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2018年10月16日 (火)

10月21日放送 第七十七回は 宮沢賢治 作『セロ弾きのゴーシュ』

5 (富士川十兵衛さん撮影)
『 パナホーム山梨 presents SUNSET THEATER 』

ご案内役の 小川もこ です。

毎週、日曜日の17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー
サンセットタイムにお届けする この番組は、
私、小川もこ が 名作をセレクトし 朗読させていただきます。


第七十七回放送は 宮沢賢治 作『セロ弾きのゴーシュ』です。

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宮沢賢治は、1896年(明治29年)に生まれ、1933年(昭和8年)に亡くなった詩人であり、童話作家です。
賢治は、仏教信仰と、農民生活に根ざした創作を行っていきました。

「セロ弾きのゴーシュ」は、賢治が亡くなった翌年の1934年に発表された作品です。

町の音楽会で演奏するため練習をするゴーシュは、音楽団の楽長に下手だと叱られてしまいます。
この、ゴーシュという名前は、フランス語で「不器用な」という意味に由来するという説もあります。

さて、家に帰って、深夜、一所懸命に練習に励むゴーシュのもとに、毎夜、毎夜、動物たちがやってきます。

猫、かっこう、タヌキの子、野ねずみの親子…夜ごと、ゴーシュの家にやってくる動物たちとの交流を通して、最初は、動物をいじめていたのが、次第に謙虚さと慈悲の心がめばえ、ゴーシュは、セロを演奏する音楽的な腕だけではなく、真に音楽を理解できる青年へと、人間として成長していく様子が感じられて、微笑ましいと同時に頼もしくも思えてしまいますね。

実は、宮沢賢治は、実際に農民楽団をつくって、自分の書いた詩に曲をつけて演奏をすることを目指していました。

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1926年に賢治は自分でチェロを買って、練習もしていたようです。
けれども、お世辞にも上手と言える腕前ではなかったとか。

ゴーシュは、賢治そのものだったのかもしれませんね。

この宮沢賢治が使用したチェロは、岩手県花巻市にある宮沢賢治記念館で大切に保管され、機会があれば演奏してもらえるようにと修復されて、1996年、宮沢賢治生誕100年の際には、花巻市は世界的チェロ奏者ヨー・ヨー・マを招いて、演奏会を開催、また、
2016年の賢治生誕120周年の記念イベントでは、チェリストの藤原真理(まり)が演奏しています。

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【 追記 】
御感想をいただきました。

埼玉県の ポンコ2さんから:
「セロ弾きのゴーシュ」、録音して3回 聴かせていただきました。
初めて知る話ではなかったのに、今回、かっこうが気になって仕方なかったからです。
私は最近、自分が かっこうのような立場になったことがありました。
相手は私のために、良かれと思ってしてくれているのに、歯車が噛み合わなくて噛み合わなくて...
だから、最後の一文が、まるで私に語られているようで沁みました。