2019年6月22日 (土)

6月22日は松元寺から

ここをクリックすると番組を聴くことができます。

湯村エリアをてくてくしている、今月の
「てくてくこうふ」

今回は、松元寺へやって来ました。
甲府市教育委員会 歴史文化財課の金子 誠司さんに
お話を伺っていきます。

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先週にお話しを伺った、杖の湯の隣というか、
弘法湯の斜め向かいにあるお寺です。

なだらかなな坂を上ると、本堂があります。
お寺の規模としては、そんなに大きくありませんが、
静かで、ゆったりとした時間が流れているような
お寺でした。

こちらの本尊は体の悪い部分を撫でると
身代わりになってくれるという
「身代わり観音」ですが、行方不明になっています。

位置関係は、こんな感じ。
左手奥が、弘法湯さんです。

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松元寺を開いたのは、大野主水という人物。
山梨市で生まれ、武田家の財政を担当する蔵前衆として
仕えました。
武田家滅亡の後は、徳川家に仕えています。

大野主水が、松元寺を開いた理由は、
この近くにある湯谷神社を守るためと言われています。
当時は、ここで湯谷神社の祭礼も行っていましたが、
明治時代の神仏分離令により別れたそうです。

さて、湯谷神社ですが、
こちらは、「谷の湯」の温泉が出た際に、湯の島の守り神として
「湯権現」お迎えしたことにはじまります。

先週に、ちょっとご紹介した、「鷲の湯」伝説から、
鷲を山の神に見立てて、湯権現として祀っていたそうです。

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石鳥居の「大権現」の文字は、
1643年に甲斐の国に流された、良純親王の筆によるもの
という説もあります。

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歴史を感じる見どころもありますが、
ちょっと怖い伝説もありました。

先ほども、ご紹介しましたが、湯谷神社は、
鷲を山の神とみて、湯権現に祀っていました。

昔は、毎年大晦日の夜12時から元旦の朝6時までは、
山の神が入浴するので、人は入浴してはいけないという
言い伝えがあったそうです。

しかし、そのタブーを破って湯に入った男は、
翌朝、湯谷神社鳥居手前の大杉にはりつけになって
死んでいたといいます。

湯谷神社には、今も大きな杉がありますので、
なんだかちょっと怖かったです…。

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言い伝えって、楽しいものだけではなくて、
戒めの意味も込めた、ちょっと怖いものもあるんだなと思いました。

でも、楽しいことも、怖いことも、
人がそこで暮らしてきたからこそ
出てくるものなんでしょうね。

そんなに広くはない湯村エリアですが、
歴史を感じたり、伝説を聞いたりできる場所が、
たくさんあったのが、面白かったです。

さて、来週は湯村エリア完結編。
来週もまた、てくてくします。