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佐江先生の作品は、何作も小川の語りの公演で語らせていただいており、
心から敬愛する作家であります。


【追記】
この回は、特に多くご感想が届きました。
一部を掲載させていただきますね。

RN:どこでも自転車さん
「江戸の化粧師」、聴き惚れました。
佐江さんの ひだの細やかな文章の美しさ、
小川さんの声の表情や色と相まって、
江戸と、官能の世界と、人間の業 この三つを旅しているようでした。
いつも、30分とは思えない、広い時空を旅させていただいています。
限られた一人の人生の持ち時間を、広げたり深めたりできる。
それが、優れた文学のちからなのだな。
時間が無いから...とスピードを上げるのではなく、
日曜の夕方、ゆっくりと文学に耳を傾けるだけでも、時間は広げることができるんだ...と、
時の記念日の翌日に、しみじみ思いました。
佐江さんの作品を、ぜひまた、小川さんの声で聴きたいです。
これからも、時空を超えた上質な旅に連れていってください。


東京都世田谷区 ウランちゃん
いつも楽しく拝聴しています。
「江戸の化粧師」一言。もこさんが色っぽかった〜!艶やかでございました。
私は時代小説というと、ついつい敬遠しがちだったのですが、
「化粧師」は、現代のメイクアップアーティスト。
その頃から、そんなハイカラなお仕事があったのね と、非常に興味深く、
他のお話も読んでみたいと思いました。
私を時代小説読者へと導いて下さった作品です。
これからも、楽しみにしています♪

RN:あっこちゃん
とても感動して、佐江衆一さんの「江戸職人綺譚」を注文してしまいました。
男女の愛し方の違いから、誤解を招き、二人は離れていく。
与之吉は自信に満ちた男なのに、とことん惚れた女 おしまを失い、
まるで魂が抜け落ちたかのように、落ちて言ったのはわからないでもない。
与之吉は おしまに母の面影を見て、
おしまは 女である喜びを与之吉から教えられ。
まるで二人は運命の人のようにも思えたけれど、
本来は出逢うべき二人ではなかったような気がしました。
それにしても、切なくて。色っぽいシーンがなんとも言えませんでした。
これからも、楽しみにしています。


RN:ハルのただ飯さん
深川という我が地元が主な舞台で、ブログの夕景の写真の寂しさとともに、化粧師の男の気持ちがイタいくらい伝わってきました。
男の初恋が、自分の母親であり、ましてや生き別れとあれば、より一層、女に母お面影を求めていたと思います。
おしまさんに母を見てしまったが故に、大切にしたいという気持ち...わかる気がします。
ロマンチストの化粧師と現実的な女性の結末ではなかったか?と思います。
江戸時代シリーズ、お願いします。
ありがとうございました。


かーやさん
ものすごーく 色っぽくてドキドキしました。


角ヨシさん
結末が予想外な展開で、切なかった〜
ちょっとエッチで、ラジオで朗読して大丈夫?なんて。
後ろで流れる音楽や効果音、虫の声が 一層 もの語りに色を添えていたと思います。
ラジオということを忘れて聴いていました。

ナマケタロウさん
どんどん引き込まれてしまいました。
与之吉のおしまの愛し方。おしまの与之吉への愛し方。究極の愛って こういうことなのか?
いろんな想いで聴いていました。
でも、最後の終わり方が とても切なくてモヤモヤでした。
以前、山梨県の「そば丸」で もこさんが語りの公演を開いた時に語った作品「昇天の刺青」も佐江衆一さんの作品でしたよね?
来週も楽しみにしています。


横浜の ミーさん
脳内は一気に江戸にタイムスリップ。
与之吉の顔を見てみたい〜!と思ってしまいました(笑)
おしまは美しく母の面影もある魅惑的な女性だったのですね。
抱かないことで純粋な愛情を持っていた与之吉だったのに、
おしまには伝わらなかった...切ないですねぇ。。。
最後、熊吉と一緒にいる与之吉に、優しいなぁと感じました。
時代小説って自分から手に取ったことがないのですが、
今回のもこさんの聴く文学の世界、これからも楽しみにしています!


