月の魅力~Part.1~
詩人の萩原朔太郎は明治19年11月1日生まれ。
一日(ついたち)のことを、朔の日と書いて「ついたち」と読みます。
一日(ついたち)生まれだから「朔太郎」という名前になったそうですが、
月は古来より、常に生活に密着していて、萩原朔太郎のように、名前の一部に使われたり、
信仰の対象にもなり、旅人にとっては夜道を照らす明かりにもなりました。
果たして、現代では、「月」はどのような存在なんでしょうか。
満月、半月、三日月、その名前を聞けば形が想像できる3つの名称。
でも、月の名前ってたくさんあるんです。あなたは、どれくらい月の名前を挙げられますか。
例えば満月。希望の望に月と書いて望月(もちづき)。
満月のことを指します。
古い言葉では、満月を、天に満ちる月と書いて天満月と呼んでいました。
新月、つまり朔から、上弦の月である半月、満月である望、そして下弦の月である半月。
およそ29日周期で月は満ち欠けを繰り返しますが、
これを大体12回繰り返すと1年がたつわけです。
1月は別名睦月、2月は如月、3月は弥生、
以下、卯月、皐月、水無月、文月、葉月、
長月、神無月、霜月、師走となりますが、大体「月」が入っています。
それぞれの月を様々な呼び方で親しむのも日本ならではと言えます。
2月は梅の花が満開になることから梅見月と言いますし、
3月は桜が咲き始める頃なので花見月、桜月と呼ぶこともあります。
こういった名称は書き言葉で使われることが多いので、文学的な響きがあるような気がします。
梅雨の時期が始まる5月は月不見月(つきみずつき)、
9月は夜が長くなることから寝覚月(ねざめづき)、
12月は家族で集まることが多くなるからでしょうか、
親子月(おやこづき)なんて呼び方もあります。
ランチの定番としてうどんやそばは欠かせませんが、
卵を割って乗せれば月見うどんに月見そば。
お花屋さんに行けば月に関係する花を見つけられます。
月見草・・・開花から数時間でしぼんでしまうというサボテン科の月下美人も有名です。
月の光は、水面に映る様子もまた美しいものです。
河口湖や山中湖に映る月の様子を、湖の月と書いて湖月(こげつ)といいます。
同様に海に映る月は海月(かいげつ)、
単に水面(みなも)に映るものも水月(すいげつ)というように、
同じように見えても、それぞれ違った表現があるのも興味深いです。
山の上に見える月は山月(さんげつ)、西に沈もうとしている月は、
落ちる月と書いて落月(らくげつ)、また滅多に見られない現象ですが、
満月の元で見える虹を、月の虹と書いて月虹(げっこう)と言います。
月という漢字を使った様々な表現を一部ではありますが、ご紹介しました。
これが他の国の言語だったらどの程度のものになるのか、まったく想像できません。
少なくとも英語よりは日本語の方が表現は多いと思います。
それは、日本人が、より月を愛でる習慣があるということなのかもしれません。
山梨で一番月がきれいに見えるのは大月市?道志村の月夜野も忘れてはいけません。
いずれにしろ、月のつく土地に住んでいる人がうらやましい。
OA曲:Shame On The Moon(月に吠える) / Bob Seger & The Silver Bullet Band
<この一週間の星の見どころ>
3月1日は新月になるので見えるようであれば、
毎日、月をチェックして満月に向かってふくらんでいく様子を見守りたいですね。
先日の大雪により、山梨県立科学館がしばらくお休みしていましたが、
この前の日曜日から無事に再開しています。
今日からしばらくくもりや雨模様が続きますから、
そんなときこそ、科学館のプラネタリウムプログラムで楽しむのがいいでしょう。
月が変わると、いよいよ国際宇宙ステーションの若田光一さんがコマンダー、船長に就任します。3月9日に就任セレモニーがあるそうで、その日以降、宇宙ステーションが見えたら、
そこのトップが日本人だって胸を晴れますね。