宇宙を旅してきた宇宙桜
本日、金曜日Yes!Morningの「宙のもりもり」。
桜の開花シーズンなので、宇宙と桜に関する話題を取り上げました。
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宇宙と桜、共通の話題とは何だろう・・・
先日、この問いを家族にぶつけたら、「桜色の星がある」、
「小惑星の形が、桜の花びらに似てる」といった答えが返ってきました。
他にも、桜と名の付く人工衛星があるとか、
宇宙飛行士の名前に桜が入っているなんて想像もできますが、
今日は、山梨にもある、「ある桜」の話をしたいと思います。
それは、宇宙桜と書いて、「そらざくら」、と読みます。
簡単に言えば、宇宙を旅してきた桜の種を地球に持ち帰り、地上に植えたものです。
11年前の2008年11月、北海道から沖縄まで、13地域の名木14種から集められた桜の種を、
宇宙飛行士の若田光一さんがISS国際宇宙ステーションへ運び、
およそ8カ月後、若田さんと桜の種たちは地球に帰ってきました。
その種は、一部を除いて元あった場所へと戻されました。
覚えている方もいらっしゃるかもしれませんが、成長がとても早いことがニュースになりました。
通常は、開花まで10年かかるところ、たった3~4年で開花したというものでした。
山梨県内でも宇宙桜(そらざくら)を見ることができます。
とっても有名な桜スポットで見ることができるんです。
北杜市・武川町(むかわちょう)の実相寺境内にある、山高神代桜。
エドヒガンという品種の神代桜は、ソメイヨシノと違って種ができます。
その種が宇宙を旅して、日本三大桜の近くで成長しています。
種をまいて7~8年ということですが、すでに花をつけるまでに成長しています。
さっきも言いましたが、通常は10年くらいかかってようやく花が咲くものなのに、
宇宙帰りの神代桜は3年くらいで花を咲かせたそうです。驚きですよね。
さて、そもそも宇宙を旅した桜は14種。
日本三大桜は外せないと、山高神代桜のほか、
- 岐阜県本巣市(もとすし)の根尾谷淡墨桜(ねおだにうすずみざくら)
- 福島県三春町(みはるまち)の三春滝桜
- 岐阜県岐阜市の中将姫誓願桜(ちゅうじょうひめ・せいがんざくら)
- 高桑星桜(たかくわほしざくら)
- 京都府京都市の祇園枝垂桜(ぎおんしだれざくら)
- 秋田県仙北市(せんぼくし)の枝垂桜(しだれざくら)
- 岡山県真庭市(まにわし)の醍醐桜(だいござくら)
- 北海道旭川市のミヤマザクラ
- 苫小牧市のオオヤマザクラ
- 鹿児島県奄美市のシロバナヒカンザクラ
- 沖縄県名護市のヒカンザクラ
- 高知県佐川町(さかわちょう)のワカキノサクラ
- 高知県仁淀川町(によどがわちょう)のひょうたん桜、以上の14種です。
それぞれが宇宙を経て、地元に戻り、すでに花を咲かせています。
若田宇宙飛行士が地球に持ち帰ったのが2009年。
10年前ですが、さっきも言ったように、このくらいの時間がかかって、
普通は花を咲かせるものなんですが、早いものは3~4年で開花しているというものなんです。
昨年4月、東京都心でも、この宇宙桜(そらざくら)が植樹されました。
高知県のワカキノサクラ、東京都多摩市に寄贈されたもののうち、一つを渋谷の、
とある一画に植えました。
植樹された日、取材をしまして、その模様は昨年のこの時期に番組でも取り上げました。
植樹されたものは、確か1メートルもなかったと思うんですが、
この前の火曜日、どれくらい成長したか見に行ってきましたが、大きくなってました。
私の身長とほぼ同じ、1メートル50センチ以上。
そもそも、この品種は成長しても3メートルほどというものなので、
そんなに大きくはなりません。
なので、今年、あるいは来年には花が咲くかもしれませんね。
基本的に、これらの桜の種は地元に戻って、
それぞれの地元の方たちによって大切に育てられていますが、渋谷に植樹されたように、
それ以外の土地でも見ることができます。
渋谷よりも山梨から近い、東京の多摩エリアで、
宇宙桜(そらざくら)を何種類か見ることができるんです。
中には長い歴史を刻んでいる桜もあって、その直系子孫が多摩の地で新たな歴史を刻んでいます。
三春の滝桜、醍醐桜、ワカキノサクラ、ひょうたん桜、以上の4種類が
6年前に、多摩市にある桜ケ丘公園内に植樹されているので、
来月上旬には「さくらまつり」があるようなので、
それに合わせて足を運んでみてはいかがでしょうか。
見た目は普通の桜でも、実は宇宙を旅した種から成長しています。
身近な宇宙を体験できますよ。
森雄一