フクフクフッキーさん
好きな女を抱かねば男がすたる。抱いたら安っぽい女にさせちまう。
職人としての誇りと、男としての性の葛藤に、苦しんでいる与之吉の気持ちを汲み取ったからこそ、おしまは身を引いたんでしょうね。
好きな男とけじめをつける為に。だからこそ、金を返しに現れたのではないかなぁ。


さらさん

太宰・芥川のあとに、現代物の小手鞠るいさんの作品が来て
夏目・岡本綺堂と続いた後は何だろうと思っていたところ
もこさんがお得意の江戸物ときましたか、、、!
もこさんの語りの会ではおなじみの佐江作品。
私も気がつけば佐江作品のファンになり、
「江戸職人綺譚」を購入して読んでおります。
「江戸の化粧師」は、語りの会場で聴かせていただいていますが
ラジオ番組での語りは、新鮮ですね!
音楽も細かく割り当てられていて、とっても良かったです。
(もう少し、語りだけのところがあっても良いような気も相変わらず致しますが~)
代之吉の悲哀を、今回はことさらに強く感じました。
母親の面影を追い続けたあげくに、再び捨てられる代之吉に
救いはないんでしょうか、、、
幼子の後日談に期待したくなりました。
何時の日か、そんな作品をまたお願いいたします!

2017年5月29日 (月)

6月4日放送 第五回は岡本綺堂 作『指輪一つ』

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『 パナホーム山梨 presents SUNSET THEATER 』

ご案内役の 小川もこ です。 

毎週、日曜日の17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー
サンセットタイムにお届けする この番組は、
私、小川もこ が 日本文学の名作をセレクトし 朗読させていただきます。

第五回放送は6月4日。今回 取り上げるのは、

岡本綺堂 作『 指輪一つ 』 です。

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岡本綺堂(おかもと きどう)は、明治5年に生まれ、昭和14年に亡くなった小説家、劇作家で、探偵物、怪奇怪談作品を多数執筆しています。
「維新前後」や「修禅寺物語」など新歌舞伎の演目や「半七捕物帳」で名を知られていますね。

 彼は、東京府尋常中学、現在の都立日比谷高等学校を卒業後、大学には進学せずに新聞社に入社。以来、いくつかの新聞社で、24年間を新聞記者として過ごしています。

記者として劇評や社会探訪記事を書きながら、小説も発表していきました。

また、新歌舞伎を代表する劇作家となり、「綺堂物」といった言葉も生まれるほど、オリジナルな世界を造り上げます。
生涯に 196篇の戯曲を残しています。

この『指輪一つ』は、最初は「講談倶楽部」に、大正14年8月に発表されたもので、のちに、『異妖の怪談集・近代異妖編』の中に収められた1編です。

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関東大震災を題材にしていますが、 自ら、関東大震災で麹町の自宅と蔵書などを失った経験が、この小説につながったのでしょうか。

大正時代、震災直後の初秋の木曽路の宿にて遭遇した不思議な不思議な出来事が、大学生の言葉を通して語られていきます。

 偶然と呼ぶには、あまりに切ない 悲しみが 静かにこみ上げてきます。

怪談として捉えるよりも、東日本大震災や熊本地震を体験した今だからこそ、読んでみたい作品かもしれません。

あなたのご感想をお聞かせくださいね。

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日曜日の午後。17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー。

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2017年5月24日 (水)

5月28日放送 第四回は 夏目漱石 作『夢十夜』

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第四回放送は5月28日。今回 取り上げるのは、

夏目漱石『 夢十夜 』から、第一夜、第三夜 です。

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夏目漱石といえば。「坊ちゃん」「心」「三四郎」「吾輩は猫である」など、

一度は読んだことがあるというかたも 多いでしょうね。

日本を代表する作家として、1984年から2007年まで千円紙幣の顔にもなっていました。

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夏目 漱石(なつめ そうせき)は、1867年、慶応3年生まれ。なんと江戸時代に誕生していたんですね。大正5年、49歳で亡くなりました。

大学時代に正岡子規と出会い、俳句を学んでいます。そのあたりは、司馬遼太郎の「坂の上の雲」にも夏目金之助として描かれていましたね。

帝国大学、現在の東京大学 英文科卒業、松山で尋常中学校教師や、熊本で教授などを務めた後、イギリスへ留学。帰国後、東京帝国大学で英文学の教鞭をとりながら、「吾輩は猫である」や「坊っちゃん」などを書いていきます。

