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2019年5月23日 (木)

森雄一の週一エッセイ 第4回「カルテット」

数字というのは面白いもので、世界どこへ行っても、好まれる数字、嫌われる数字があるようだ。好きな代表格は「7」か。ラッキーセブンとはいったい、何のことやら。ナンバー1から「1」とか、満点だから「100」というのもありだろう。一方、嫌われ系では、「4」、「9」、「13」あたりだろうか。兄が大学受験の際、受験番号の下2桁が「49」だったのに閉口していた。その大学は落ちたようだった・・・・・

 

日本では「4」=「死」のイメージがあるものの、実は私は「4」が結構好きである。それは、自分の生活や好みにしているモノ、コトが「4」に関係するものが多いからなのだ。

そもそも兄のいる私の人生のベースは4人家族。親になった今でも2人の子どもに恵まれ4人で生活している。大好きなバンドを挙げてみようか。ビートルズ、シンデレラ、エクストリーム、Mr.BIG、すべて4人編成だ。クラシックでは断然、弦楽四重奏が好みで、ヴァイオリン×2、ビオラ、チェロのカルテットが通常である。

ここで登場、今回のタイトル「カルテット」。四重奏や四重唱を指す言葉だ。友人でもある作家の鬼塚忠氏の小説「カルテット!」は映画化されている。余談だが、2011年の映画撮影時、東日本大震災が発生し、撮影地だった千葉県浦安市は液状化現象が起こり、混乱した。それでも撮影を続行し、私も撮影風景を取材したのだが、みんな前向きに、明るく取り組んでいたのが印象的だった。細川茂樹、鶴田真由、剛力彩芽、高杉真宙、家族4人がカルテットを結成する物語だ。他にも「カルテット」と名の付く映画は国内外にたくさんある。大概は音楽が絡んでいる。

 

娯楽では中国発祥の麻雀だ。4人でやらなくてはいけない。私は中学生の時に親から習い、家族で卓を囲んだものだ。点数計算は親に任せ、私はひたすら牌(パイ)を積み、盲牌(モウパイ)に励んだ。社会人になると、よく上司や後輩を誘って雀荘に通ったものだ。有楽町界隈には雀荘がたくさんあり、酒+たばこ+かつ丼という3点セットで盛り上がるのが定番のスタイル。憧れの役(勝つための上がり手のこと)には、四暗刻、大四喜、小四喜などがあり、麻雀は「4」という数字がとても合うのだ。ちなみに、中国語で4は「スー」と言う。英語では「フォー」、スペイン語やイタリア語では「クアトロ」だ。日本にはクラブ・クアトロというライブハウスがある。各国語の4の発音を聞いていると「死」なんて忘れてしまっている自分がいる。

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アニメ好きの私としては、現在放送中の「異世界かるてっと」もあえて挙げておきたい。4つの異世界アニメが、これまた異世界で時間を共有する、面白く、不思議なアニメだ。「オーバーロード」、「この素晴らしい世界に祝福を!」、「幼女戦記」、「Re:ゼロから始める異世界生活」、これらのコンテンツは、すべて小説が元になっている。小説からアニメ、コミック、劇場版と、人気になれば4つのステップを踏んでさらにファンを増やす。おお!ここにも「4」が。ゲームと言えば、RPGの王道のパーティ編成はやっぱり4人組。

 

どうだろう、ここまで身近な「4」を聞かされると、むしろ好きになってこないだろうか。

いや、無理やり集めたわけではないのだぞ。ちょっとがんばったけど。