鉄ちゃん道、どう?~鉄道を使って富士山へGO!~
今日は鉄道を使って富士山へ行ってみましょう。
そして、富士登山も・・・とはいっても、装備は全く必要ない富士登山です。
山梨県内の方にとっては、馴染みが薄いかもしれない、富士塚を訪ねる旅。
富士塚とは、簡単に言えばミニチュアの富士山です。
富士山までは、とてもじゃないけど行けないから、いっそ作ってしまえと、
江戸時代に各地に作られました。
富士塚は、東京23区内だけでも50以上は残っているそうで、
鉄道を使って富士塚へ行って、気軽に富士登山を楽しむことは簡単です。
今回は、中央線沿線の富士塚を訪ねました。
まずは、武蔵境駅から徒歩5分の杵築大社へ。
入り口の大きな鳥居をくぐると目の前に本殿がありますが、
その左側にうっそうと木々が茂っている、ちょっと小高いエリアがあります。
ここが富士塚、ちゃんと山道が整備されていて、一合目、二合目、三合目と、
道しるべがあるのがユニークです。
ところどころ、溶岩でできたような岩肌が見え、山頂へまっすぐ伸びる急な階段と、
横道にそれれば、それほど力まずに進めるようななだらかな山道もあります。
横道を使っても、頂上にはわずか1分弱で到着。
登山口入り口前には大きな池があるんですが、これは河口湖を模したものか、
山中湖なのか。
山全体を見ても富士山のようなきれいなフォルムではないものの、
武蔵野の地に富士山があるのは驚きでした。
杵築大社は長女のお宮参りに行ったところ。登山もしておけばよかった。
お次は、総武線の東中野駅から歩いて20分の月見岡八幡神社。
境内には幼稚園が併設されていて、安全のため、入り口は閉まっています。
お参りをする人はロックを解除して入場し、内側からロックしておけば、
境内を散策できます。
目指す富士塚は一番奥にあって、ここはなかなか、登り甲斐がありました。
猿や天狗の石像もあって、雰囲気は抜群
急な階段を登って、もちろんあっという間に頂上に到着~
一気に登ってしまうのが惜しいほど、狭いエリアに見事な富士山を再現しています。
続いては、新宿・歌舞伎町。
不夜城の歌舞伎町にも、富士塚があるんです。
新宿区役所前の道と職安通りにぶつかる手前にある稲荷鬼王神社。
キャバクラなどの風俗店やホテルが並ぶ街並の一角に鎮座する、
静かなたたずまいの神社。社殿横には水琴窟があって、
まさかこんなところで水琴窟のきれいな響きを聞くことになろうとは・・・。
気付かずにスルーしてしまいそうなほど、それほど存在感を感じないのですが、
立ち止まって見てみると、一合目から九号目まで、
形状様々な石に彫り込んであって、胎内、馬返し、亀岩(かめいわ)など、
富士塚を構成するいろんな要素が含まれています。
最後は、千駄ヶ谷富士。
中央線と平行に走る総武線の千駄ヶ谷駅から歩いて行けます。
ここは都内に現存する中では最も古いとされる1789年築造。
東京都の有形民俗文化財に指定されている有名な富士塚です。
鳩森八幡神社の富士塚の規模はとても大きく、高さは5メートル以上はありました。
頂上から人が下山するのが分かりますか?
千駄ヶ谷富士はかな~りでかい。
山頂を目指すルートは3つあって、どこから登っても見どころがたくさんあります。
一部には富士山の溶岩が使われていて、
熱心な方は毎日、富士登山を楽しんでいるとか・・・
世界文化遺産に登録され、さらに加熱する富士登山。
ブームに乗りたくても、なかなかチャンスがない人にとっては、
こうした富士塚巡りにチャレンジするのも面白いと思います。
急増する外国人観光客の皆さんはほとんど富士塚を知らないでしょう。
そんな彼らに知るチャンスがあれば、私たちに日本人にも広く知れ渡り、
各地の個性豊かなミニチュア富士に触れて、
山岳信仰「富士講」の歴史に触れるきっかけになるかもしれません。
目の前にありながら、それでも登るチャンスがない山梨県民のあなたも、
県外に多く存在する富士講を訪れてみてはいかがでしょうか。