その後、朝日新聞社に入社し、「虞美人草」「三四郎」などを掲載しました。

夢十夜』(ゆめじゅうや)は、1908年(明治41年)の夏、『朝日新聞』で連載された小説です。

当時の明治、神代の頃・鎌倉時代・100年後の世界など、10の不思議な夢の世界を綴っています。「こんな夢を見た」という書き出しが有名ですね。
今回は、その中から、幻想的でロマンチックな「第一夜」と、怪談とも思える「第三夜」をピックアップしてお送りします。

あなたのご感想をお聞かせください。

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【追記】
ご感想を頂戴いたしました♪

福島のザッキーさん

夏目漱石『夢十夜』の「第三夜」、怖かったです。

ブログに「怪談にも思える」と紹介されていましたが、もこさんの朗読、怪談そのものですよ!ラストの場面で、寒気が躰に走りました。
初夏の酉の刻、番組が終わったら暑気払いにビールでも買いに行こうかなと思っていたところ、グッドタイミングでした。ビールが節約できたかもしれません。

ありがとうございます。怪談の特集も企画してほしいです。

 

山梨県の52歳男性 猫のオルカさん

 毎週、放送を楽しみにしております。
先日の夢十夜。第一夜の幻想的な表現と第三夜の、ちょっと怪談的な怪談的な表現の対比が、心に沁み入りました。
特に、子どものセリフの無邪気な感じが怖さを助長していました。
これからもたくさん素敵な物語を聴かせてください。楽しみにしております。


富士吉田の ローズマリーさん
5/28の夏目漱石「夢十夜」の放送を子供に話したら、ちょうど読んだそうで、知ってました。北杜夫 作の「夢一夜」も勧めてくれましたが怖かったですよ。

2017年5月17日 (水)

5月21日放送 第三回は小手鞠るい『木を抱きしめて生きる』

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『 パナホーム山梨 presents SUNSET THEATER 』

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第三回放送は5月21日。今回 取り上げるのは、

小手鞠るい さん 作『 木を抱きしめて生きる 』です。

今回は、原作を 短く編集して朗読させていただきますが、
それでも長くなってしまい、放送では本編を読むのが精一杯で、
作者や作品についてのご紹介を おこなう時間がつくれませんでした。
そこで、このブログで 詳細をお届けしますね。

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2016年9月20日 原書房から発行されました 書き下ろしの連作短編集
『曲がり木たち』の五編の短編のラストに収められた物語です。

不思議な公園にぽつんと佇む 優しい形をしたベンチ。
主人公の女子高生 こずえ は、いつも独りで ここでお弁当を食べるのが日課でした。
彼女が この小さな公園のベンチで出会った 老人とのやりとり。
「生きづらさ」を抱えたそれぞれたちの 心のよりどころ 聴いてみてくださいね。



作者の小手鞠るい さんは、
1956年、岡山県生まれ。同志社大学法学部卒業。
22歳の時、やなせたかしさんが編集長を務める雑誌「詩とメルヘン」に初投稿した詩が入選、
1981年、第7回サンリオ「詩とメルヘン賞」を受賞。
1993年、第12回「海燕」新人文学賞を受賞。
2005年『欲しいのは、あなただけ』(新潮社刊)で第12回島清恋愛文学賞を受賞。
2009年、原作を手がけた絵本『ルウとリンデン 旅とおるすばん』でボローニャ国際児童図書賞を受賞。
2017年『アップルソング』(ポプラ社刊)がNHKラジオ第一放送「新日曜名作座」で1ヶ月間ドラマ化。
現在、アメリカ、ニューヨーク州に在住。詩、長編小説、エッセイ、児童書、絵本と様々な分野で 精力的に執筆活動を続けていらっしゃいます。


実は。
今年の3月、私が東京で 語りとピアノのコラボ公演をおこなう時に、小手鞠さんの作品
「きみの声を聞かせて」を演目にさせていただいたのですが、その際、
幾度もニューヨークの小手鞠さんとメールのやりとりをさせていただく中で、
この本「曲がり木たち」を教えていただきました。
拝読して是非、番組で朗読したいとお願いし、ご快諾いただいたのが、
今回の作品『 木を抱きしめて生きる 』です。

