鉄ちゃん道、どう?~外国人旅行者の鉄道利用状況②~
鉄分モリモリでお届けする鉄ちゃん道、どう?
今日は増加の一途をたどる外国人旅行者の鉄道利用状況をレポート
世界の旅行者は、日本の鉄道についてどんな印象を持っているんでしょうか?
私たち日本人が持っている印象とほぼ同じで、
①時間に正確。
②路線網が充実している。
③技術力がすごい。
この他に、駅の中で買い物ができることにも驚きを持つ旅行者は多いようです。
その中でも、駅弁に代表されるようにお弁当類のバリエーションの豊富さ。
日本のファストフードであるおにぎりが、どこでも買えるのは、
日本の一つのウリになっているようです。
富士山なり、日光なり、東京を拠点にそれぞれの観光地へのお得な往復チケットを、
日本にいる友人に予約してもらって、それを日本に来て受け取るなど、
かなり下調べをした上でやってくる方もいるようです。
あと、見逃せないのがマラソンやサイクリング、トライアスロンといった、スポーツイベント。
県内でも様々なスポーツ大会が頻繁に開催されていますが、
そういった大会で外国人の参加者を見ることがありますね。
日本に住んでいる方もいれば、わざわざ海外からやってくる方もいらっしゃいます。
これは、拡大解釈すれば、地方のユニークなお祭りやイベントでさえ、
旅行者のツボにハマれば、訪問する価値のあるものになります。
例えば、山梨を代表するお祭りである信玄公祭り。
もし、外国人旅行者のために、武者行列がよく見られる指定席を確保できれば、
旅行者も「行ってみたい」という気持ちになるかもしれません。
イベントに関することでは、山梨については「花」が一つのキーワードになっているようです。
今だったら芝桜、ちょっと前だと桜や桃、というように、
花をテーマに各地でお祭りが開かれます。
これにも外国人旅行者は興味を示していて、何より美しい景色に、
日帰りで行けるというのが魅力のようです。
そして、これも山梨向けですが、ワインや日本酒のように、
お酒を切り口に目的地が定まることもあるようです。
山梨は何といってもワインですが、外国の方からするとまずは日本酒なんですね。
日本人から見ても、新潟は米どころ、かつ酒どころということで、
日本酒を味わいに、新幹線を使って新潟訪問というのは人気になっているようです。
新潟では3月中旬に、2日間に渡って、
県内のお酒が一堂に会するイベントを盛大にやっていて、
各酒蔵は通訳を連れて参加するほどの力の入れ用なんです。
だからこそ、旅行者もお酒を造っている人から直接話しを聞いて、
納得すれば買って帰るんですね。
日本酒の需要を少しでも伸ばそうと、酒蔵自身が外国の方にアピールする、
これは山梨県内でもやってみる価値はあるでしょう。
日本を旅行して感謝したことで挙がるのが、
①忘れ物、落し物が出てくる。
②親切に道案内してくれる。
これらは、口コミで広がっているようで、
日本は安全な国という印象がもたれています。
これからの課題として、JR出身の谷口さんが挙げたのは、
トラブルがあった際の外国語表記の問題。
車両の不備や人が絡む事故が起きた場合、車内モニターや駅構内で、英語での表記で、
その旨を伝えることはやっている路線はあるものの、他の言語での伝達ができていないので、
早急に取り組まなければならないとおっしゃっていました。
アナウンスでは、駅員さんが日本語で繰り返ししていますが、
果たして外国人観光客からしてみれば、何が起こっているのか、
これからどうなるのか、さっぱり分からないんですね。
さらに、東京都心の場合は、どこかの区間が止まっても、
私鉄やメトロを使う代替手段があります。
これを外国人旅行者に伝えるのがまた難しいそうです。
路線網が充実している故の悩みともいえますね。
それから、荷物の預かり所が少ないことも問題のようです。
駅で大型の荷物を預かるサービスや、
大型のロッカーの設置などは今後の課題になっているようです。
さあ、いかがだったでしょうか。ゴールデンウィークが終わって、
利用者も落ち着いてくる今週末、久しぶりに鉄道に乗って、
外国人旅行者がどのように鉄道旅行を楽しんでいるのか、お勉強してみませんか?