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2018年12月 4日 (火)

12月 9日放送 第八十四回は アンデルセン作『もみの木』

Photo (柚子ジャムさん撮影)
『 パナホーム山梨 presents SUNSET THEATER 』

ご案内役の 小川もこ です。

毎週、日曜日の17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー
サンセットタイムにお届けする この番組は、
私、小川もこ が 名作をセレクトし 朗読させていただきます。

今回 朗読するのは、アンデルセンの書きました「もみの木」です。10
デンマークの国民的詩人で作家のハンス・クリスチャン・アンデルセン。

1805年4月2日、フュン島の都市オーデンセで、22歳の靴屋の父と、
少し年上の母親の間に誕生したアンデルセンは、11歳のときに父親が亡くなると学校を中退、
15歳でオペラ歌手になろうとコペンハーゲンに行きましたが、挫折。
その後デンマーク王などの助力で教育を受け、1828 大学に進学、文献学と哲学を学びました。
その後、各地へ旅をし、数々の旅行記を著し、デンマークに戻ってきた1835年、
最初の小説『即興詩人』を出版します。
同年『童話集』を発表するも、当初はむしろ不評であったといいます。

43年からパリを訪問。この頃には名が通っていたため、
バルザック、ヴィクトル・ユーゴー、アレクサンドル・デュマ父子、ハインリヒ・ハイネなどの
有名人多数と交友しました。

以後死ぬまで約40年で150余編の童話を書いています。
生涯 独身(未婚)であったアンデルセンは、1875年、肝臓癌のため死去。70歳でした。

アンデルセンは、グリム兄弟と共に  童話文学の始祖として並び称されていますが、
アンデルセンの童話は、グリム童話と違って、オリジナル、創作童話の多さが特徴です。

今日、お届けする童話「もみの木」は、1844年12月21日、デンマークコペンハーゲンで出版された
「新童話 第1巻 第2冊 1845 (Nye Eventyr. Første Bind. Anden Samling. 1845.)」に掲載されました。

このお話は、どちらかというと、大人に向けた童話といえるかもしれません。

物語の主人公は、大きくなりたいと願っている ちいさな もみの木。

この もみの木は、もっと大きくなりたい もっと大きくなりたいと強く願うあまり、
今、生きている瞬間 瞬間を大切にすることができないでいます。

もみの木は、空想家で、うぬぼれが強くて、気弱で、落ち着きがなくて、
希望と失望の間で、振り子のように揺れている存在。


この 可愛そうな もみの木の、満たされることのない気持ちに、
なんだか シンパシーを感じるかたも多いのではないでしょうか。

あなたのお家に、もしもクリスマスツリーとして もみの木を飾っていたら。

      それを人格を持った存在として 今夜 眺めてみませんか?

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【追記】
富士川十兵衛さんより、御感想をいただきました。
「もこさん、こんにちは。
放送、仕事が休みだったこともあって車の中でゆっくり聴くことが出来ました。

聴いてた場所は なんと沼津。沼津からもクリアに聴ける場所がいくつかあります。

まず自分が感じたことは、成長を急ぐことでそのあいだのプロセスに気付くことが出来なかったもみの木、更に育った場所の大切さを改めて実感することが出来ました。

これって自分にも言えることだな...なんて改めて感じましたね。

成長していく過程で、良いこと、悪いこと様々なことがあります。

クリスマスの大役を終えて、ネズミたちに生まれ育った森の話をするもみの木、
そんな話をしているところで、改めて森にいたときがいちばん幸せだったと気づかされるんですよね。

最終的に、もみの木は小さく伐採されて燃やされてしまうわけですが、なんか切ない終わり方だったように思えます。

与えられた時間の中で人生を楽しむことが出来るか。
これって今生活している自分を含めたすべての人々の永遠の課題だと思います。

これから先、辛いことも多々あるかもだけど、自分も可能な限りエンジョイ出来るように日々精進します。