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2017年6月18日 (日)

6月25日放送 第八回は 山本周五郎作『憎い あん畜生』

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『 パナホーム山梨 presents SUNSET THEATER 』

ご案内役の 小川もこ です。 

毎週、日曜日の17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー
サンセットタイムにお届けする この番組は、
私、小川もこ が 日本文学の名作をセレクトし 朗読させていただきます。

第八回放送は6月25日。今回 取り上げるのは、
山本 周五郎が書きました、「憎いあん畜生」です。

朗読するにあたり、甲府市の山梨県立文学館で6月18日まで開催されていた
「山本周五郎 歿後50年 特別展」に行ってきました。

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山梨県大月市出身の周五郎ですが、県人気質を シニカルに書いていたり、二度の結婚で それぞれの奥様を深く愛していた様が伺いしれたり、様々な直筆原稿や 映画化された作品の数々のポスター、彼が愛したワインwine、さらにはラジオに出演時 読者からの投稿に真摯に答える肉声を聴けるコーナーなど、充実の展示でした。

この特別展、甲府では終わってしまいましたが、次の開催は、横浜です。

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ぜひ。ご覧になってみてくださいね。

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山本 周五郎は1903年(明治36年)6月22日 に生まれ、1967年(昭和42年)2月14日に63歳で亡くなりました。

本名、清水 三十六(しみず さとむ)。

山梨県北都留郡初狩村(現在の 大月市初狩町下初狩)に生まれ、明治40年に起きた大水害後、一家は北豊島郡王子町豊島(としま)(現在の 東京都北区豊島)に転居します。

小学校卒業後、銀座の質屋で奉公、後に筆名としてその名を借りることになる店主・山本周五郎の庇護のもと、同人誌などに小説を書き始めました。
1926年、「文藝春秋」に『須磨寺附近』を発表し、文壇デビュー。
その後15年近く 不遇の時代が続きますが、やがて時代小説の分野で認められはじめます。
『日本婦道記』(1942-1946)で直木賞に推されたものの、これを辞退し、生涯で一個の賞も受けることはありませんでした。
『樅ノ木は残った』(1958)、『赤ひげ診療譚』(1958)、『青べか物語』(1960)、『おさん』(1961)、など次々と名作を発表し、人間に対する深い愛と洞察力で多くの読者の支持を得ました。 

今日の作品「憎いあん畜生」は、新潮文庫「艶書(えんしょ)」という短編集に収められているものです。 

愛する相手のために。あなただったら、どういう生き方を選ぶでしょう。

主人公の 半四郎 と おそめ 、二人に 思いを重ねながら聴いてみてくださいね。

あなたのご感想をお待ちしています。

メールアドレス
sunset@fmfuji.jp
で、お待ちしています。

日曜日の午後。17:30~18:00 FM FUJIにてオンエアー。

東京や関東近郊の皆様は78.6MHz、甲府は83.0MHzにチューニングして、
その他 全国の皆様は、LISMO WAVEや radiko.jpプレミアムでお楽しみくださいね〜♪

スマホやパソコンで聴けるアプリradiko.jpプレミアムでは、タイムフリー機能で、聴き逃しても 1週間以内なら いつでも聴くことが出来ます。


【追記】
ハルのただ飯さんから
若気の至りの恋とは言え、身分の違いが悲劇を生んだのではないでしょうか。
子を宿し 身を引いた おそめの愛と、武士の半四郎の一途な想いが交錯していました。
雨の中、山谷から馬道、本所から石原へ向かう半四郎は、きっと、隅田川の この橋を渡り、この路地を曲がり...と3D映像のように想像が広がりました。
ラストシーンで、おそめさんが愛していたのは”凛々しい武士の半四郎”なのだとわかり、心が救われました。
もこさんの艶やかな声の おそめさんに逢ったら。半四郎だけでなく、男はみんなイチコロですね。
もこ師匠に脱帽です。