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2017年7月 4日 (火)

7月9日放送 第十回は 太宰 治 作『貧の意地』

Sunset

『 パナホーム山梨 presents SUNSET THEATER 』

ご案内役の 小川もこ です。 

毎週、日曜日の17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー
サンセットタイムにお届けする この番組は、
私、小川もこ が 日本文学の名作をセレクトし 朗読させていただきます。

第十回放送は7月9日。今回 取り上げるのは、
太宰 治が書きました、「貧の意地です。

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第一回のサンセット・シアターに登場した太宰ですが、
今回の作品は、かなり趣きが違います。

『新釈諸国噺』の中に、江戸の話として収めされている作品ですが、
元々、井原西鶴が書いた
「西鶴諸国はなし~大晦日はあわぬ算用(巻一の三)」
を、さらに膨らませて書いたものなんですね。

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井原西鶴
江戸中期、大阪に生まれた俳人で、浮世草子作家です。
天和2年浮世草子『好色一代男』を発表、作家としても地位を得ました。
代表作の『世間胸算用』など、好色物・武家物・町人物と、西鶴の名を近世文壇史上に大きく残す様々な作品があります。元禄6年(1693)歿、52才。

この『新釈諸国噺』を書くにあたって、太宰治は、以下のように綴っています。

「〜新釈諸国噺しょこくばなしという題にしたのであるが、これは西鶴さいかくの現代訳というようなものでは決してない。古典の現代訳なんて、およそ、意味の無いものである。
(略)
西鶴は、世界で一ばん偉い作家である。メリメ、モオパッサンの諸秀才も遠く及ばぬ。
私は西鶴の全著作の中から、私の気にいりの小品を二十篇ほど選んで、それにまつわる私の空想を自由に書きつづり、「新釈諸国噺」という題で一本にまとめて上梓じょうししようと計画しているのだが、まず手はじめに、武家義理物語の中の「我が物ゆゑに裸川」の題材を拝借して、私の小説を書き綴ってみたい。原文は、四百字詰の原稿用紙で二、三枚くらいの小品であるが、私が書くとその十倍の二、三十枚になるのである。(略)」

さて、太宰の手によって、西鶴の作品が、どのように生まれ変わったのか。

まるでダメな男である 主人公の 原田内助と、その友人たち七名が巻き起こす てんやわんやのストーリー。
落語か、講談のような展開が楽しく、どう感じていただけるか、ワクワクです。

あなたのご感想をお待ちしています。

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日曜日の午後。17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー。

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【 追記 】
頂戴したご感想を掲載させていただきます。

オガッチさんから:
「貧の意地」を聴かせていただきました。
原田と七人の男の群像劇として描いており、とても面白い作品ですね。
仰せのとおり、太宰は優しい人である為、主人公 原田に太宰の姿が投影されているかのように思えます。
太宰作品は好きなので、サンセットシアターで取り上げられる時は、予習で読んでから聴くことにしています。

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