先週、金曜日に突然飛び込んできたショッキングな天文ニュース。
アイソン彗星が消えた・・・・・
順調に進んでいれば、今週から肉眼でも見え始めていたであろう「ほうき星」。
今となっては、その残骸すら見ることができません。
でも、アイソン彗星と同じく、明けの空を駆け巡るラブジョイ彗星が
かなり明るくなってきたようです。
今年9月に、アマチュア天文家のラブジョイさんが発見したので「ラブジョイ彗星」。
今月22日に地球に最も近づいた後、離れていくそうで、
これもアイソン彗星同様、二度と戻ってこないと考えられています。
今年も残すところ4週間弱。
10日と25日は半月、17日は満月となります。
おとといは新月だったので、現在、月は明るさを取り戻すべく、
三日月から半月へと変化しているところです。
昨夜は日没後に西の空にかすかに見えていたお月様。
今日と明日の日没後は、この時期の一番星、金星のすぐ近くに見えます。
4時半が日の入りの時間ですから、5時にもなれば辺りは暗くなってきますね。
南西の方角、高度は20度から30度といったところ。
特に角度を測らなくても、とても明るい金星と、それ以上に目立つお月様ですから、
是非とも見つけていただきたいと思います。今夜の月の入りは夜7時過ぎです。
今日から一週間のお天気をチェックしてみましたが。
雨や雪の降る確率は低く、まずまずの星見日和となりそうです。
そこで、アイソン彗星がいなくても、早起きして見つけてみたいラブジョイ彗星。
鑑賞のポイントは、夜明け前、午前5時頃から6時くらいまでと言っておきましょう。
明日のラブジョイ彗星は、東北東の空、うしかい座とかんむり座の間にあります。
ひしゃくの形をした北斗七星の柄の部分を、弧を描きながら延ばしていくと最初にぶつかる、
オレンジ色の明るい星がアルクトゥールス。
そのアルクトゥールスの左側には野球のホームベースを横倒しにした形の五角形があります。
バッター側である先のとがった方が左側、そのすぐ下あたりにラブジョイ彗星が見えます。
または、北斗七星の柄の部分に当たる一番端の星からほぼ真下、と覚えていてもいいでしょう。
4等星くらいの明るさになっているといいますから、
街明かりの少ないところでは肉眼でも見えるかもしれません。
双眼鏡があれば見つけられる可能性はさらに上がります。
6時くらいにラブジョイ彗星が見つけられたら、視線を少し南に向けると、
南東の空に水星と土星が見えます。
少し高い位置にあるのが土星、その下が水星。
南の空には火星、そして西には木星と、この時期、ほとんどの惑星が見えます。
また、今週末には金星が最も明るくなります。その光度はマイナス4.7等。
最も明るい恒星であるおおいぬ座のシリウスがマイナス1.5等星ですから、
本当に明るく、まだ青空であっても金星は見えます。
夜7時くらいまで見えているので、忘れずにチェックして下さい。
週が明けて12月9日(月)、この日は日没後、国際宇宙ステーションが甲府から見えます。
午後6時31分から33分までと短いですが、西南西の空から西の空へと、高度は40度くらい。
次の日、10日(火)はもっと長時間、見えます。
午後5時41分から46分まで、南西から北東の空へと進んでいきます。
10日はほぼ天頂を通っていくので、この一週間では10日が一番良く見えるはずです。
若田宇宙飛行士が搭乗してからまだISSを見ていないという人は、
是非、家族、お友達と一緒にみて下さい。
10日のお楽しみはもう一つあります。お月様は上弦の月、半月です。
今年最後の上弦の月は日付が変わる頃に沈んでいくので見つけやすいですよ。
そして、今週からもしかしたら見えるかもしれないのが、年末恒例のふたご座流星群。
極大日は14日(土)ですが、その前後は見えるはずなので、今週からチェックするべきでしょう。冬の星座であるふたご座は、午後7時頃から見え始めます。
オリオン座が東の空に見えてきたら、その左と覚えておいて下さい。
極大日の14日は比較的近くに、丸くなりつつある月があるのでちょっと邪魔ですが、
今週辺りから根気よく粘ってみて下さい。
個人的にはまだアイソン彗星ショックから立ち直っていませんが、
ラブジョイ彗星が見られれば少しは気が晴れるかなと思っています。
そういえば、山梨県立科学館でラブジョイ彗星の観望会が行われます。
7日(土)の午前4時45分から、会場は山梨県立科学館の展望テラス。
行けそうな人は、事前に問い合わせをして行ってみてください。
さあ、あなたも明日から早起きして、ラブジョイ彗星を見つけてみましょう。