2019年6月15日 (土)

6月15日は杖の湯跡から

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今月は、湯村エリアを歩いています。
今回伺ったのは、「杖の湯跡」という場所です。

写真でもわかるように、お湯は沸いていません。
小ぢんまりとした、裏庭のような場所ですが…

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甲府市教育委員会 歴史文化財課の金子誠司さんに
お話を伺いました。
杖の湯は、弘法大師が開いたといわれています。

平安期に、湯村に降り立った際に、
道の真ん中に大きな石があり、旅人が困っていました。
そこで呪文を唱えながら、その石を杖で寄せると温泉が湧いた、
という伝説の場所が、ここなのです。

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杖の湯の近く、表通りに面した場所には、
旅館「弘法湯」があります。渡り廊下の風情がステキです。

こちらでは、杖の湯が湧き出ているとされる岩風呂があり、
脱衣場には、弘法大師が祀られているそうですよ。

さて、湯村温泉エリアには、他にも伝説があります。

「鷲の湯」は、
その昔、鷲が萱草の中に姿を隠していましたが、
それが7日続いた後、ぱったり来なくなってしまったそうです。
村人が見に行ったところ、そこには湯気が上がっていて、
掘り返すと、熱いお湯が沸いたそうです。

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「谷の湯」は、臨済宗建長寺派開祖の大覚禅師が
夢のお告げの通り、湯村にやってきて温泉を見つけ、
村人がその温泉を使っていたそうです。

谷の湯には、農耕馬の温泉もあったそう。
私は、湯村温泉では、馬もお湯に浸かっていた話が、
とても好きです。
なんだか、ほっこりする…

さて、湯村温泉。
江戸時代からは、庶民や文人墨客も愛した温泉です。

湯村八景といって、湯村の景色が綺麗なところを
和歌にして詠むということが行われていました。0615_4

こうやって写真を撮ってみても、
やはり風情がありますね。

時代や見ていた景色は違えども、
古くから旅の人にも愛されていたことが分かります。

また来週も、てくてくします。