オオクチイシナギ
心臓が飛び跳ねる経験をしたのはいつぶりだろう。
怖い。最初に感じたのは、そんな気持ちだった。
はじめてのひとり水族館。
江ノ島水族館に急に行きたくなって、
お昼過ぎからお出かけした。
江ノ島に到着して、美味しいものをこっそり食べたり
探検をしてから、水族館に向かった。
いろいろな水槽を眺めながらゆっくり歩いた。
自分のペースで泳ぐ彼らに
私ももっと自由に生きよう。と勇気をもらった気がしたのだ。
でも、心臓が飛び跳ねる経験をすることになる。
一番人気の大きな水槽、
エイ、イワシの群れ、大きなタイ、ウツボ、
もっともっといろんな魚がいる
そんな大きな水槽の横に、
小さく、仄暗い水槽があった。
なぜかその水槽に目がいったので、
こっそり近づく。
その水槽の上の方から一筋の光が漏れている。
深海ゾーンだったらしい。
なにがいるんだろうと近づくと
その光の中に青い目が光った。
それがオオクチイシナギとの出会いだった。
イシナギは体長最大2mにもなる魚だ。
そんな大きな魚と、その光の中で目があった。
真っ直ぐゆっくりと私に近づいてくる。
水槽の壁があるはずなのに
まるでその世界に私とイシナギしかいないような気持ちになって
急に怖くなった。
限界まで近づいた時
やっと息ができて、肩がびくっとなった。
ひとりで行ってるのに恥ずかしかった。
イシナギはそのままゆらゆらと泳ぎ続けていたけど、
時々こちらを見ているような気がした。
ちゃんと目を向けているような。
そんなイシナギの目が
怖くもあって、でも、強く見えた。
どんなにかっこつけても、
どんなにいい人ぶっても、
見透かされてしまうような目をしていた。
たまにこういう人もいる。
なにをしても見透かされてしまう、そんな人。
私はそんな人が怖くて苦手だけど
同時に大好きになってしまう。
だからなのか、
イシナギに恋をしてしまったみたいだった。
また会いに行きたい。
近々もう一度。
みほの画伯のイシナギをみんなに紹介しますね(おりゃー!)
1枚目、アプリで描いた(失敗)
こんなよちよちの赤ちゃんみたいではない。
これ手描きで描いた。(Mスパの台本裏に)
いや、こんなマスコットのようではない。
イシナギかなり難しい。
イシナギを上手く描けるように今日から少し頑張ろうと思う。