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2013年1月18日 (金)

DJモーリーのモリモリキッチン~春鶯囀立春朝搾り~

創業220余年の歴史をもつ山梨を代表する蔵元のひとつ萬屋醸造店では、
2月4日の立春限定で販売する特別純米生原酒「春鶯囀立春朝搾り」の
仕込み作業を進めています。

立春朝搾りは、節分で邪気を払った翌日の朝・・・
つまり立春の早朝に搾ったお酒を飲んで、春を迎えてもらおうという縁起物。
これは日本名門酒会が1998年から行っている企画で、
今年は、北は北海道、南は九州まで、33都道府県、39の蔵元が参加し
およそ20万本を売り出す予定だそうです。

山梨県内では、「春鶯囀」でおなじみの萬屋醸造店が参加します。
萬屋醸造店は、2001年から参加、1年目は800本を出荷し、
年々出荷数を伸ばして、去年は6236本を出荷しました。
参加12年目となる今年はおよそ7000本を生産して、
日本名門酒会山梨支部加盟の12店舗で限定販売されます。

立春の2月4日に行われる酒搾りにあわせて仕込まれるというこの立春朝搾りは、
「大吟醸より神経を使う」という杜氏泣かせのお酒だといわれています。
通常、日本酒というのは、発酵しているもろみの頃合を見て、
「これでよしっ!!」という時を見計らって、搾るそうなんですが、
この「立春朝搾り」は、立春にベストな状態になるように、
完璧な管理と微妙な調節が必要なので神経を使い、
杜氏さんは毎年この時期はなんともいえないドキドキ感を味わっているそうです。

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春鶯囀の立春朝搾りを仕込む杜氏の田中浩さんは、
今回の仕込みについて、今年のお米が若干固かったので苦労した、
そして、例年に比べ寒かったので、
子育てと一緒で風邪をひかせたりしてはいけないと神経を使い、
大変だったとおっしゃっていました。
このお言葉から、自分の子供のように大切に育てている様子が、
伝わってきました。

今回は去年の12月30日に仕込み始め、現在は酒かすをこす前のもろみの段階、
タンクの中でフツフツと泡を立てながら、酒搾りの2月4日立春を待っています。
実は、1月17日の放送後、富士川町の萬屋醸造店にお邪魔して、
蔵で2月4日の酒搾りを待つ「立春朝搾り」の様子を見せていただきました。

蔵に一歩足を踏み入れると日本酒の香りが漂ってきました。
でもそれは、「酔っ払いそう・・・」というものではなくて、
フルーティーで芳醇で上品な香り、
それが冬の蔵独特のひんやりした空気と合わさって、
「ピーン」と気持ちが引き締まるような、そんな感覚でした。

大きなタンクが並ぶ中、案内されるまますすんでいくと、ありました!!
「立春朝搾り」の札がかかったタンクが!

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その中をのぞくと、白いとろっとしたもろみが発酵して、フツフツ泡を出していました。
耳をすますと泡が弾ける音も確認することが出来ました。

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もろみが泡を立てて発酵している様子伝わりますか?
そうです!!日本酒は生きているんです!感動しました。

見た感じは白くてどろどろしていて、「甘酒」のような感じ。

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飲んでみると、口の中でしゅわしゅわ~と泡が弾けて、
少し強めの微炭酸飲料のようでした。
まだお米の粒が残っていて、舌でお米の固さも確認できました。
お味の方は・・・フルーティーな香りが口いっぱいに広がって、ほのかに甘い!これは、おいしい!!
試飲であること、大事なお酒であることを一瞬忘れて、ぐいぐい飲んでしまいそうになりました。
これが一体、2月4日の立春にはどんなお酒になるのか、非常に楽しみです。
杜氏さんにどんなお酒をイメージしているのか伺ったところ、
「香りも味もフルーティーなお酒に仕上がりそう」とおっしゃっていました。

立春朝搾りは、立春当日の未明から絞り始め、搾りあがったらすぐに瓶詰めして、
出荷をしなければいけません。
ですから、この日の職人さんたちは夜中から、もしくは徹夜で作業を行います
そして、さらにその日のうちにお客さんに届けるため、
早朝から参加加盟店が蔵元に集まり、ラベル貼りや箱詰め作業を手伝います。
そうして瓶詰めされた、「春鶯囀立春朝搾り」は、愛宕神社の宮司さんにお祓いをしてもらい、
飲む人はもちろん、造る人、それを届ける人、「立春朝搾り」に関わるすべての人たちの
無病息災、家内安全、商売繁盛を祈願します。
その後、加盟店の方たちはお酒を持ち帰り、「立春朝搾り」を待つお客さんに届けられます。
加盟店の方たちにとっては、ここからが本番、忙しく長い一日なります。
加盟店のみなさんも、この行事をとても楽しみにしていて、
「春の縁起のいいお酒だよ」といって、お客さんに届ける瞬間は幸せで、
年に一度の大イベントとなっているそうです。
「立春朝搾り」はまさに、関わったすべての方が笑顔になれるお酒というわけですねsign03
飲んでみたくなってきましたよねsign02

春鶯囀立春朝搾りは、720ml 1575円、7000本の限定販売です。
地方発送もOKです。(発送を希望する場合は、別途送料がかかります。)
飲んでみたいという方は、立春朝搾り参加加盟店でご予約ください。
予約の締め切りは1月28日(月曜日)までとなりますが、
去年は締め切りを前に限定数に達してしまったそうですので、
お早めにご予約を!
「私の家の近くの加盟店はどこ?」など、
お問い合わせは、
武田食品株式会社 企画課内 日本名門酒会山梨支部
電話055-235-1142まで。

春の訪れを喜ぶという「立春朝搾り」。
昔から日本酒は、おめでたい席や節目には欠かせないものです。
立春の朝に産声をあげたばかりのお酒で、生まれたての春をおいわいしましょう♪