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2018年1月13日 (土)

映画『ジャコメッティ 最後の肖像』

私RIOが注目しているクリエイティブな情報を

ご紹介していますRIO’s Column

1月13日に2本目にご紹介したのは

1月5日からすでに全国ロードショーとなっています

映画『ジャコメッティ 最後の肖像』です。

去年の夏に、東京の国立新美術館で

11年ぶりに開催された大回顧展

「ジャコメッティ展」が行われまして

約2ヶ月半の開催期間中に

なんと約14万人の動員をされたそうです!

やっぱり日本でも大人気ですよね〜


私も、去年の夏に自分の個展を開催していて

「ジャコメッティ展」行きたいな〜と

ずっとソワソワしていて(笑)

自分の個展を終えて、すぐかけつけたのを

覚えています。

1901年イタリアの国境に近いスイスで生まれた

芸術家アルベルト・ジャコメッティ。

没後50年を過ぎた彫刻家、画家、素描家

そして版画家で本当に日本でも

とても人気の高い芸術家です。

細く長く縦に引き延ばされたような人物のブロンズ像

皆さん見たことありますよね?

あの強烈な印象を残すジャコメッティは

彫刻家と分類されているんですが

実は日常的にデッサンを描いたり

肖像画などの油彩作品の制作も精力的に行っていたんですね。

“見えるものをそのままに”ということを信条に

時間を惜しんではアトリエに籠もり

一旦作った作品を気に入らないと言って

躊躇なく壊すこともよくあったというのも

有名なお話です。

©Final Portrait Commissioning Limited 2016

1926年、ジャコメッティは終の棲家となる

イポリット=マンドロン通り46番地の

アトリエを借り、彼の右腕でもあった

弟のディエゴも同居しながら仕事を

手伝っていました。

この時代はピカソとの交流もあり

シュルレアリスムやキュビズムに影響を

受けた作品を制作していましたが

1932年に初の個展を開いたのち

ジャコメッティはシュルレアリスム運動から

距離を置き始めます。


その後の1936年から1940年にかけての作品は

人間の頭部や一点を見つめる腰かけた人間の

彫刻が主になっています。

これらの作品の特徴は、弟のディエゴのほか

友人でアーティストのイザベル・ロースソンや

妹のオッティリアなどの家族や知人を

モデルにした単独の人物像でした。

彼の彫刻がまるで線のように細長くなったのは

目に見えるものの本質を捉えようとして

細部を削ぎ落としていったからだと言われています。

目で見たとおりのものを作るという目標は

彼にとって達成し得ないもので

口癖にしていたのも有名なお話です。



©Final Portrait Commissioning Limited 2016

さて、今回の原作でもありモデルになった

ジェイムズ・ロードは

パブロ・ピカソとアルベルト・ジャコメッティ

の伝記を書いたことで知られる

アメリカ人作家で美術評論家です。

ジャコメッティに初めて会ったのは

1952年、パリのカフェ“Deux Magots”で

その10年後、ロードはジャコメッティから

肖像画のモデルになってくれと頼まれます。

二人は18回に渡って肖像画制作に臨むのですが

そのエピソードが1965年に出版された

回顧録「ジャコメッティの肖像」へとつながります。

ジャコメッティが最後に手掛けた肖像画の

モデルを務めた

そのジェイムズ・ロードの回顧録

「ジャコメッティの肖像」を

『Shall we ダンス?』のハリウッドリメイク版

『Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?』で

竹中直人さんが演じたラテン好きの

スキンヘッドを熱演して日本でも話題になりました。

『プラダを着た悪魔』『ターミナル』でも

素晴らしい演技を見せていた

スタンリー・トゥッチが脚色、監督した

知的コメディです。

そしてジャコメッティに扮するのは

『シャイン』のアカデミー賞®俳優

ジェフリー・ラッシュ。

特殊メイクとダボダボの衣装で

ジャコメッティそのものに変身し

鬼気迫る表情で天才作家を熱演されています。

さあ最後の肖像画はいつ、どのように完成したんでしょうか?!