「きみの声を聞かせて」に登場する中学生の 星野葉香ちゃんと、どこか似ている
『 木を抱きしめて生きる 』の主人公 高校生の 斎藤 梢は、人間嫌い。
どちらも 動物、植物、小鳥、木、そして本を読むのが大好き。
昔の小手鞠さん自身を 色濃く反映している人間像のようです。

さらに、物語に登場する秋山さん...という老人は、実在の人物なのだとか。
後半に語られる疎開のお話は、秋山さんをはじめとする
経験者から直接、小手鞠さんが お話を聞かせていただいたことばかりで、

この経験談は、同じ原書房から、
『あんずの木の下でーーー体の不自由な子どもたちの太平洋戦争』として、
小・中学生向けのノンフィクションとして出版されています。

作中で「希望の友学園」となっているのは、世田谷区に実在した「東京市立光明国民学校 」
現在の「東京都立光明学園」のこと。


秋山さんの言葉を通して語られる世界は、反戦・平和の「命のメッセージ」に満ちているように感じます。
興味を持たれたかた、本でも ぜひ、読んでみてくださいね。

さらにさらに。
5月21日午前11時から、長野県千曲市 上山田温泉 にて
「旧 東京市立 光明国民学校 学校学童疎開 記念碑」の除幕式がおこなわれることになりました。

昭和7年、日本初の身体の不自由な学童のみを収容した寮舎・医療施設が設備 された養護学校が「東京市立光明国民学校 」です。
小説の中でも語られているように、太平洋戦争末期、大都市の子ども達は 安全と思われる地方へ学童疎開となりましたが、光明国民学校の生徒は疎開の対象とはならず、自分で考えるようにと放任されてしまった松本保平校長は困ったあげく、長野県上山田村へ要請し、受け入れてもらったとのこと。 
その絆を記念しての碑が建立され、披露されるのが、奇しくも この放送当日の5月21日。
偶然とはいえ、合縁奇縁を感じます。

弱者が犠牲となる戦争の過ちを繰り返さないように。。。

この物語を朗読させていただきながら、その思いを強く持った私です。

 

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今回の「木を抱きしめて生きる」
よろしかったら、ぜひ。
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たくさんのご感想を頂戴しましたので、転記させていただきます。

神奈川県 角ヨシさん

小手鞠さんの作品&もこさんの朗読、あまりにも素敵だったのでメールしちゃいました。
考えさせられるところがいっぱいありました。(身体的に不自由な方たちの思いが…)

とにかく詩が美しい。希望と勇気が湧いてくるような詩ですね。

もこさんの朗読もさすがです。

物語にぐいぐい入り込んで、最後の場面では大きな杏の木に包まれている梢ちゃんの姿が見えた気がしました。

これからも、いろんな作品を紹介してください。

 

山梨県 オガッチさん
「木を抱きしめて生きる」いいお話でした。。。

中でも「曲がっているから無限の可能性と夢がある」の一文に感動しました。

GOOD DAYの「あんな言葉 こんな言葉」コーナーに投稿したいくらい、いい言葉ですね。

ハンディキャップを このように考え、前向きに捉えていくのが とても心に響きました。

 

福島市 ザッキーさん

LISMO WAVEで拝聴しています。

もこさん、女子高校生役だけじゃなく、ご老人役も、いい味だしていますね。

都会の学童は、もれなく疎開したのかなと思っていました。

障害があると、疎開できなかったなんて。。。そんな悲しい歴史があったんですね。

私が住む福島県には、戦時中、政府の命令で強制疎開となり、その後、この地に定着した工場が多くあります。ザッキーが勤める会社が福島にあるのも、強制疎開がきっかけのようです。

工場の強制疎開も、軍需優先だったそうです。

強制疎開の反対側には、疎開を許されない学童がいたとは。。。

「曲がり木」は、本当に強いんですね。

社会では、規制とか、規格を決めて、それに合わないと、違反とか、不良品とされたりしますよね。規格や規制に合わせるため、曲がり木を矯正するように、自分のマイノリティーな部分を削ぎ落とすのは、辛いというよりも、もったいないなあと、本当はみんな思っているはず!

