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2019年8月15日 (木)

森雄一の週一エッセイ 第16回「しゃぶりつくす」

「食べつくす」よりも「しゃぶりつくす」の方が伝わりやすい。

そう思って、今回はあえてこのタイトルにした。

空き時間につい投稿動画を見てしまうことはあるもので、スマホを

持たない私でも、パソコンを使っていて動画サイトを立ち上げ、

見てしまうものの一つが「大食い動画」である。動画を公開する

のは若い女性が多いようで、ルックスと大食いのアンバランスさが

人気の秘密のようだ。

この値段で、このボリューム。コスパ高い・・・高すぎだろと

思うものの、誰でも同じようにとはならない。でも、2,000円程度、

いわゆるテラ盛り系を完食できたとしても、おなかを満たすだけの

ことならワンコインで事足りる。じゃあ500円で妥協するのか。

否!

2,000円のテラ盛りを食すのならば、それなりの楽しみを見つければ

いいのだ。他人からの視線、たっぷりの食事、満たされすぎる腹、

1,500円プラスするだけで人生をより充実させることができるのだ。

 

私の認識する限り、「タイタニック」という映画で、わざわざ何度も

映画館に足を運ぶ人が続出し、リピーターと呼ばれるようになった

記憶がある。最近では「君の名は。」、「ボヘミアン・ラプソディ」

などがそうで、少し待てばブルーレイ等が発売されるのだから、

パッケージを購入する、つまりは最低限の支出で、心行くまで自宅で

たっぷり味わえるのだ。これってコスパが高いということではないか。

ここで、コンサートと映画で比較してみよう。歌手・安室奈美恵の

ファイナルツアー(2018年)のチケットは税込み9,800円だった。

それを収録したブルーレイの値段は税込み8,800円。ほぼ同額である。

 

一方、京都アニメーションが制作した水泳アニメ作品、「特別版Free!

-Take Your Marks-」(2017年)ブルーレイの値段は、税別で7,800円。

映画観賞は、通常で大人1,800円であることを考えると、パッケージが

高額であると感じてしまう。つまりは「コスパが低い」と。しかし、

コンサート、映画、ともにパッケージには、本編以外にいろいろ特典が

あるのを忘れてはいけない。購入店舗ごとにもらえるグッズが変わって

きたり、Free!については私は購入したので詳しく見てみると・・・・

・映画の台本(これ、まぢですごいんですけど)

・特製のデジパック(イラスト入りのプラスチックジャケット)

・描き下ろしコレクションカード(同様のカード等6枚入り)

・映画解説ブック(小型のパンフレットだ)

・イベントチケット優先申込み券

などが、パッケージを開けて手にすることができるアイテム類だ。

 

ディスクをハードに挿入してみよう。トップ画面でスペシャルとある。

そこを開くと、予告&CM、ノンテロップオープニング&エンディング、

アニメキャラクターによる舞台挨拶映像、声優舞台挨拶映像といった

特典映像が81分もあるのだ。本編は108分だから、それに匹敵する

くらいのボーナス映像があることになる。それだけでは終わらない。

同トップ画面でオーディオ設定もできる。ここはあまり気にする人が

いないかもしれないが、今日のタイトルである「しゃぶりつくす」

ためには、ここに気づけなければダメだ。

音声を2.0ch、5.1chと選択でき、ヘッドフォンで推奨する視聴モード、

さらにオーディオコメンタリーといって、キャストや製作スタッフに

よる解説や雑談を聞くことができるのだ。対象画面でのこぼれ話、

声優のアフレコの様子、技術屋が語る映像へのこだわり等、目では

本編を追って、耳では新しい世界を体験できる。件のFree!では8人の

声優によるリレートーク、監督やキャラクターデザイン、演出、色彩

担当者などによるトータル10人のリレートークで、2パターン用意

されている。他にも字幕をあえて入れてみたり、時間はかかるが、

何度も、様々なアプローチで楽しめるのだ。

洋画では、各国言語の字幕、吹き替えありorなし、作品によっては

監督や出演者がこぞってオーディオコメンタリーに出演し、ご丁寧に

字幕まで付いているものもあるなど、こちらも楽しみ方は多彩。もし、

パッケージそのものを格安で購入できたなら、ぜひしゃぶりつくして、

これぞコスパ最強という楽しみを追求してほしい。

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