屋内でまったり宇宙~★
雨模様であっても宇宙の世界に浸れる、屋内で楽しむ宇宙。
東京の表参道にある「宇宙かふぇ」は、
いつでも日中から宇宙を感じることができるスポットです。
多くの若者や外国人でにぎわう表参道は、
原宿や渋谷も近く、夜になっても街は煌々と輝いていますが、
宇宙かふぇは表参道ヒルズの裏にあり、
華やかな表通りとは裏腹に、とても静かで落ち着いています。
なんとこれが宇宙かふぇ。キャンピングトレーラーがカフェだなんてびっくり。
田口智之さん、千恵さんご夫婦が営む宇宙かふぇは店内8席&テラス6席と、とてもコンパクト。
去年9月にオープンしたばかりですが、ここを偶然通りがかった人は必ずといっていいほど、
お店の写真を撮っていきます。
シルバーのボディに丸い面構え。これは宇宙船に見立ててあります。
しかも、このキャンピングトレーラー「エアストリーム」は、新品ではピカピカのボディですが、
かなり年季が入ったように見えます。
お話しをうかがってみると、1969年製。
あえてその年のモデルを手に入れたそうですが、
この年、アメリカがアポロ11号を初めて月面着陸に成功させました。
宇宙かふぇには、メニューや内装など、どこまでも「宇宙」にこだわっています。
キャンピングトレーラーも、ご夫婦で汗水たらして改造に改造を重ね、
快適に過ごせるカフェへと変身させたんです。
別の角度から見てみましょう。左奥にちらっと見えるのが表参道ヒルズ。
長さ7〜8メートル、幅は2メートルほどでしょうか。3分の1は厨房。
残りがお客さんのスペースですが、テーブル2つに椅子が4つ、そしてソファ。
宇宙系の雑貨や天体望遠鏡、天文雑誌やマンガなどが置いてあって、
まるで天文ファンのお部屋に遊びにきた感じ。
私がうかがった日は、2組のお客さんが来ていて、私は3組目、ギリギリ入ることができました。
隣のお客さんと距離が近いので、思わず声をかけてしまいましたが、
構えることなく自然に打ち解ける感じがしたのは、同じ「宇宙好き」だから![]()
ふと窓を見ると、面白い言葉が書いてありました。
The Galaxy of the people, by the people, for the people.
アメリカのエイブラハム・リンカーンが残した有名な言葉。
「政府」を「銀河系」に置き換えるだけで、とても深い、
宇宙かふぇらしい主張だなと感じました。
軽食は、ハンバーガーやパンケーキといった軽食あり、
ワインやビールと一緒におつまみにもいただけます。
ドリンクは、星形のラテアートが施してあるカフェラテをはじめ、
オレンジジュース、子ども用にミルクなど、カップルでも家族でも過ごせる空間です。
ちなみに、私は「宇宙かふぇバーガー」と、カフェラテをいただきました。
確かに食べにくい!でも、そういうものなんです(笑)。
無重力空間だともっと難しい![]()
バーガーは、「重力を感じろ」がキャッチコピーで、
普通は形の整っているパティをバンズで挟みますが、
パティは固めていないので両手でしっかり持っていてもボロボロ落ちてきます。
これぞ、重力を感じろ!ということなんです。
星形のラテアートも、なんか形を崩すのがもったいないくらい。
お隣の女性2人組は、パンケーキとドリンクのセットを召し上がっていましたが、
ロケットの形をしていたり、宇宙人が描かれているなど、遊び心満載で、
しかも宇宙がしっかりと描かれている、なかなかユニークなメニューです。
多くの人に、もっと気軽に宇宙に触れてほしいという気持ちから、
このようなユニークなカフェをオープンしたタグとご夫妻。
見て、食べてだけで終わらせず、
毎週水曜日の夜には「宇宙はトークナイツ」という集いを開催しています。
宇宙好きが集まって、ゆるい宇宙トークを繰り広げる、誰もが参加できるもの。
宙(そら)ガールには、「宇宙女子会」と題した、不定期イベントもあります。
実際に星空をみんなで見ようと、観望会も行っています。
表参道という場所柄、果たしてどれほどきれいに見えるか、興味津々ですが、
月、惑星、一等星、都会のど真ん中でも見えるものはあるんです。
7割が女性客だそうですが、Facebookやツイッターを通じて、
知名度はどんどん上がっています。
お客さんの多くが「かわいい」と感想を残すなど、
田口夫妻の思い描いていた「身近な宇宙」は確実に浸透しているようです。
田口ご夫妻の夢は、宇宙かふぇや独自イベントなどを通して、
お客さんに宇宙を身近に感じてもらいたい、いつの日か、
「あの日、宇宙かふぇに来たから、宇宙飛行士になったんです」という人が
あらわれたらいいなぁと・・・表参道に、小さな宇宙への入り口を見つけました。
「宇宙かふぇ」、
午前11時から午後10時まで営業しています。
火曜日は定休日です。