 

東京都世田谷区 下北みよちゃん

もこさん 初メールします。ピアノとストリングスに乗せる朗読が心地よく、うっとりと聴いております。

世界を見つめる 梢のまなざしが変わっていく様子を言葉だけで紡いでいて、語りの深遠な世界に驚いています。

喜びも苦しみも散りばめられた物語、楽しませていただきました。

 

大分県大分市 さらさん

小手鞠るいさんの「木を抱きしめて生きる」を聴かせていただきました。

自分の居場所、自分にとって心地よいところ…

見つけているときは、何も意識していないけれど、見失うと途端に不安になってしまうことが大人になった今もあります。

朗読を聴いているうちに、子どもの頃、毎日のように木にしがみついていたことを思い出しました。ずっと頬をくっつけていると、ゆっくりとした呼吸になって とても安心していたのでした。。。

あの時のように、そんな気持ちでいればいいんだよね。。。

そう思うと、肩の荷が一つ下りた気がします。

 

青森県八戸市 みくぽん

radikoプレミアムで聴いています。

『木を抱きしめて生きる』よかったです。

障害の有無に関係なく、人はみな『曲がり木』なのかもしれません。

曲がった木は無理にまっすぐになる必要がなく、あるがままでいいのですね。

曲がり木のまま自分なりに素直に生きていこうと思いました!

そして私も曲がり木で出来た公園のベンチに座ってみたいです(^-^)

小手鞠さんの一つ一つの優しい文章と、もこさんの素敵なお声が、私の心にゆっくり溶けていって、穏やかな気持ちになりました。

次週も楽しみにしています。

 

東京都世田谷区 ウランちゃん

もこ様 日曜の黄昏時、毎週ちょっと黄昏ながら聴いています。

「木を抱きしめて生きる」は、優しい表現の中に、人間一人一人の個性を尊重しながら生きることの大切さ、そして「平和」な世界を守ることが いかに大切かを教えてくれたような気がします。

自分とは違うところがあるからって、からかうんじゃなくて、たとえば、主人公の梢ちゃんが そばに居たら「なんでも右手で出来てすごいなぁ」って思えるような人ばかりだったらいいですよね。

人を大切にすること。それは、何よりも尊い「生命」を大切にすること。

皆がそのことを当たり前のように強く思っていたら、テロも戦争も起こらず、人々が平和に暮らしていけるのに…とあらためて気付かせてくれたお話でした。

サンセット・シアター、いつもいろいろと学ばせていただける素敵な番組です。

これからも期待しています。

 

東京都大田区

スーパーあずき32号

戦争で学童疎開がおこなわれていた事は学校の授業で知っていましたが、

その疎開は、当然のように子ども達全員が移動しているものだと思っていました。

戦時中、秋山さんのように、身体に何らかの事情を抱えていた方々が受けた圧は、計り知れないものかと思います。

そういった時代を生き抜いたからこそ伝えたかったことを、説教じみた感じではなく、優しく語る秋山さんは、きっと、笑顔の素敵なかたなんだろうなと、もこさんの声から想像していました。

秋山さんは梢ちゃんに話しかけていましたが、なんだかラジオを聴いている自分に語りかけられているような気持ちになりました。

当たり前のことが当たり前であることのありがたさ、

世界的に不安なニュースが多い毎日ですが、

秋山さんの想いを しっかりと忘れず過ごしていかないと、と想いました。

 

山梨県甲府市 なまけたろう さん

今日は小手鞠るいさんの『木を抱きしめて生きる』ということで、とても楽しみにしていました。以前、GOOD DAYの「もの語り」で小手鞠るいさんの作品を紹介されていたのを聴いて以来、気になっていたのです。

秋山さんの『あるがままっでいいのです』の言葉が印象的でした。

そして、今、世界の動きがとても不安で、もしかしたら日本も戦争に巻き込まれちゃうの?と不安な私。戦争からは何も生まれない。戦争反対!と あらためて心から感じました。せつなさと、優しさと、そして強さを感じた作品でした!