©Final Portrait Commissioning Limited 2016

ストーリーは、、、

パリ、1964年。

当時すでに名声を得ていた

アルベルト・ジャコメッティ(ジェフリー・ラッシュ)の

個展が開かれている会場から始まります。

もう10年の付き合いになる友人で作家の

ジェイムズ・ロード(アーミー・ハマー)は

肖像画のモデルを依頼されます。

アメリカに帰国寸前だったロードは

彼の「2日で描き上げる」という言葉を信じて

イポリット=マンドロン通り46番地にある

アトリエへ向かいます。

作家であるロードにとって

巨匠の仕事を間近で見られるチャンス

ましてや自分がモデルだなんて光栄なこと!

と張り切っていた初日でしたが、、、

この時は18日にも及ぶ地獄のセッションになる

とは予想もしていませんでした。


この時、すでにかなりの大金を稼いでいた

ジャコメッティですが

自宅兼アトリエは狭く汚く古びていて

そこに妻のアネットと右腕的存在の弟ディエゴ

の3人で暮らしています。

アトリエにかなり乱雑に置かれた

未完成の作品の数々に圧倒されるロードでしたが

ジャコメッティはいつものように

真っ白なカンバスをイーゼルに立てかけます。

そしてロードの顔の角度を微妙に調整し

パレットに絵の具を出し

たばこをくわえながら描き始めるのです。

「肖像画とは決して完成しないものだ」と

不吉な言葉を発しながら…(笑)


さぁ、モデル1日目のセッションが

終了したんですが完成にはほど遠い。

そこへジャコメッティのミューズ的存在の

娼婦のカロリーヌがフラリと現われると

それまで苦虫を噛み潰したような表情で

作業していた時とは一転

陽気なカロリーヌにジャコメッティは

メロメロに!急に機嫌がよくなるのです!

ロードは、アトリエの中を悲しそうに見つめる

妻のアネットを見つけます。

なんと2人は3年間も、妻の目の前で

堂々と不倫しているのです。


2日目。ジャコメッティはなぜか集中力を欠き

「絶対に完成しない」と叫び始めます!

肖像画は未完成で、ロードは帰国を延期します。

3日目。筆は遅々として進みません!

モデル経験のあるアネットと話すうちに

ロードは肖像画が完成しないのではと

不安を感じ始めます。

4日目。ジャコメッティは

「明日は本格的に始める」と上機嫌。

しかし、突然現れたカロリーヌにまた

邪魔されて、セッションは終了。

ロードがふらりとアトリエを出て

向かいの部屋に目をやると

ジャコメッティの親友日本人哲学者の

矢内原伊作(やないはら いさく)とアネット

がお楽しみ中!!




©Final Portrait Commissioning Limited 2016

5日目。ジャコメッティは

行方不明になったカロリーヌのせいで

癇癪を起こし、セッションは絶不調に。

でもその数日後、カロリーヌが舞い戻り

また機嫌が戻ったジャコメッティは

セッションを再開。

さらなる帰国の延長でロードはアメリカにいる

恋人に愛想を尽かされるんですが

創作の合間にジャコメッティから聞く

ピカソとの裏話や目に見える現実を

作品で表現するために葛藤するジャコメッティ

とのセッションは何物にも代えがたい

貴重な体験だったのです。

14日目。

ジャコメッティは完成間近の肖像画を

太い筆で消す、、、

絶望するロードに

「希望が最高潮になると、私は投げ出すんだ」

と笑うジャコメッティ 、、、


15、16、17日目。

描き、叫び、消すが繰り返されるんです。

果たして、ロードは恋人の待つNYへ

帰れるのだろうか

肖像画は無事、完成するのか。


『ジャコメッティ 最後の肖像』

2018 年 1 月 5 日(金)

TOHO シネマズ シャンテ ほか 全国ロードショーです

もうすでに始まっておりますので、お見逃しないように!