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2019年9月28日 (土)

自己啓発本なんて今すぐに捨てろ。

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いきなりの挨拶代りの弩級のボックスセットのフォトからである。家宝のひとつ、マイルスのなんと53枚組(CD52枚+DVD1枚)のセットだ。購入を迷っていたワタクシに、ワタクシ以上にマイルスの音楽をこよなく愛する妻が一言「買わないと。コレは」と。何年前のことだろう。マイルスのCOLUMBIA時代のアルバムの全てがここに。すんごいボックスですよ。コレは。

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というわけで、本日9月28日はマイルスの命日。91年のその日、ワタクシはアメリカはボストンに暮らしておりまして、その訃報を知ったファンたちが続々とボストンコモンという大きな公園に集まりマイルスに追悼を捧げる映像がニュースでは流れ、タワレコ(その当時はまだアメリカでもタワレコの店舗は存在してました)にもマイルスのCDを求めにやってきた多くの音楽ファンたちが涙を流していたのをはっきりと覚えております。あれから28年。まさか自分の番組でマイルスをピックアップすることになるとは。音楽愛、継続は力なり。

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ベスト盤も多く出ていますが、うーん、なんだろ、マイルスをベスト盤で聴くというのはやはり違うというか、いや、マイルスに初めて触れるカジュアルなファンにはベスト盤もオススメですが、まず「初めの1枚」は、番組でもお話しした通り1959年リリースのジャズ史上、というかアメリカのすべてのジャンル、ポピュラー・ミュージック史上屈指の名盤である『Kind Of Blue』をまずは。この作品を聴いて、味わって、噛み締めて、それから次にいこう。ただし、この名作、ワタクシも三十年以上噛み締めても未だにその奥義に辿り着かないというくらいの強烈なアートでして...。このアルバムから今日は「So What」をお送りいたしました。カウントダウン番組でマイルスの「So What」がほぼフルでかかるというのも前代未聞?

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全音楽ファンが待ち焦がれていた幻の作品の全貌が、35年という時を経てついに今明かされましたね。1985年にレコーディングされておりながら世にでる事なく、今まで誰の手にも触れることのなかった幻の未発表作品『Rubberband』が9月6日ついに国内盤でもリリースされました(涙)。まさか2019年の今にマイルスの作品をニューアルバムとして聴くことができるなんて。このアルバム、アメリカのジャズ・アルバム・チャートで初登場1位にチャートインしたままその座を譲らず独走中。あたりまえ。

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日本の音専誌各誌も軒並み特集組んでます。これもあたりまえ。

ここで番組では時間が足りずご紹介しきれなかったマイルスの名言をいくつか羅列。

昨年、お亡くなりになりましたが、音楽情報を発信している「uDiscover」の編集長を務めていたリチャード・ハーヴァーズさんが、マイルスの残した20の訓示を紹介しました。

1 ジャズ・アーティストを批評する点は、そいつに計画があるのか、そしてアイデアがあるのかどうかだ。

2 伝説とは過去の功績で知られた年老いた杖をついた男のことだ。俺はまだやっている。
3 まず演奏してやるから、それが何なのかは後で教えてやる。
4 失敗を恐れるな。そんなものは存在しない。

5 そこにあるものを演奏するな。そこに無いものを演奏しろ。
6 安全圏で突っ立ってるんじゃない。何かを創造したいと思うなら自ら変化しなければならない。

7 誰だって演奏はできる。音符はその 20%だ。それを演奏するクソ野郎の態度が残りの80%を占めているんだ。
8 もし自分の芸術を、女か、男か、肌の色か、富のために犠牲にするなら、お前は信用されない。

9 俺は無視できる音しか聞かない。
10 俺にとって音楽と人生はスタイルだ。
11 何を演奏したらいいのか分からなければ、何も演奏するな。
12 もしミントンズ・プレイハウスのステージに立って何も演奏できなかったら、お前は客に無視されたり罵声を浴びせられて辱められるだけでなく、店から蹴り出されるぞ.
13 ジャズは革命の兄貴なんだ。革命はその後をついてくるんだ。
14 俺はそいつがスウィングさえできれば、そいつが緑の息を吐く紫色したやつだろうが構やしない。

15 どうして俺がバラードを吹くのを辞めたかって。それは俺がバラードをやるのを愛しているからさ。

16 いつでも前を見てろ。振り返るな。

17 ディキシーランドをすぐかけるやつは嫌いだ。ボップこそが全てだと思ってるやつはバカだ。そいつが無知であることの証拠だ。

18 年に 1 日だけでもいい、全てのミュージシャンは自分の楽器を置いてデューク・エリントンに感謝を捧げるべきだ

19 自分らしく演奏できるように時には長時間演奏することが必要だ。

20 俺の言ってることが全て理解できるなら、俺になれ!

おい、なんなんだ!このかっこよさは!

さぁ、君も今すぐにアホな自己啓発本なんて読み買いするのをやめてマイルスを聴こう、知ろう。

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そして、もう一箇所のD-LINEではベン・E・キングでした。1938年の今日9月28日に生まれたのが、そう、彼、ベン・Eだったのです。お送りしたのは「Stand By Me」ではなく、あえてワタクシの大好きなドリフターズ時代の「Dance With Me」にしました。

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そうそう、ジャズものでのオススメを一枚。ジャズメイア・ホーンの新作『Love & Liberation』です。ヴォーカルものです。素晴らしいです。センスもgoodです。秋の夜長にどうぞ。

今日は番組終わりに「凪」で啜ってきました。美味ですな。相変わらず。

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今日もたくさんのご参加ありがとうございました。RN Kママさん、ミミさん、あおい月影さん、歩くヴィレヴァンさん、甲州市のよっちゃんさん、ねこダッシュさん、ハルのただ飯さん、夢ちゃんさん、プーのともだちさん、シャドウミストレス甲府さん、すみっこさん、しーつんさん、ジャムキングさん、小豆あんこさん、ヴァンフォーレキングさん、他たくさんの皆さん、ありがとう!

次回はもう10月ですね。Hits!! M-Chainも8%から2%増しの感じ、イイ意味での増税ならぬ、魅力増量できるように邁進してまいります。どうぞ改めてよろしくお願い致します。

では、また次回です♬

おまけ...

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iPhoneのミー文字です。似てますかね?ワタクシに?

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