I'm"アナロギスト"
Ladies and Gentlemen
How’s Doing Today
最近改めてその魅力が再評価されているアナログ時代の作品の中から
おススメなアナログレコードを紹介する｢アイム・アナロギスト｣のコーナー
今週選んだ一枚は・・・・
Louis Armstrong / Best 20 Songs (1886年)
不滅のジャズマンであり、ジャズ・シンガーであり、ポップス・シンガーであり、
エンタテイナーであるサッチモことルイ・アームストロング。
以前、テレビCMに使われて以来、あの独特のしゃがれた声と、
とても親しみのあるルックスで現在も幅広い層から支持されている彼。
元々はトランペットの歴史はジャズの歴史と言われるジャズ音楽の花形である
トランペットのNO.1プレイヤーですが、歌が大好きで、歌詞のないヴォーカル・スタイル
｢スキャット」を生み出したのも彼、ルイ・アームストロングでした。
Louis Armstrong（1901年8月4日-1971年7月6日）のサッチモという愛称は
「satchel mouth」（がま口のような口）というのをイギリス人記者が聞き違えたと言う説や
「Such a mouth!」（なんて口だ！）から来たとする説などがありますが、その他、
ポップス (Pops)、ディッパー・マウス (Dipper Mouth) という愛称も有名です。
彼が生まれ育ったのは、ニューオリンズの貧しい居住区で、子供の頃には祭りで浮かれ、
ピストルを発砲して少年院に送致され、皮肉にも、そこで楽器と出会いが偉大な
ジャズマン｢Louis Armstrong｣の誕生となりました。
1923年、キング・オリバーの楽団に加入、初のレコーディングを経験。
1924年にはN.Y.に移り、超有名なフレッチャー・ヘンダーソン楽団に移籍、
ブルースの女王ベッシー・スミスとも共演。その後シカゴに戻り、彼は4度結婚してるんですが、
当時の妻リル・ハーディン・アームストロング（ピアノ）らと共に自分のバンドの
ホット・ファイヴを結成し、そのバンドで1926年に録音した楽曲「Heebie Jeebies」は、
ジャズ史上初のスキャット・ヴォーカルの曲として知られています。
1953年には初の日本公演を行っています。
因みに、時代がビートルズを代表とするポップ・ミュージック一色となる中でも、
彼は多くのアメリカ国民に受け入れられ、特に「ハロー・ドーリー!」は1964年5月9日付けの
全米ナショナル・チャートでNO.1を記録し、その年の2月から3ヶ月間1位を独占していた
ビートルズの連続1位の記録をストップさせ、当時63歳のルイの偉業は驚愕に値します
1967年には、「この素晴らしき世界 (What a Wonderful World)」が世界的な
メガヒットとなり、取り分け、日本ではCMに使われたこともあり彼を語るうえで
欠かすことの出来ない代名詞的1曲となっています
また、1968年にはウォルト・ディズニー映画の曲を取り上げたアルバム
『サッチモ・シングス・ディズニー』を発表、ジャンルに縛られない柔軟な音楽性で
話題となりました。そして、1969年には、映画『女王陛下の007』の挿入歌、
「愛はすべてを越えて (We have all the time in the world)」を発表、
UKチャートでは1994年に最高位3位を記録しています。
高い音楽性と、サービス精神旺盛なエンターテイナーぶりが評価され、
映画にも多数出演、代表作として、フランク・シナトラやビング・クロスビーと共演した
『上流社会』や『5つの銅貨』、『ハロー・ドーリー』等が有名
彼は、ジャズ界でも稀な天才トランペット奏者と言われ、かのウィントン・マルサリスは
「色々なトランペット奏者の良い所を盗もうとしたが、アームストロングだけは盗めなかった。
とにかく凄すぎるからさ」と大賞賛
ジャズ・シーンの巨匠、マイルス・デイヴィスは「アームストロングは喋りまでジャズになっている」
と語っています。
今日はLouis Armstrong / Best 20 Songsから以下の3曲を聴いて頂きました
M1)Hello,Dolly !
M2)Cabaret
M3)What A Wonderful World
＜木河 淳＞
