鉄ちゃん道~富士急行編~
昨年、富士山が世界文化遺産に登録されて以来、特に乗客が増えているという富士急行。
路線の名前にも、駅の名前にも「富士」とあるように、
外国人にもとても分かりやすい鉄道会社といえるでしょう。
そして、鉄道ファンにとっても、富士急行の列車はワクワクするものが多いんです。
私もこれまで何度も富士急は利用しています。
今回は初めてフジサン特急に乗ってみました。
先頭車両からの眺望はいかほど?運転士よりも前っていいですね。
大月駅と河口湖駅間、駅の数は18、特急が止まるのは5駅。
富士急行の最大のウリと言ってもいいのが、バラエティに富んだ車両ではないでしょうか。
いつ駅に行っても、違った車両に出会えるのが特徴だと思います。
この夏は、成田空港からJRの成田エクスプレスが乗り入れることでも話題になっています。
フジサン特急には、独自のキャラクターが所狭しと描かれ、目が離せない!?
取材中、こんな車両も見かけましたよ。
鉄道ファンからすると、どこかで見たことのある車両だなあと気づくはず。
代表的なのはフジサン特急でしょう。
2001年まで東京—長野間を走っていたパノラマエクスプレスアルプス号は、
塗装を変えて今は山梨の線路を走っています。
進行方向前方には客席が並び、運転席はその後ろ。
観光に特化した車両として一つの時代を作りました。
今は、富士山をのぞむという、最高の眺望で活躍しています。
さらに、かつて新宿—高尾間を走っていた京王線の5000系も富士急行にやってきて、
様々なデザインがほどこされて走っています。
その他、山手線や京浜東北線で活躍していた205系も富士急行で走っているんです。
時間によっていろんな車両を見ることができる、富士急行にはこんな魅力があります。
富士急行の若手鉄道マン、山本浩平さんにいろいろお話をうかがいましたが、
富士急行の路線は緩やかに登って行って、かつカーブが比較的多いので、
マックスのスピードは時速60キロだそうです。
観光列車の意味合いが強い路線だけに、
このスピードは景色を楽しむにはぴったりだと思います。
フジサン特急内には大型モニターがあって、現在の標高がリアルタイムに表示されます。
富士山駅に到着した時に見てみると、標高809メートルでした。
車内ではキョロキョロしていいんです。
普段利用している車両と何が違うのか見つけてみよう!
道中、リニア中央新幹線の見学センターの看板を見つけました。
大月駅を出て2つ目の田野倉駅と禾生(かせい)駅の間に
「リニア見学センター」があり、リニアの実験線が走る高架橋と富士急行が交差します。
「交差」という視点で言うと、東富士五湖道路とも交差する地点もあります。
三つ峠駅を出てからすぐに、「晴れていれば左側に富士山が見えます」という
アナウンスがありましたし、下吉田駅には、
かつて東京と鹿児島を結んでいたブルートレイン「富士」の車両が展示されていました。
富士つながりですね。
富士山駅に到着すると、残る停車駅は2つ。
富士急ハイランド駅、河口湖駅、こちらに向かうにはスイッチバックで進んで行きます。
鉄道ファンには嬉しいスイッチバック。山梨でも体験できます。
この駅に来れば、富士山に登ったも同然?
改めてフジサン特急を見てみると、いろんなかわいい富士山のイラストが描かれています。
一番人気の「フジサンクン」を始め、「ムッシュフジ」、「フジホッペ」、「ネムリフジ」、
「フージー」、「フジッパー」などなど、こんな遊び心あふれる車両はなかなかありません。
現在、フジサン特急は1編成ですが、この夏から小田急電鉄のロマンスカーRSEを導入して、
もう一つのフジサン特急が導入されます。
それに合わせて、新たに考案された富士山のイラストを含め、
151のイラストから、車両に描かれる50のフジサンキャラを選ぶ総選挙が先日、実施されました。すでに結果は発表になっていますが、先頭車両に描かれるのはどれか、
はたまたこれまで人気のあったキャラは再び描かれるのかなど、
鉄道ファンを巻き込んで楽しい展開がこの夏にあります。
富士急行のフジサン特急のホームページでは、
「フジサン特急キャラ選挙、結果発表のうた」を聞くことができます。
これを歌いこなせば、フジサン名人になれるかも。
富士急行は、鉄道運営だけではありません。
富士山の山梨県側五合目「富士急・雲上閣」も富士急行が運営しています。
「ちょっとお洒落な山のファミレス」をコンセプトにしたレストランでは、
料理家・栗原友さん監修のこだわりメニューを提供し、
標高2,305mでのお食事を楽しむことができます。
宿泊スペースではプライバシーを確保したカプセルホテルスタイルの客室を新設、
休憩にも利用できるよう、時間貸しシステムを導入するそうです。
他にも、登山開始直前になるので、栄養補給に配慮した食事メニューの提供や
登山に役立つアイテムの販売も行うそうです。
富士登山前には、必ず寄って下さいね。