本日の「宙のもりもり」。
今回は埼玉に行った模様をお伝えしました。
埼玉の中部にある鳩山町というところに行ってきました。
ここの、とある施設では、世界中の様々な情報を、宇宙から集めているんです。
その名も、「地球観測センター」。
地球環境問題と地球観測活動の意義をテーマに、観測技術、解析画像の紹介や利用分野、
未来の観測活動など、広い分野について知ることができます。
敷地内には巨大なパラボラアンテナが4基、立っています。

直径は11.5メートル。めちゃくちゃ大きいです。
横を向いていたアンテナが、上を向いたんですが、
宇宙からの情報を集める用意ができたという状態なんです。
入り口の受付で手続きをして、いよいよ入場。
人工衛星の模型や、大きな地球の模型があちこちに並んでいます。
どんな体験ができるのか、順番に見ていきましょう。
まず、地球のような丸い球体が5個並んでいる「地球誕生物語」という展示。
地球という天体がどのようにして生まれたのか、
簡単なナレーションとともに映像でもその様子を見ることができます。
地球誕生、微惑星衝突、海の誕生、生命の誕生、現在の地球と、
5つの段階で奇跡の星の誕生を体験します。
マグマによって雲ができて、雨が降り、水ができて、水中に生命が誕生し、
酸素で地球が満たされる・・・・
シンプルな展示なのに、地球誕生を語られると胸がジーンとしました。
地球観測センターという名の通り、地球の周りをまわる人工衛星に関する展示が多く、
模型の展示では、その形やネーミングのユニークさを感じ、同時に勉強もできちゃいます。
日本から打ち上げたもの、アメリカやヨーロッパが打ち上げたものなど、
すでに運用が終了したものや現役のものまで、たくさんあります。
水循環変動観測衛星は「しずく」という名称で、水蒸気や海面の水温、
土壌水分といった水循環の監視と、そのメカニズムを解明することが期待され、
およそ2トンという巨体を1.5秒間に1回転という速さで回り、
その状態で地球の周りも周り、すでに7年近くも活躍しています。
巨大な地球の模型を前にして、地球観測体験というシミュレーションでも遊べます。

ぐるぐる回る地球の模型に対して、コントローラーを操作して、
目的の地点のデータを収集するというもので、お子さんが体験すると喜びそうですね。
大人が見て、満足できるのは、先ほどご紹介した人工衛星だいちが撮影した地球の写真。
写真をつないで動画を見る要領で、俯瞰(ふかん)して地上を観測することができます。
鳥になった気分というより、人工衛星になった気分です。
本州を、北から南へと移動する様子は、本当に人工衛星の目で見ている気分です。
海岸線だったら、ああ、ここは東北だとわかっても、
関東地方に近づくと、ここはどこだ?と思うようになったり、千葉辺りに来ると、
明かに都会になってくるので、緑から灰色の世界が広がるという感じです。
日本以外には、オーストラリアの様子も見ることができます。
さらに、そもそも地球観測センターって何をやるところなの?ということを紹介するビデオもあって、
地球上の様々なデータがここに集まっているんだということがわかると、ただただ感心します。

センターの敷地はとても広大で、建物で入れるのは展示室のみですが、
敷地は自由に散歩できるので、巨大なアンテナの足元に行って、
その規模を体感することができます。宇宙を知ることは、地球を知ることでもある。
地球を知って、それを世界中の人とシェアできる、そんなことを実感できる施設だと思います。
年末年始や不定期に行われる保守点検の日を除いて、毎日午前10時から4時半まで、
無料で見学ができる地球観測センター。
あらかじめ予約をすると、ガイドさんが見学のお手伝いをしてくれます。
大人数で遊びに行く際は、覚えておくといいでしょう。
そして、ゴールデンウィーク明けの5月11日(土)は、春の一般公開があります。
通常の展示室の公開のほか、通常は見られないセンターの内部設備を見学できます。
春と秋のみの公開なので、貴重な体験ができますよ。
JAXAの施設の一つ。今、一番ホットな場所、埼玉で宇宙を身近に感じてください。
森雄一