2019年5月18日 (土)

5月18日は山崎方代ゆかりの地から

ここをクリックすると番組を聴くことができます。

今月は、中道エリアをてくてくしています。
3週目の今回は、右左口(うばぐち)に戻りまして、
歌人、山崎方代ゆかりの地をめぐりました。

ここは、中道環道沿いの右左口宿でも最も標高が高い、
上宿(わでじゅく)にあります。

今回も、甲府市教育委員会の林部光さんに
お話を伺いました。

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山崎方代は、中道の右左口出身の歌人です。
大正時代に生まれ、15歳ころから歌を詠み始めました。

太平洋戦争で右目を失明し、左目の視力もわずかになった
放代は、街頭で靴の修理などをしながら各地を旅をして、
「漂泊の歌人」と呼ばれました。

ここ右左口にある、山崎方代の生家跡は、
東屋もあり、地元の方が憩う場所になっていました。

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ここから見える景色は、とても綺麗で、
心が癒されました。

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山崎方代は、自らを「無用の人」と言って、
世間から離れて暮らし、生涯独身でした。

詠んだ歌からは、飾り気なく日常を切り取る中にも
どことなく寂しさがあるような感じがします。

暗い寂しさではなく、明るくユーモアがありながらも
根底には、ちょっと人恋しさとか寂しさがあり、
それが、歌を読んだ人の心にも染み渡ることで、
共感を生み、温かさが出てくるような、
とても魅力的な歌人だなと思っています。

また歌だけではなく、書も多くの人を魅了しています。
とても味わいのある字を書く人ですが、
詠む歌と、書がとても合っているなと思います。

生家跡には、方代の直筆が刻まれている歌碑があります。
(中道エリアには多くの歌碑があります)

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ブログの最初に出ている写真も、歌碑の前で
撮ったものですよ。

また、生家跡から離れた円楽寺に、方代のお墓があります。
こちらも、方代の字が刻まれていますので、
多くの方が訪れ、方代の書を眺め、思いを馳せているそうです。

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お酒も供えられていました。
墓石の側面の墓誌も、方代の字です。
また、言葉も方代が考えて書いたものです。

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事務的に経歴が書かれているものではなく、
家族の歴史を描くような、温かみがあるものでした。

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お墓の近くの道、遠くに南アルプスを臨む
とても美しい景色です。

優しくも、寂しさも感じる歌、
その礎を作った右左口の景色を眺めてたら、
方代の歌を思い出しました。

ふるさとの右左口邨(むら)は骨壷の底にゆられてわがかえる村


また来週もてくてくします。