9月3日放送 第十八回は山本周五郎 作「とうちゃん」
(撮影:Takegon)
『 パナホーム山梨 presents SUNSET THEATER 』
ご案内役の 小川もこ です。
毎週、日曜日の17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー
サンセットタイムにお届けする この番組は、
私、小川もこ が 日本文学の名作をセレクトし 朗読させていただきます。
第十八回放送は 9月 3日。今回 は、
山本周五郎が書きました、「とうちゃん」です。
山本周五郎は、サンセットシアター二度目の登場ですね。
山梨県は大月市出身の周五郎、今年が没後五十周年となりましたが、
「樅の木は残った」や「赤髭 診療譚」など数々のベストセラーを持つ、日本を代表する作家の1人です。
今回は、昭和の30年代頃の貧しい市井の人々を描いた小説です。
『季節のない街』という短編小説集に収められていますが、元々は、
1962年(昭和37年)の4月1日から10月1日まで朝日新聞に連載され、
単行本は同じ年に文藝春秋新社から、文庫本は1970年に新潮社から刊行され、
ロングセラーとなっている短編集です。 この『季節のない街』は、
1970年に公開された黒澤 明監督の映画『どですかでん』の原作ともなってますね。
私は、先日、甲府の山梨県立近代文学館へ「山本周五郎 歿後50年 特別展」を訪れた際、
近代文学館のショップで 6冊の山本周五郎の短編集を買い求めたのですが、
その中の一冊で、とても心打たれてしまいました。
それは、「風の吹溜まりに 塵芥(ちり あくた)が集まるようにできた貧民街」を舞台に、
様々な人間が七転八倒しながらも、ぎりぎりの生活を乗り越えようとする、オムニバスストーリー。
この「街」に暮らす人々は、貧乏だけれど、哀しいほどに 滑稽で せつない日々の暮らしの中から
やがて、人間の本質的な部分、大切なものが見えてくる、そんな話ばかりです。
その中の一編である『とうちゃん』。
5人の子どもの父親で、もうすぐ6人目の子どもも産まれてくる 主人公の良さん。
彼の生き方に、
あなたは、どんなことを感じるでしょうか。
ご感想を お待ちしています。
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【 頂戴した御感想 】
オガッチさん:
お恥ずかしながら、山本周五郎 作品は このサンセット・シアターで初めて触れさせていただきました。
「とうちゃん」は、とても人間味あふれる物語ですね。
人間の幸せは富やお金じゃない、ということを感じさせてくれます。
周五郎の言葉に、
「この世で生きていくということは、損得勘定じゃぁない。短い一生なんだ。
自分の生きたいように生きるほうがいい」とありますが、まさにその通りだと思います。
タケゴンさん:
タイムフリーで聴きました。
「とうちゃん」は いい人なんだけれど、かあちゃんがダメダメで感想に困ります。
が、ボクが生まれる少し前の時代、昭和の前半は 今のモラルとは違ったモラルがあったのだと思います。
ここでのエピソードは とてもダイナミックですが、
ボクの両親は比較的 普通な人たちで、ボクはもっと普通な人に育ちました。
複雑な家庭環境の中で育った両親なので、子どもは普通に育てたかったのかもしれません。
放送を聴いて、父ちゃんと母ちゃんの子どもで良かったと しみじみしています。