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2017年11月21日 (火)

11月26日放送 第三十回は 太宰 治 作『美少女』『待つ』

Dsc_144520171110 (Susumu・T撮影)
『 パナホーム山梨 presents SUNSET THEATER 』

ご案内役の 小川もこ です。 

毎週、日曜日の17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー
サンセットタイムにお届けする この番組は、
私、小川もこ が 名作をセレクトし 朗読させていただきます。

第三十回放送は 11月26日。今回 は、太宰 治が書きました「美少女」「待つ」の二編です。

「美少女」は1939(昭和14)年に「月刊文章」に発表されたもので、甲府の湯村温泉が舞台となっています。
盆地特有の猛烈の暑さの中、「私」が、妻とともに、皮膚病に効くという大衆浴場に出掛けて、
美しいをからだをした少女に遭遇するという物語。
少女の裸体の描写も、全然 えっちじゃないのが、さすが太宰。

太宰治中期の作品で、日常の光景を軽妙な筆致で切り取っていて、ここちよいです。

「顔より乳房のほうを知っているので、失礼しました」 なんて、ユーモアやウイットを感じさせる作品です。
この小説の舞台となっている温泉、湯村温泉郷の旅館『明治』さんに一昨年、おじゃました時の写真を
いくつか。

Img_2658 美しい湯船です。お湯の温度は、小説にあるほど冷たくないよ。ちょうど良いheart01

Img_2659

旅館のフロント奥には、太宰資料コーナーが あって、太宰ファンには堪らんのよね。

Img_2664
太宰さんとツーショットの湯上がり もこ。


もうひとつの、「待つ」は1942(昭和17)年「女性」に発表された短編です。
二十歳の娘である「私」が、毎日、自分でもわからない「誰か」「なにか」を、
小さな省線の駅のホームで待っているという話。
終始、「私」という一人称で語られていくモノローグ。

さて、彼女は、いったい何を待っているのでしょうか。

この小説が世に出された昭和十七年といえば、前年に太平洋戦争が開戦。
時代が軍国主義に染まっていく中で、彼女はきっと
「救い」「希望」「平和な、静謐な世界」を待ち望んでいるのかもしれません。


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