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2018年8月 7日 (火)

8月12&19日放送 第六十七回 六十八回は 小手鞠るい 作『ある晴れた夏の朝』

20180522 (T.SUSUMUさん撮影)
『 パナホーム山梨 presents SUNSET THEATER 』

ご案内役の 小川もこ です。

毎週、日曜日の17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー
サンセットタイムにお届けする この番組は、
私、小川もこ が 名作をセレクトし 朗読させていただきます。


第六十七回放送、第六十八回放送は 8月12日8月19日
終戦記念日を挟んでお届けする今回は、
小手鞠るい が書きました『ある晴れた夏の日』です。

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1956年3月に岡山県備前市に生まれた小手鞠さんは、1996年からニューヨーク州ウッドストックに移り住み、
アメリカにて素晴らしい文学を書き続けていらっしゃいます。
そのジャンルは、詩集、恋愛小説、絵本、児童書、ノンフィクション、エッセイと多岐にわたっています。
近年は、「アップルソング」「炎の来歴」そしてこの「ある晴れた夏の日」と、
戦争を言及する中で、心打たれる作品が多く、いつも新作の上梓を心待ちにしている小川です。

この作品「ある晴れた夏の日」は、中学生・高校生ぐらいを対象としたYA(ヤングアダルト)ジャンルとして
今年の八月に偕成社から出版されたばかりの新刊本ですが、
感動した私は読んですぐ、朗読させて欲しいと小手鞠さんにお願いし、ご快諾をいただきました。

物語は、アメリカの8人の高校生が、広島・長崎に落とされた原子爆弾の是非を、
公開討論会でディベートしていきます。
主人公のメイは日系アメリカ人、肯定派、否定派、それぞれのメンバーは、アイルランド系、中国系、ユダヤ系、アフリカ系と、そのルーツはさまざま。

原爆投下肯定派は、この4人。
ノーマン(アイルランド系)、ケン(日系)、ナオミ(ユダヤ系)、エミリー(中国系)

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一方の原爆投下否定派は、この4人。
ジャスミン(ハワイ州)、メイ(日系)、スコット、ダリウス(アフリカ系)Img_2881

彼らによって、どんな討論がおこなわれるのか?

メインテーマは原爆の是非ですが、それぞれの登場人物のおかれた立場から、
真珠湾攻撃、日中戦争、ナチズム、アメリカマイノリティなどにも話が及んでいきます。

日本人同士による原爆論議ではなく、対戦国であったアメリカの いまの若者たちによって
語られていくのも、感慨深いと思います。

Img_3215

広島平和記念公園にある、この慰霊碑がとても重要なモチーフとなってきます。

Img_3216





ぜひ。お聴きくださっての御感想 お待ちしています。
メールアドレス
sunset@fmfuji.jp
へ どうぞ。

さらに。この番組ブログの扉のサンセット写真は いつも夕陽・夕焼け・夕景を掲載しています。
最初の頃は、無料の壁紙を貼っておりましたが、
最近、投稿していただいた写真を載せさせてもらっています。
あなたも、綺麗だなぁ〜というサンセット写真が撮れたら、ぜひ。

sunset@fmfuji.jp
へ 送ってくださいね〜〜♪


日曜日の午後。17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー。

東京や関東近郊の皆様は78.6MHz、甲府は83.0MHzにチューニングして、
その他 全国の皆様は、LISMO WAVEや radiko.jpプレミアムでお楽しみくださいね〜♪

スマホやパソコンで聴けるアプリradiko.jpプレミアムでは、タイムフリー機能で、聴き逃しても 1週間以内なら いつでも聴くことが出来ます。

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【追記】いただいた御感想です。

radikoで聞いています。

もこさんご無沙汰しております。

 久しぶりに、サンセットシアターを拝聴いたしました。

 小手鞠るいさんの「ある晴れた夏の朝」

 原爆投下に関する討論という、とても難しいテーマを丁寧に描いていると感じました。

 特に、“過ちは繰り返しませんから”の主語に関しての説明は、今の日本の若者にも是非聞いてもらいたいと感じました。

 考え方を押し付けるのではなく、せめて年に一度、夏の日に原爆や戦争のことを“見つめ直す”こと、それが私たち、‘今を生きる人類’としての責任だと痛感いたしました。

 本作品は、是非いろんな言葉に訳して、世界中の人の心に、触れられるようにしてほしいと思います。

 ステキな作品をありがとうございました。これからも、楽しみにしております。

 まだまだ暑い日が続きますが、ご自愛ください。

 江戸川のオルカ 拝

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8/23 小手鞠るいさんの「ある晴れた夏の朝」を聴いて

 テーマは戦争・原爆投下という深刻なものですが

高校生を主役にすることによって 柔らかいタッチで、すっと入ってきました。

 様々な国の若者が、それまでに受けた教育によって

「自国の行いが正しい」と考えてしまうのは

当然でしかたないことかもしれません。

でも、人間社会の中にある「真実」は違って

いることに気づき、未来につなげてゆく…

心の中で「そうだ!そうだ!」と拍手して

しまいました。

 アメリカに住む日本人作家

そんな小手鞠さんだからこそ、書くことができた

とっても尊い素敵なお話でした。

 

中学生・高校生に是非読んでもらいたい本です!

東京都世田谷区 ラジオネーム   チャンプ

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radikoのエリアフリーで聴いています。

「あやまちはおかしませんから」

と日本人が言うのはおかしい。そんなふうに思っています。

サンセット・シアターで聞いているときは

「なるほどそういう解釈もあるのか」

と眼からウロコがおちそうになったけれど、

原爆を落とされた立場からは咀嚼できません。。

 もっとも、あそこまでコテンパンにやっつけられないと

「降参」といえない、あの頃の日本の中枢にいた人たちが
もっと悪いような気もしますし

東京大空襲があったころに「降参」するべきだったと思っても、

たらればのハナシでありますね。。

こういう考えさせられる作品を、これからも楽しみにしています。

新潟県新潟市 タケゴン