もこさん、ステキな作品をありがとうございました。

 

東京都板橋区 もとや さん 

いいですね。こうして、小説を「読む」のではなく、「語り」で聴ける。

何かしながら小説の世界に入り込めるラジオの良さを感じました。

本を読むのは好きですが、慌ただしい生活を送る中、本を手にとって読むのはハードルが高い時もあり、こんな感じで語ってもらえるのは嬉しいです。

今回、印象に残ったセリフは「悲劇の前の束の間の喜劇だった」です。

これを聴いて、なぜか思わず作業の手が止まってしまいました。お付き合いしていた彼も本心ではなかったかもしれませんが、別れることを選ぶ。を暗示するような「悲劇の前の束の間の喜劇だった」。

ホームページも拝見しました。次回は漱石なんですね。楽しみにしています。

 

神奈川県戸塚市 みえさん

とっても素敵な作品ですね!もこさんが語る、秋山さんと高校生の梢ちゃんの会話に、ものすごく引き込まれました!秋山さんが言った「ありのままで」が胸に刺さりました。

 

ラジオネーム コニーさん

聴き終わって、しばらく 梢さんと秋山さんの世界から帰ってこられないでいます。

なんらかの曲がり、ひずみを抱えながら生きてきた人が、その曲がり、ひずみを全て、何も言葉を交わさなくても受け入れてもらえる時、なにものにも代え難い喜びがあることと思います。そんな世界が言葉でも音楽ても余すところなく表現されていてまさに その世界に浸ってしまいました。

 不自由は自由。というのもまさにそうですね。不自由と決めつけているのは多くの いわゆる健常者なんだなと。この「手」は「足」は、私の言うことを聞かないという意味で とても自由に振る舞っている。そんな新しい気付きも得ることが出来ました。

素敵な もの語りのご紹介、ありがとうございます。またメール書きます。

2017年5月10日 (水)

5月14日放送 第二回は芥川龍之介『蜘蛛の糸』

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第二回放送は5月14日。今回 取り上げるのは、

芥川龍之介 作『 蜘蛛の糸 』です。

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芥川は、明治25年3月1日 東京に生まれ、昭和2年7月24日に 自死で亡くなっています。
35歳でした。
主に短編小説を多く書き、多くの傑作を残しています。

1918年に鈴木三重吉により創刊された児童向文芸誌「赤い鳥」創刊号に発表されたもので、芥川龍之介が手がけた はじめての児童文学作品ですね。

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お釈迦さまは、ある時、極楽の蓮池を通して下の地獄を覗き見ます。

さて、そこに見えた光景とは…


よろしかったら、ぜひ。
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追記:第三回の作品が長編だったので、オンエアで ご感想をご紹介することが出来ませんでした。
ここで、一部を掲載させていただきますね。

「蜘蛛の糸」の感想

 

ハルのただ飯さん
極楽の下にある地獄で蠢く中で、ひとりの男を救うためにお釈迦さまが垂らした蜘蛛の糸を男が登るが、無慈悲な行為で切れてしまう。
慈悲の心があれば、蜘蛛の糸は絶対に切れなかったであろう。
この物語は、自分が小学生の時、初めて文学に触れたともいうべき作品です。
ピュアな心が蘇りましたが、忘れないようにしないと、とあらためて思いました。

 

なまけたろうさん
芥川龍之介の「蜘蛛の糸」あらためて語りで聴いて、本当に良かったです。
人間の欲深さを感じましたぁ。みな生きていれば大なり小なり、それが態度や言葉に出るか出ないかの違いだとは思いますが、一度は必ず生まれたことのある感情だと思います。
しかし、仏様はちゃんと上っ面ではなく本心を見抜いていらっしゃる。
昨今、自分以外の誰かに優しく接することが出来ていますか?と問われているような気持ちにもなりました。
1回、2回とも男性作家でしたが、女性作家さんの作品も楽しみにしています。

 

タケゴンさん
蜘蛛の糸、妄想劇場で楽しみました。
聞き終わって、淀川長治さんふうに・・・

「地獄は嫌ですね。こわいですね。こわいですね。ホントにこわかったですね。
それにしてもお釈迦様はホントに助けようと思われたのかしら…
もしかすると、気まぐれだったのかもしれませんね。それもこわいですね。
地獄と極楽の情景、カンダタの心情を見事に朗読なさった小川もこさん
とってもステキでした(はぁと)
はい、お時間ですね。
それでは、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ〜〜♪」

の解説が心の中から聞こえてきました。

60年間、私が悪事に走ることがなかったのは、「法律」によるものではなくて、「悪いことをすると地獄に堕ちる。絶対にカンダタのようになってはいけない」と子どもの頃に思ったからで、いつ読んだか憶えていないけれど、読んで自分を律したことを思い出させていただきました。
じゃ、またね、またね、またね〜♪