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2017年6月29日 (木)

7月2日放送 第九回は 室生犀星 作『あじゃり』

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『 パナホーム山梨 presents SUNSET THEATER 』

ご案内役の 小川もこ です。 

毎週、日曜日の17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー
サンセットタイムにお届けする この番組は、
私、小川もこ が 日本文学の名作をセレクトし 朗読させていただきます。

第九回放送は7月2日。今回 取り上げるのは、
室生犀星が書きました、「あじゃり」です。

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室生犀星は、明治22年8月1日、石川県金沢市に生まれました。
生後まもなく真言宗高野山派、千日山雨宝院の養子となり、養父母のもとで育ちました。
高等小学校を中退して12歳で働きはじめた犀星は、文学への思いを募らせて20歳で単身上京、生活苦にあえぐなかで、数々の詩をつくりました。

『愛の詩集』『抒情小曲集』などの抒情詩は大正期の詩壇を牽引し、さらに小説家としても活躍しました。その作品は抒情的な作風の「幼年時代」や「性に眼覚める頃」などの初期小説、市井鬼ものと称される「あにいもうと」などの中期小説、「杏つ子」「かげろふの日記遺文」「蜜のあはれ」など次々と新しい境地を拓いていった晩年の小説など多岐にわたり、随筆、童話、俳句にもすぐれた作品を残しています。

不遇な出生をのりこえて描かれた犀星文学は、故郷の山河に対する深い思いや、小さな命、弱いものへの慈しみの心があふれ、人生への力強い賛歌ともなっています。

抒情小曲集
ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土(いど)の乞食(かたい)となるとても
帰るところに あるまじや

この詩句が有名ですね。

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今回の作品「あじゃり」は、『 文豪怪談傑作選・室生犀星集 童子 」

に収められた14編の短編の中の一つです。
「あじゃり」とはサンスクリット語で「規範」という意味で、
正しく戒律を守り、弟子たちの規範となり、法を教授する師匠や僧侶のことだとか。

峯の寺に暮らす高僧の 阿闍梨さま について、
旅の禅師に 菊世という女が もの語る形で進行していきます。

どんな高僧でも、心惑わすことはあるのか・・・
ちょっと怖い展開を どうぞお聴きください。

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日曜日の午後。17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー。

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