森雄一の週一エッセイ 第24回「スポーツと音楽」
秋晴れという言葉があるように、10、11月は晴れの日が
多いとされる。全国的な運動会の数からいっても明らかだ。
スポーツの秋ともいうが、大人になると「やる」よりも
「見る&聞く」方が圧倒的に多くなる。世代的にスポーツ
と言えばヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの「スポーツ」
というアルバムが思い浮かぶ。全9曲でシングルヒット5曲。
同時期にヒットしたマイケル・ジャクソンの「スリラー」に
負けず劣らずといった存在感があった。しかし思い起こせば、
どこがスポーツなのだと思うくらい「らしい」曲は1曲も
なかった(汗)。
「見る」スポーツではNHK大河ドラマの「いだてん」や
TBS「ノーサイド・ゲーム」など、スポ根ドラマはいつの
時代もあるものである。来年のNHK朝ドラは小関裕而の
妻・金子がメインキャラクターだとか。小関裕而、名前を
知らなくても彼の残した曲を聞けば、誰もが「ああ!」と
声をそろえることだろう。巨人の応援歌「闘魂こめて」、
阪神の応援歌「六甲おろし」は同氏の作だ。今シーズンの
CSは両チームの争いになる。さてどちらが日本シリーズに
進めるのか。
高校野球の大会歌「栄冠は君に輝く」、聞けば思わず両足が
動いてしまう「スポーツショー行進曲」などなど、スポーツ
音楽といえば古関裕而。そう、スポーツを、より印象付ける
には音楽が欠かせない。野球やサッカーファン&サポーター
がスタンドから奏でるリズム。野球選手が打席に立つ際、
選手セレクトの音楽が流れたり、キックオフ前に様々な定番
ソングが観客の気分を盛り上げてくれる。
秋のGIシリーズが始まり、競馬場に行けばファンファーレ
がいかに観客の気持ちを鼓舞するか実感することができる。
日本の競走馬には名づけにいくつか条件があることをご存知
だろうか。わかりやすいところでは、カタカナで9文字以内
というもの。ナリタブライアンやディープインパクト、オグリ
キャップなど(古い名前ばかりでスマヌ)、馬主の気持ちが
こもっているものなのである。馬名にスポーツが関係するものも
ある。1988年のマイル王に輝いたのがサッカーボーイだ。後に
種牡馬となって引退後も活躍した。ブルーイレヴン、キックオフ、
オフサイドトラップ、ゲットアゴール、ハットトリックなどなど、
サッカー好きの馬主のこだわりが感じられる。
日本でW杯開催中のラグビーを見て、サッカーとの類似点を
いくつか見つけた。開始はキックオフ、反則にはオフサイド、
反則後の再開にはフリーキックやペナルティキックがある。
馬名で言えば、サッカーボーイ同様、種牡馬にもなったあの馬
を忘れてはいけない。ラグビーボールだ。ボーイじゃなくボール。
デビュー前、あっちへこっちへ行ったりと、落ち着きない様子に
ラグビーボールと名付けたという。探せばラグビーから派生した
馬名はもっと見つかるだろう。
大会前、目標に掲げ、それを実現しそうなラグビー日本代表。
代表を長年支えてきた大正製薬「リポビタン」のCMソングと
して、B’zの「兵、走る」がラグビーを象徴する曲に定着しそう
である。運動会の定番曲にもなるのだろうか。